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異界のストーリーテラー  作者: バルバダイン
第一部 「イダヴェル戦乱編」
32/65

第三十話 「メルレン隊はゲリラでござる」

お待たせしました!

なんとか2日遅れで踏みとどまったぜ!

お気に入り、評価などなどありがとうございます!

 僕らもこの南方くんだりまでやってくる間にはただのんべんだらりと行軍してきたわけではない。

 ゲリラ戦を展開するにあたり、効果的な襲撃ポイントの選定、潜伏場所の確保、襲撃の準備などもやってきた。

 こちらが寡兵であることが割れると舐められてしまう。

 ゆえに昼間の襲撃はなるべく避ける。

 また遮蔽物のない平地では奇襲の成功率が低い。

 よって夜間に森林、山岳、あるいは一部都市において敵補給部隊や隊列の中間、または指揮官を狙って攻撃する。

 ゲリラ戦の神髄は神出鬼没。

 そして通常の戦闘とは異なり、こちら側の一方的なタイミングと場所で攻撃を仕掛けることができる。

 さらに何よりのアドバンテージは、この世界では長らく源平合戦以前のようなのんびりした、力比べのような戦が行われてきたため、本格的な戦術や計略、ましてやゲリラ戦術などに対して何の予備知識もないといううことだ。

 理想は姿なき襲撃者。一撃を加えて速やかに離脱。

 だっていうのに、お前らわかってんのか・・・

「栄えある先陣はこのバクスター・ポロニアムにお任せあれ!イダヴェルの奴ばらにバルディスにポロニアムありと刻み付けてくれましょうぞ」

「おいおい、そりゃあムシがいいんじぇねえの?テスカの百人隊はオレの直属、ってことはこのクーリアが先鋒ってのがスジじゃねえのかい」

 先陣はもう僕がやっただろが。

 おい、サラ!なにをこそーっと手を挙げようとしてやがる!

