第5話 あたしが、ここに来た意味ってさ
どもども〜甘奈っす!
今回はちょっと重めの回かも。マジつらたん。・゜・(ノД`)・゜・。
甘奈と玉、そして玉に背負われたヤーラは、森の中の獣道を黙々と歩いていた。
背中から、遠慮がちに小さな声が響く。
「その……あの、変なことを言うかもしれないんですが……」
ヤーラが申し訳なさそうに口を開いた。
「玉さんって……服、着てないんですか?」
玉はため息をつき、首だけ振り返る。
「またその質問か……光の布で下半身全て覆ってるだろ。村の場所は大体把握した。着くまで寝てろ」
そっけない返事に、会話が途切れた空気を甘奈があわててつないだ。
「ヤーラ、それね、あたしのせいなの。玉の見た目って、あたしが描いた通りだからさ……服とか髪とか、まだ描いてなかったの。なんか、すっごい勢いで異世界飛ばされてきたから……ごめん!」
「?」
ヤーラは、まくしたてる甘奈の言葉をぽかんと聞いていた。全然理解できていない顔だった。
「い、いえ……助けていただいておいて、変なこと言ってすみません」
無理やり納得したようである。
「とりあえず、村の近くになったら起こすから。今は少しでも休んで?」
「……はい。でも……眠れそうにはないです」
——無理もない。故郷も、家族も、頼れる人も……もういないのだから。
けれど、しばらく歩いた頃、ヤーラは玉の背中で小さな寝息を立て始めていた。
そのまましばらく歩いた後、玉がふと立ち止まり声をかける。
「ここらへんじゃないのか?」
「……え?」
ヤーラは目を覚まし、周囲を見渡す。
「はい、ここです! 確かにこの道……ありがとうございます!」
そう言って少し先へ進むと、木々の間に開けた集落の入口が見えてきた。
しかし——
次の瞬間、ヤーラの足が止まった。
地面には踏み荒らされた痕が無数に刻まれ、赤茶けた泥が乾かぬまま広がっていた。
藁ぶきの小屋は骨組みごと崩れ、木の柱が折れて地面に突き刺さり、焼け焦げた藁があちこちに散らばっている。
砕けた土壁の破片や、割れた器が転がり、まるで暮らしの痕跡ごと踏みにじられたようだった。
倒れた獣人たちのかたわらでは、うずくまった者たちがすすり泣き、子どもの泣き声と絶望のうめきが、静かな森に滲むように響いていた。
ヤーラは言葉を失ったまま、目を見開いた。
「……こんな……ひどい……」
甘奈は、胸がきゅっと締めつけられるような思いで、隣に立ち尽くしていた。
そのとき——
「ララ……!? ララはどこですか!」
ヤーラが叫ぶように声を上げ、がれきの残る集落の奥へと駆け出していく。
「あっ、ちょっとヤーラ!」
甘奈が慌てて追いかけようとするが、ヤーラの姿はすぐに見えなくなってしまった。
玉はそんな様子をよそに、近くでうずくまっていた獣人の男性に目を向ける。
男は腕を押さえ、顔をしかめながら地面に座り込んでいた。玉の異様な姿に気づくと、驚きに目を見開いた。
「な、なんだお前……敵か!? 下半身が……光ってやがる……!」
玉はその動揺を気にも留めず、淡々と問いかける。
「いつ襲われた?」
「え……? 朝方だ……。見張りが警鐘を鳴らす前に……いきなり、集団で……」
男は言葉を詰まらせ、肩を震わせる。
「今まではぐれの魔物が紛れ込むことはあったけど……あんな大群かなうわけねぇ……!」
やがて、こらえきれなくなったように目元をぬぐいながら、かすれた声で言った。
「一体、俺たちが……何をしたっていうんだよ……!」
その姿を見て、甘奈は唇をぎゅっと噛みしめる。胸の奥が、ぐらぐらと揺れる。
(何もできない自分が、悔しい——)
気づけば拳を握りしめていた。
「……ねえ、私にできること……何かないかな?」
玉がちらりと甘奈を見やる。
「……できないことはない。魔法の力がお前にはある」
「ほんとに……? あるの?」
甘奈は目を見開いた。何かを掴もうとするように、真剣なまなざしで玉を見つめていた。
ここまで読んでくれてありがと〜です(´;ω;`)
次回もまた重めなんだけど、よかったら見届けてくれたらうれしいな。
ほな、またね✋✨




