第26話 え、魔族って派閥あんの?てか過激派って何者~!?
やっほ〜!甘奈ですっ✨
今回はね、ま〜た魔族とバッタリ遭遇しちゃって……え、遭遇率ヤバくない!?ってなった~。
しかもそのあと、玉がテレポでドーン☆って来て、めっちゃいろいろ教えてくれたんだけど、魔族ってさ……まさかの派閥アリ!?
しかも中立とか過激派とか出てきて、もう情報過多すぎて頭パンク寸前ー。
「お前たち、こんなところでなにをしている」
『!』
背後から聞こえた声に、思わずビクッと振り返る。
そこには、腕を組んだままこちらを見下ろす玉の姿があった。待てど暮らせど戻ってこないから、魔力を辿ってテレポートしてきたらしい。
「たまー! 聞いてよ、ヤバいの! さっきめっちゃ怪しい二人組がいてさ──」
甘奈は興奮ぎみに、ここで起きた出来事をまくしたてる。
玉はそれを聞き流すように、二人が消えた地点へ近づいて手をかざした。
「……確かに、微かに魔力の痕跡が残ってるな」
「前に“魔族と人間はもう関わってない”って言ってましたけど……そうでもないんですね」
ぽつりとヤーラが呟く。
それに応えるように、玉は静かに頷いた。
「……ああ。改めて、王と繋がりのある魔族に聞いてきた」
そう言って、玉はゆっくりと語り始めた。
「魔族には、大まかに分けて“保守派”、“中立派”、“過激派”がいるらしい。
保守派は村や森から出ず、静かに暮らしている。中立派や過激派は、たまに人里に降りてくることもあるようだ」
「中立派って、どっちにもつかないってことだよね? なにしに来んの?」
甘奈が首を傾げる。学校で習った“中立勢力”のイメージを思い出しながらの問いだった。
「……魔族の村では手に入らないものを取りに来たり、買いに来たりするらしい。
日用品や薬草なんかが多いようだな」
「過激派は──戦争のきっかけになりそうなことを探したり、人間の動向を偵察したりするそうだ。
どちらにしても擬態はできないから、人間の目につかないよう、かなり気を使っているらしいが」
「でもさ、そんなにコソコソしてるのおかしくない? 人間なんて余裕で襲えるでしょ?」
甘奈が率直な疑問をぶつけると、玉は呆れたように目を細めた。
「甘奈、お前……ずいぶん過激な発想だな」
「えー、だって……そうじゃん?」
「まあ、言いたいことは分かる。だが、過激派は少数だ。
もし一方的に人間を襲ったなんてことがバレれば、今度は保守派や中立派の魔族に“迷惑をかけた”として粛清される可能性がある」
「へ〜……なるほどね。魔族の社会もいろいろ大変なんだ~」
「じゃあ、さっきの消えた二人……あれって過激派だったんですか?」
「え? なんで? ちょっと待って、どこ情報?」
玉は肩をすくめ、視線をヤーラに向ける。
「ヤーラ、説明してやってくれ」
「……はい。
物資調達が目的なら、人が少ない時間帯や場所に来るはずです。
でも、昼間の人通りの多い通りに現れました。しかも、あの子だけで行動してたんです。
何かを買うようすもなかったし……ちょっと不自然です」
「おお〜ヤーラ、頭いいじゃん! てか観察力バケモン!」
不意に褒められたヤーラが、ちょっと照れたように目を伏せる。
「──まあ、ここにいても仕方ない。宿に戻るぞ」
玉の一言で、三人は再び歩き出す。
でも、甘奈はまだ気になる様子で何度も後ろを振り返った。
(過激派……マジだったらヤバいって)
ただの遭遇じゃ済まされない気配が、じわじわと迫ってきていた──。
読んでくれてありがと〜っ!
いや〜、魔族って見た目ヤバいのに意外とルールとかあるんだね?ギャップ萌え??
でも「粛清される」とか聞いてゾッとしたわ……平和に生きよ……
てかさ、ヤーラ、今回ほんとイケてたよね!?
地味に鋭い子って、ギャル的には推せるポイント高いと思います✨
次回は……えっと、なにが起こるのかな??(知らんのかい)
とりま、また会おうね〜!ばいちゃ〜!✋