 あれだけ口酸っぱくして説明したのに、まだ戦争ごっこだと思ってるヤツが多いな。

 初襲撃はウイラード領ダシュワーまであと一日の付近。

 街道を辿るであろうイダヴェル軍が平野が切れて森に差し掛かるあたりで野営をするはずだ。

 森の大きさはさほどではないが、全軍が通過するのに丸一日かかると見積もるので森の中での野営は避けたい。

 ということは先頭が森の外縁部に到達した時点で細長い縦列陣に隊列を組み換え、森を抜ける準備をしてから野営すると思われる。

 作戦は単純。 少数で接近し、補給部隊に攻撃をして離脱。

 ゆえに、

「まずは弓の腕に自信がある10人で夜陰に紛れ接近し、補給部隊に火を放って即離脱します」

 僕、アル君が確定。他に8人を選抜した。

「いいですか、夜陰に紛れてと言っても平野での襲撃になります。重要な補給部隊を警護する兵は多く見張りも厳重でしょう。よって火矢によるのは最後の手段とします」

 遠距離から火矢を放っても少数では充分な効果は見込めない。

 補給物資全体を消失させるつもりはないが、警戒を強めさせるだけではマイナス効果だ。



 そして夜、襲撃ポイントである。

 背負い袋に弓矢を収納し、輜重隊に積んである鎧の中でも皮鎧などできるだけ軽装でみばえのしない物を選ぶ。

 手に持った武器は槍だ。

 槍なんて持ったのは初めてだが、別にこれで立ち回りをするわけではない。

 「いかにも歩兵」風の扮装だ。

 これで各グループを2人ずつに分け、バラバラに補給部隊へ接近し放火(?)する。

 見咎められた場合は無理をせず引き下がる。

 着火方法はまさかの最悪火打ち石だが、僕が到達できた場合には魔術で着火(フリック)するので油だけ撒いてもらう。

 さてはてうまくいきますやら。


「緊張しますね」

「まあまあ、演技はわたしがやりますからアル君は愛想笑いでもしていてください」

「ははは・・・」

「うんうん、そんなかんじです」

 警戒の強い補給部隊に向かってまっすぐ夜の平原から近づいたらいかにせん不審に思われる。

 比較的近い場所からすーっと隊列に近づこうとする。

 見つかりませんようにー。

「おい」

 見つかったー。

 振り向くと歩哨が幕舎の陰から出てきたところだった。

 エルフ耳を隠すために耳当てをしているので、パッと見細身で背の高いイケメンにしか見えないだろう。

「お前らどこに行ってたんだ?」

 よしなんとかセーフだ。

「ああ、若いのに酒飲ませたら悪酔いしちまってな。ニオイがきつくなりそうだからちょいと離れてたんだ」

 と、アル君を指差す。

 歩哨は大袈裟に顔をしかめてアル君を見る。

「なんだ、見ればまだ子供じゃねえか。あんまり無茶させるんじゃねえよ。確かに顔色悪いな。大丈夫か?」

 アル君の顔色が悪いのは緊張のせいです。

「は、はい・・・大丈夫です」

「すまんすまん、ばあさんにもらったいい胃薬があるから飲ませてやるよ。水切らしちまったから補給隊の方で貰えるかな」

「ったくしょうがねえな。補給隊もいい迷惑だぜ」

 歩哨は行け行けという風に手を振って反対側に歩いていった。

 ほっと胸を撫で下ろす。

 アル君は本当に体調が悪いような顔色だ。


 手を挙げてあちこちの見張りに挨拶をしながら隊列を進んでいく。

 個人の識別方法も無く、夜襲の警戒といっても通り一遍の、部隊による襲撃しか警戒していないからこんなにザルになる。

 補給隊に近づくと見張りの数はやや増えたような印象だが、せいぜい1.5倍といったところか。

 数はたいしたことがないが、明るい。明るすぎる。

 これでは背負い袋から油を入れた皮袋などごそごそ出していたら目だって仕方ない。

 各馬車、幕舎に2つずつほどぶら下げられているランタンがまた大型で光量が高い。

 近くに見えるテスカ隊の人間も躊躇しているようだ。

「アル君、隙を見て明りが届かない暗がりまで後退して弓の準備。合図をしたらわたしが示した馬車のランタンを弓で撃ってください」

「わかりました」

 すぐさま近くの味方のところへ素早く駆け寄る。

「作戦変更します。騒ぎを起こしますので、無理のない範囲で火を放って騒ぎに乗じて撤収です。火種はランタンを使ってください」

 そしてペアになっているうちの一人を最寄の仲間のところまで行かせる。

 あとは順送りで伝達すれば準備完了だ。


 僕は再び単独行動に戻り、補給隊中列の隊列中ほどの幌馬車に近づく。

 馬は手綱を解かれて近くの杭に繋留されており飼葉を食んでいる。

 僕は幌馬車に取り付けられている長柄(多頭立て馬車を曳く馬同士を繋ぎ、御者が進行方向を決めるための木製の棒を組み合わせた部品)には手を出さず、御者台にあったロープを馬の胴に巻かれた装具の環に結び付けて馬車と繋ぐ。

 馬はやや警戒したように鼻を鳴らすが、首を叩いてやると落ち着いた。

 僕は幌馬車の中に入って背負い袋をから油の容器をとりだした。

 御者台付近に架かっているランタンの下から馬車内に向かって充分に油を撒く。

「おい!お前何をしている!」

 いかん!ついに見つかった!

「怪しい動きをしているヤツがいると思って追ってくれば。お前バルディス兵か!?」

 大声をあげる見張りに周囲が慌しくなってきた。

 僕は無手のまま敵に向かって思い切り走り、ラリアートの要領で御者台から叩き落す。

 そして

「アル君!!」

 大声で合図を送る。

 馬車は隊列中にあり、外からの射界は狭い。

 でも、アル君の腕ならやれるはずだ。

 ヒョウッ!

