第6-1話 癒しの手(目覚め)
まじで魔法とかヤバない?
てか治せる系女子って、ちょっとカッコよくない?
がんばるわ。
「お前には、魔法を使える素質がある。だから連れてきた」
信じられない、というように甘奈は自分の手を見つめた。
玉は淡々と続ける。
「見たところ、今使えそうなのは——
火魔法、水魔法、そして……治療魔法、というところだな」
「ち……治療魔法!? それって……傷を、癒せるの……?」
さっきまで灰色だった景色が、ほんの少しだけ色づいた気がした。
瓦礫の隙間から聞こえるうめき声、泣きじゃくる子どもたち。
もし、自分にできることがあるなら——。
そう思うだけで、胸の奥が少しだけ前に動いた。
「どうやって使えばいいの……?」
甘奈が真剣な目で尋ねると、玉は短く答えた。
「まず、魔力を感じろ。呼吸を整えて、身体の奥に流れる熱を探すんだ」
甘奈は言われるままに目を閉じ、深く息を吸い込んだ。
……でも、正直よくわかんない。
「熱」とか言われても、よくある修行みたいで怪しいし……。
(……あ、でも。なんか、手の先がピリピリしてる……?)
(これってもしかして……魔力?)
鼓動に合わせて、身体のどこかが脈打つような、不思議な感覚。
それに意識を向けると、微かな光の粒が指先に集まっていくような気がした。
「……これが……魔力……?」
「そうだ。だが、勘違いするな」
玉が、わずかに声の調子を変える。
「今の段階では使える魔法の効果はさほど高くない。せいぜい切り傷を癒す程度だぞ」
「そんな……」
甘奈は顔を曇らせた。
期待してしまったぶん、現実を突きつけられたようで、胸が締めつけられる。
「それでも、何もできないよりはマシだ」
甘奈は、ぐっと唇を噛んだあと、小さくうなずいた。
「……うん。できること、やってみる」
そのとき、ふと視界の端で、ひとりの獣人の子どもが泣きじゃくっているのが見えた。
背中には、生傷。服が裂け、血が滲んでいる。
顔も名前も知らない子。でも、手を伸ばす理由には、十分だった。
ビビってたけど、やればできる……のかも?
次、もっと活躍できたらいいな〜!たぶん!




