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赤い月

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そこが朝なのか夜なのか

それすら わからない


腐食する森の湖に

綺麗な身体を浸して

少女は静かに眠る


しなやかな体躯 まだほんのり赤い頬


やがて

その透き通る白い肌は

砂となり、水となり、空気となり


幾百年かけて

ゆっくりと朽ちていく


愛しきロリータ


指先に触れる儚い温度も

胸に伝う膿んだ痛みも

もうなにも わからないんだね、


最後に見た

赤い月は


それはもう

美しくて


うつくしくて




[2010.06.09]

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