 闇の中から矢が飛来し、ランタンが落ちる。

 カシャーン

 ランタンが割れ、中から油が飛び散り火がそこに落ちる。

「うわあ!火だ!」

 間近に上がった火に誰何してきた見張りが慌てる。

 見つからないままだったら着火(フリック)を使うはずだったが、アル君に頼んでおいて正解だった。

 そして先ほど繋いだ馬の繋留ロープを剣で切り、尻に向かって思い切り回し蹴りを食わせる。

「!!!」

 一瞬馬は棒立ちになり、でたらめに走り出した。

 火の点いた幌馬車を曳いたまま。

 火牛の計ならぬ、火馬の計ってとこか。


「侵入した敵を逃がすな!」

 最初の見張りと数人が、追ってきた。

 無駄な戦いはせず撤収しよう。

 アル君の待つあたりへ向かって走りだすと敵も走る。

「ぐわ!」

「つ!」

 悲鳴があがる。

 アル君の放った矢が追ってくる敵の太腿を正確に捉えていく。

 それは見事な早撃ちで、夜でおまけに動く目標に対して驚くほどの腕前だった。

「ありがとう、アル君。撤収しますよ」

「はい!」

 まだ緊張さめやらぬアル君を伴って再び闇へと溶け込む。

 振り返ってみればあちこちで散発的ではあるが火の手があがり、混乱の極みにあるようだった。


 予定集合地点では夜襲に出た全員が怪我ひとつなく戻ってきてひとまず胸を撫で下ろす。

 向こうが不慣れなので助かったが奇襲とはいえ臨機応変の域を超え、あまり行き当たりばったりでは取り返しのつかない事態になってしまうかもしれない。

 反省して慎重にやろう。



「怖かったですか?」

 アル君に聞くと少し悩んでから頷く。

「はい」

「見つかって捕まるかもしれないことが?」

 今度は首を横に振る。

「敵を撃つのが怖かったです。でもメルレン様が追われてるのを見て必死で!」

 今になって恐怖がぶり返してきたのだろう。

 ぶるぶると震えるアル君の頭に手をおいて、ぽんぽんと軽く叩く。

「ありがとう。おかげで助かりました。まあこれが戦争ってものの一部です。アル君のような若者に慣れて欲しくはないんですが、殺されるよりはましかもしれません」

 実際ましかどうかはわからないが、僕としては死にたくはないしアル君の死ぬところも見たくない。

「矢を放ち敵に当たる、剣で切りつけて敵が倒れる、結果死んでしまう。心臓を狙って矢を放つ、首筋を狙って切りつける、そして殺す。ふたつは同じ結果になりますが大きく違うことはなんでしょう」

「・・・殺す気があるかどうかですか?」

「そうです、殺意の有無です」

 現代ならば傷害致死か殺人かで罪状や刑罰は異なってくる。

「ここは戦場で僕らは兵士です。アル君も剣を執る職を自らの意志で選んだのですよね」

「・・・はい、そうです」

 静かながら力強く答えるアル君。

「それならば相手を殺す意志を持って戦うべきです。兵士は敵の命を奪うという呪われた職業ですが、それゆえに誇りをもって戦わなければ奪った命に対して不敬になるとわたしは考えています」

「失礼ということですか?」

「そうです。相手も兵士で、自らの命を賭けてこちらの命を奪うべく戦場に立っています。そういう相手に対するにあたって自らも兵士でなくてはいけません。兵士同士が日頃の訓練の成果を発揮すべく戦って、どちらかが死ぬ。われわれが今いるのはそういう場所なのです」

