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妖の巣喰う屋敷  作者: 雪りんご。
二章 -爆弾魔-
12/13

対面と襲撃。

「ここで待っててくれ」

「はい。よろしくお願いします」

そう言い残して、男は去っていった。


「随分と話を作り上げたな」

「君が勝手にどこかに行っちゃうから、予定変更だよ、まったく」

突如姿を現した琳麗にぼやく瞬。

「姉ぇ、どこにいってたの?どうやってここにきたの?」

「さぁな」

琳麗は、不敵な笑みを浮かべて誤魔化す。

そんな2人のやり取りを横目に、瞬はため息をついた。


理由は3つ。

1つ目は、ここの強固な結界のせいだ。

どこもかしこも結界だらけ。気を引き締めておかないと、少しでも妖気が漏れたらすぐに摑まってしまうだろう。

その緊張からもうすでに大分疲れている。

2つ目は、ここにいる人間だ。

瞬の父の兄・雨莉(うり)は、おそらくこの屋敷のどこかにいるだろう。

父の術を譲り受け、発展させている瞬の術は、雨莉と出会ってしまえば一発でバレてしまうだろう。

妖気を隠している術も、父から譲り受けたものだから、術の仕組みすらバレてしまうかもしれない。

そうなったら、本当に面倒だ。

そして3つ目は、この琳麗だった。

何故着いて来たのか…さっぱり分からない瞬にとって、琳麗=何をやらかすか分からない。

という、危険分子となってしまっていた。


というのが瞬の本心だった。



「瞬」

「何?」

「私がお前に特殊な術をかけてやった。これで多少妖気が漏れても、大丈夫だ」

琳麗が言う。

その細やかな気配りが出来る琳麗が、瞬は好きだった。

「ありがとう」

「礼には及ばない。あとで報酬をもらうからな」

「それ、結局礼じゃない?」

「さぁな」

誤魔化された。



と、まぁくだらない会話をしているうちに、最悪の事態に陥った。



障子を開けて入ってきたのは、雨莉だった。


「!?」

瞬は驚きすぎて、硬直する。

そんな瞬の緊張につられて、礫も瞬にしがみついて身を硬くする。


「君たちだね?翔と愛に助けられたっていうのは?」

雨莉の言葉に、ただ頷くことしかできない瞬。

「そっかぁ~。2人も頑張ってるんだね~…」

と、どこか遠いところを見る雨莉。


「あの、2人は…?」

瞬が恐る恐る問う。

「もうすぐ来ると思うよ?」

雨莉は微笑む。

(父さんそっくりだ…)

瞬は心の中でそう思った。



「失礼しま…すっ!?」

翔が驚きのあまり、障子を半分開けた状態で硬直する。

「兄さま、何かあったので…っ!?」

後ろから来ていた愛も、事態を把握し硬直する。


「どうしたんだい?2人ともそんなにびっくりして?」

雨莉は2人の様子に微塵も違和感を感じないのか、それ以上は何も言わない。


「先日は、助けてくださりありがとうございました」

瞬が深々と頭をさげる。

それを見習って、礫もまねる。


「どうしてお前がここにい」






ドかぁぁぁぁぁぁぁぁ嗚呼あああああああああああああああああんっ!!!!!





翔の言葉は、爆音のせいで最後まで聞こえなかった。


しばらくは安定した更新をする予定です。


これからもよろしくお願いします。

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