第51話 集落で公開処刑!?かと思いきや神対応でした!
やっほー!甘奈だよー☆
今日はね、ちょっと緊張する回。
いきなり全員の視線がドーン!!だよ!?
心臓飛び出るかと思ったし!
でもね……そのあとが意外すぎて、マジ泣きそうになっちゃったんだー。
「今日は光ってる兄ちゃん、一緒じゃねぇのか?」
(玉……のことだよね)
そんなに経っていないはずなのになんか懐かしいな。あの頃の玉は、顔も体も擬態が全然安定してなくてまるで絵から抜け出したみたいな、ぎこちない存在だった。
――正直、あたしのせいなんだけどね。
「あ、あの! ララに会いにきて……」
言葉を絞り出すようにヤーラが答えると、男は分かってるという風にうなずき、
「ここじゃなんだ。中に入ってくれよ」
と促した。
集落に足を踏み入れると、あの日の爪痕が目に飛び込んできた。
黒ずんだ地面、崩れたまま片隅に積まれた瓦礫。
けれど、そのすぐ隣では新しい壁が塗り直され、藁屋根の葺き替えも進んでいる。
人々の声が飛び交い、鍋からは湯気が立ち上っていた。
子どもたちが小さな荷物を運び、大人たちは次に直す家を相談している。
傷跡はまだ癒えきっていないのに――それでもここには、確かな暮らしが戻り始めていた。
「おい、皆! あの時の嬢ちゃんだぞー! 集まれ!」
男のよく通る声が村に響いた。
「は!? えっ!?」
突然の大声に甘奈はビクッと肩を揺らす。人々の動きが止まり、一斉に入り口へと視線が集まった。
その視線に胸の奥がざわつく。――正直、少し怖かった。
助けられた人もいるけど、魔力切れで救えなかった人だっている。もしかしたら責められるかもしれない。
そう思った瞬間、甘奈の体は自然とぎゅっと強ばった。
だが、次の瞬間――その心配は杞憂だと知る。
「お嬢さん、あの時は本当にありがとうね」
母親が手を取ってきて、涙ぐみながら言った。
「ほら、この子。あの日、肩の傷を塞いでもらったの。今ではもう、前と変わらず元気に遊んでるのよ」
子どもは恥ずかしそうに母親の後ろに隠れ、それでもちらりと顔を出して、小さく頭を下げた。
「……ありがとう」
かすかな声だったのに、不思議と胸の奥にずしんと残った。
そのあとも人々が次々と集まり、口々にお礼を言ってくれる。
気づけば、甘奈の目には涙がにじんでいた。
(……ヤーラも前に言ってた“皆、甘奈さんにありがとうって”感謝してたって……)
その言葉を疑っていたわけじゃない。けど、どこか現実味がなかった。
――それが今、ようやく実感に変わった気がする。
胸の奥が、じんわりと温かくなる。
「なんであんたが泣いてるんだい」
年配の男がからかうように言い、場の空気がふっと和らいだ。笑い声が広がり、涙はいつしか笑みに変わっていた。
タタタ、と駆け寄る足音。
「ヤーラ!」
ララが抱きついてきた。
「元気そうで……ほんとに良かった……!」
ヤーラも安心したように、その背にそっと手を回した。
やがてララは甘奈に気づき、ぺこりと頭を下げる。
「あの時は本当にありがとうございました。……ヤーラも、お母さんのために頑張ってくれて、ありがとう」
「ララのお母さんって、今どこにいるの?」
甘奈が尋ねると、ララは小さく頷いて
「新しいおうちにいます。案内しますね」
歩きながら、ララはふと声を落とした。
「あれから少し……お母さん、前より寝込むようになっちゃって……」
「えっ!?」
甘奈は思わず声を上げた。
(……あたしの治癒、完全じゃなかったってこと……?)
胸の奥がドキッと跳ね、心臓の音がやけに大きく響いて聞こえた。
やっぱ親子の絆って素敵だね。
なんかこっちまで胸があったかくなっちゃったし。
次も見てくれたら嬉しいよ~!