 アル君は下を向いている。

「常に相手に敬意を払い、それゆえに全力で相手を殺すことが兵士の務めではないかと、わたしは考えています」

「・・・わかりました。覚悟を持って戦うということですね」

「まさしくその通りです」

 もう一度アル君の頭をぽんぽんと叩く。

「怖いですけど頑張ります」

 えらいえらい。

「人の命を奪う意味と今感じている恐怖を常に忘れないでください。それを忘れると獣になってしまいます」

「はい!」

 偉そうに言ってはみたが、自分に言い聞かせていることでもある。

 どっちかというと逆の意味で。

 メルレンはどうやら結構鉄火場をくぐっているようで、内心ドキドキするような場面でも平然としてしまう。

 盗賊相手の立ち回りでも、チェスターとの一騎打ちでも相手を手に掛けることに思ったほどの動揺がない。

 これではまずい。

 無双もいいかもしれないが、僕は所詮文明人だ。

 この感覚を現代に持ち帰ってしまうときっといろいろおかしなことになる。

 いわゆる「おまわりさんこの人です」状態だ。

 そういう感覚の麻痺は一面的には助かるのだが、まだうら若き僕の人格形成に深刻な影響を及ぼすことも考えられる。

『コロシ、ダメ、ゼッタイ』

 いやなんかちがうな。

『いのちだいじに』

 これもちがう。

『だってにんげんだもの』

 ・・・・・。

 まああれだ、じぶんを客観視することを常々忘れないようにしないとダメってことだ。

 でもこの身体ってどうなってんだろうね。

 メルレンという人格が元々あった、ということになっている。

 僕が介入する前のメルレンという個性が確かにあった。

 僕はたまたまなのかどうか知らないが、メルレンというキャラクターを作成しここにいる。

 前のメルレンはどうなった?

 死んだ?

 もし僕が元の世界へ帰ると、この身体はどうなる?

 死ぬの?

 それとも元の人格が戻ってくるの?

 ううむ久々に哲学的蟻地獄に陥ってしまった。

 いいのさ!悩んでもわからないことは悩まない!なるようになる!

 無理やり考えを打ち切ると、僕とアル君と夜襲部隊は馬足を速めて隊の野営場所に戻るのだった。




 その後のイダヴェル軍の動向を観察するとやはりウイラード領最大の街ダシュワーへ向かった。

 夜襲をかけずにおいたが、やはり警戒レベルは引き上げられているようで、常時見張りに立つ兵が増え、ものものしい雰囲気だったという。

 肝心の夜襲による被害は計上するほどもなかったようだが、夜襲に対する警戒を強めさせるのが目的なので構わない。

 僕らはゲリラ戦の原則に則り、充分マイペースで休養を取り、あちらは襲撃に対して警戒をし続ける。

 そういったストレスを課すのだ。

 人員が多いので交代要員も潤沢であるが、いつ敵がくるのかわからない緊張や不安を常に感じ続けるのはキツいだろう。

 この後向かうダシュワーでは、さらにイダヴェル軍に毒入り食べ物というイヤらしい仕掛けがある。

 全部ではない。

 一部に効果のまちまちな毒物が仕込んであるのだ。

 井戸にもいくつか麻痺毒や、細菌毒を投入してある。

 イダヴェル軍はこれ以降の進軍先で迂闊に食糧や水の調達ができなくなる。

 これもストレスだ。

 ちなみに建物や金品にブービートラップは仕掛けていない。

 短絡的になって火つけられたり破壊されても困る。

 そりゃ破壊行為はあるだろうが、進軍スピードを落とし戦力を割いてまで破壊に尽力するとも思えない。

 あ、金品はオマケ+心理効果ね。

 金品が(いかにも持ち切れずに置いていったように)あれば盗むだろう。

 これはどんなに軍紀が厳正であったとしても無理だ。

 そして置いてある金品の量は決して多くない。

 要は早いもの勝ちに等しい。

 こうなれば少ない金品を争って仲違いが始まる。

 そこまで行かなくても持たざるものは恨みに思い、信頼関係や規律は破綻する。

『あいつはあれだけ盗ったのに俺と同じ分しか働いていない』

 人の恨みは恐ろしい。

 そんなことをにやにや考えている僕も大概なのだが。

「悪い顔してるっス」

 ダナードだ。いかんいかん。

「ははは、まあここまではなんとか思い通りに進んでいるので気が緩んでしまいそうになったのかな?」

「悪い策の犠牲になるのはイダヴェル軍なのでいいんスけど、ちょっと同情するっス」

 悪い策とは聞こえが悪いなあ。

「嫌がるようなことをしなければならないのは胸が痛みますね」

「どうみても楽しんでやってる顔だったっス」

 やかましいわ。

「で、どうしました?」

「指示通り野営地の撤収を始めたっス。3時間で完了して動けます。指示を頼むっス」

「ではジレコ領まで一気に下がります」

「え?もう襲撃しないっスか?」

「まだはじまったばかりなのでぼちぼちでいきましょう。早くジレコ伯爵と合流してあの方の準備状況を把握してから次をやります」

「なるほど。次は共同で罠に嵌めるんスね?」

「いえ、罠はその次です」

「というと?」

「この辺でイダヴェルもバカ揃いではないでしょうから何かしらの対策をしてくる筈です」

「見張りは多くなったらしいっスね」

「それだと襲撃に備えているだけなので、もうちょっと違ったことをしてくるはずです。我が隊はこの動きを堂々と迎え撃って叩きます」

「え?」




 ~アリエン・ワーデルガー視点~


 サイレン将軍は眉をぎゅっとしかめている。

 バルディス軍が卑怯だからだろうか?

