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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編

作者: RK with かぼちゃ頭

頭のおかしい内容ですので読む際には注意してください。

これを読んでなにかいいことは決してないはずです。

ただただ気持ち悪いという印象を覚えると思います。

そんなお話です。

 母さんが首を吊っていた。

「おはよう」

 僕は母さんに声をかける。返事がない。いつもの朝だ。

「おはよう」

 部屋を出ると妹が顔面を壁に叩きつけていた。僕は妹の後頭部を持ち、壁に思いきって叩きつけた。

「ありがとうお兄ちゃん」

 妹は顔面をグチャグチャにして礼を言った。

「兄貴として当然だろ」

 僕は妹に言った。気持ちのいい朝だった。

「朝ごはんを食べようか」

 僕と妹の分を用意する。弟は先に食べたようで机の上には視神経の繋がった眼球の食べ残しが置いてあった。今日は目玉焼きを食べたみたいだ。

「ちょっとまってな」

 妹にそう言って僕は母さんの元にいく。

 母さんの腹を殴りつける。蛙を踏みつぶしてその後に鶏の首を絞めたような感じの音が漏れる。

 そしてビチャリと足元に黒いドロドロの物体が生まれた。それを皿に乗せて妹の元へ持っていく。

 妹と僕はそれを分け合って食べた。味はガソリンと蝋燭を混ぜてヘドロで煮詰めた物の上澄みを取ってそこに糞と尿を足して2で割ったような味がした。

「おいしいね」

「うん」

 僕達はニコニコとそれを食べた。

「お兄さん、そろそろ学校に行く時間じゃないの?」

 妹に言われて時計を見る。

 時計は此方を刺していた。僕の胸に穴があいている。

「そうだね、学校に行かないと」

 僕は針を腹に押し込んだ。赤い水が腹から滴り落ちた。それを扉になすりつけて僕は家を出た。



 外に出ると極彩色の空が輝いていた。色とりどりの輝きを放つ太陽が此方を見つめいていた。

「急がないと電車に遅れちゃうね」

 僕は急いで足を叩き折るとくの字に曲がった足で走った。

 途中で露店を開いていた鳥の頭と馬の体を持つ豚に声を掛けられた。

「お一つどうです?」

 それは子宮だった。中には胎児が蠢いているのが見て取れる。

「これは生まれたばかりの家畜ですよ。今ならなんと脳みそと交換です」

「それは安いですね、でも急いでるのですみません」

 僕は断って走りだした。

 駅に着いた。電車が出る前にたどり着けたようだ。歯ぎしりをしている汽車に近づき持ってきていた猫の開きを扉の前に置く。すると無数の手が生えてきてそれを瞬く間に毟り取って言った。

「ご乗車下さい」

 汽車が言った。僕は汽車の中に入った。

「なんとか間に合った」

 僕はブヨブヨとした紫色の肉で出来た座席で息を吐く。ぬるぬるの粘液が僕の制服について心地良かった。

 汽車はグネグネと上へ下へと行ったり来たりしている。徐々に極彩色の空が視界いっぱいになってくる。上昇を始めたようだ。

「次は天国、天国。お降りの方はご自身の首を切ってお待ちください」

 結構な数の乗客がここで降りるようだ。自分の首を持った首なしの乗客がたくさん見て取れた。

 生臭い血の香りが鼻をくすぐって上機嫌になる。思わず誰かの眼球でお手玉をしたくなった。

「すみません、眼球を貸していただけませんか?」

 隣の席に座っていた鼻が6個、口が2個、耳が5個の男性に声を掛ける。

「すみません、私に目は無いのです。なのでこれで我慢していただけませんか?」

 そうして手渡されたのは睾丸だった。

「いえ、これで大丈夫です」

 僕は渡された睾丸でお手玉を始めた。

「っ…!」

 僕の頭にノイズが奔る。何かを忘れているような、何かを探していたような。

 焦燥感が胸を焦がす。更にノイズ。僕の頭がわれるように痛む。

「大丈夫ですか?」

 向かいに座っていた顔の位置に尻があって尻の位置に手が生えている女性に訊ねられた。

 胸に湧き上がる不快感と嫌悪感。それを押しとどめて答える。

「大丈夫です」

 そうだ、僕は■■を探しているんだ。

 僕は次の駅で降りた。

 頭にノイズが奔る。浮かぶは■■の事。■■とは誰だったっけ?


 思い出せ。


 誰かが僕の頭で囁く。

 君は一体誰なんだい?■■って誰なんだい?


 思い出せ。


 先ほどよりも声が大きくなった気がする。

 あれ、この声聞いたことあるような。


 思い出せ。

 

 ああ、どうりで聞いたことある声だと思った。

 これは僕の声じゃないか。

 そう思ったとたん、僕は流れ込んでくる記憶の圧倒的な情報量にうめき声を上げる。

「いかなきゃ」

 僕は自分で叩き折った膝の痛みに喘ぎながら目的地を探す。

 極彩色の空はやがて形容しがたい色となって辺りを照らしだす。夜になったようだ。

 急がなくてはならない。ここから抜け出す為に。

 ■■に遭わなくてはならない。手遅れになる前に。

 そこは学校だった。僕が通っていた学校。

 見覚えのある校門。並べられた生首が此方を見ている。生理的な嫌悪感に吐き気を催したが耐えた。酸っぱい味が口腔内に広がる。

 僕は校門を通り抜ける。生首はずっと此方を見ていた。

「僕はあsふぇあryきゃいけない」

 思考にノイズが奔る。先ほどのノイズとは違う。不快感。

 上手く思考が働かない。■■に泡会えgリオあえ」。

 どうにかして階段を駆け上る。目指しているのは屋上。

 その間もノイズが奔る続ける。どうやら検閲されているようだ。僕が正常に戻ったのがばれてしまった。鍵を見つける前に取り込もうとしているようだ。

 僕は地獄の扉を閉める。違う、僕は屋上の扉を開く。

 そこには■■がいた。僕は助かったと思った。笑って近づくと手に持っていたナイフで■■を刺した。

「あれ?」

 僕は■■を刺してしまった。

「ここから出られると思っていたのかい?君は永久にここにとらわれ続ける。君が出たいとどんなに渇望しても、その願いは叶うことはない」

 僕は血に濡れた■■を抱きしめた。

「あぁ、ごめん。ごめんよ」

 僕は■■の頬を撫でる。

「今回の趣向はどうだった?楽しんでいただけたかな?」

 耳障りな声が僕の頭に直接響いてる。それに気も止めず僕は■■を見つめた。

「僕が弱かったばっかりに…君まで囚われるなんて…、本当にごめん」

 僕は最後に奔ったノイズがもたらした記憶が消えてしまう前に声にしようとした。

「■■」

 だが、それは声になったかどうかはわからない。

「さて、次の輪廻に行こうか。僕達を殺した罪は大きいからね。メビウスの輪で苦しむ君を永遠に見つづけることが僕達の留飲を下げる唯一の方法なのだから。クラインの壺で溺れもがき続けるがいいさ」

 その言葉を最後に、僕の意識は闇に呑まれた。


 僕は布団で目を覚ました。

 あぁ、気分が悪い。悪い夢を見ていたようだ。

 僕は窓を開け、ベランダに出る。

 深呼吸をして僕は手すりの向こうに身を投げ出した。

 二度と悪い夢を見ないように。

「今行くよ、■■」


――ああ、これなら悪い夢を見なさそうだ。

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