「バルディスは酷いですね」

 声をかけてみると顔を和らげた。

「いや戦争だからね。すこし驚いたけどバルディスのやり方は合理的だよ」

「そうなんですか?」

「うん。数が少ないのに正面から戦ったら絶対負けるだろう?イダヴェルは昔の戦のやり方に疑問を感じて一騎打ちや名乗りをあげて正々堂々という方法ではなく、隠れて弓で撃ったり背後から攻めたりする戦いを採用してきた。これと同じことさ」

「でも毒を使うなんて!」

 僕の言葉を止めてサイレン将軍は真剣な目で言った。

「毒で人が死ぬのも、剣で人が死ぬのも同じ人の死だよ」

 そう言われては何も言えなかった。

「でもねアリエン、これらからひとつわかることがある」

「なんですか?」

「つまり現在のところバルディス軍は圧倒的な少数で我々に戦いを挑んでいる、ということさ。だからまともに戦うことができずにこういう手段できている」

 バルディス軍も必死なんだな。

「先ほどメニヒ(・ウォーレンナック大)将軍に進言して採用してもらった作戦があるんだよ」

 ウォーレンナック大将軍はサイレン将軍をとても信頼しているもの。

 そのサイレン将軍の考えた作戦ならきっとお認めになるよ。

「どんな作戦ですか?」

「幸い我々はとても多くの兵がいる。でも相手はとても少ない。1万なんてとてもいない。おそらく多くても2000くらいではないだろうか」

「っていうとジェルケルハイム砦の守備隊ですか?」

「かもしれないね。あの時一騎打ちに出てきたエルフの騎士は武力に優れていたが、それだけではないように思えるんだ。少なくともウイラード辺境伯の騎士団1万騎はいないと思う」

「この街の人も騎士団もどこへ行っちゃったんでしょうか」

「王都かあるいは東か。どちらにせよ街の様子から見ると我々の襲撃に慌てて逃げたというよりは予測していたようなふしがある」

「そうなんですか!?」

「うん、街に人がいなくなってからの期間が何週間か経っているようなんだ。我々がジェルケルハイム砦を攻めているころには既に街は無人だったということになる」

「それってそういうことなんでしょう」

「わからない。情報が少ない。でも敵が少数だということは確かなんだ。それでわたしは同じく少数の強襲索敵部隊を編成して、この敵を探し出し殲滅する任務を与えてはどうかと考えたんだ」

 サイレン将軍によると、味方の不安を和らげるためにも早めにそれを取り除く必要があるという。

 敵は少数で小回りを生かしているため、同数かより少ない数で敵を探して倒してしまいたいそうだ。

 武力を中心に編成した精鋭の騎兵500人の隊を4つ作って、地図上から怪しいところを探していく。

 発見した時は少なければこれを攻撃して殲滅、多ければ攻めかかって戦線を維持しながら増援を呼ぶ。

 逆に奇襲をかけるのが理想だそうだけど、ここはバルディスなので敵に地理上の優位があるので見つけられればよいとのこと。

「敵はおそらく大部隊ならではの盲点をついてきている。多数で攻撃しようとしても逃げてしまうだろう。でも少数なら逃げないかもしれない。今回もし逃げられてしまっても、せめて敵がどんな存在なのか知らないことには戦いようがないからね、まずは見つけて敵を知りたいんだ」

 さすがサイレン将軍だ。どんなに少ない敵でも油断していない。

 きっと補給隊に火を点けられたり、毒を盛られたりしたのは僕らの油断のせいだと思う。

 僕も気をつけていかなくちゃ。

 でも、騎兵隊かあ。

 兄上も行くのかな。

アリエンの兄ちゃん大丈夫か!?

メルレンに容赦なくぶった切られるのか!?

・・・まだ決めてなかったり^^;

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