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第20話 薬草あげたら謎のマウント取られたんだけどw

どもども〜!✨

今回はちょっとコワめのモンスターに遭遇したお話です。

ヤーラがマジでキレ散らかしてて、あたしもう無理〜ってなったんだけど!


よかったら最後まで見てってねー

ドクン、と心臓の音が耳の奥に響いた。


おそるおそる振り返ると――三体のモンスター。

骨だけの体にギラついた目を光らせる所謂スカルというやつだろうか。

丸太のような腕を持つ筋肉だるまのオーガ。

そして、その真ん中に立っていたのは……一見、人間の女性のように見える人物。


けれど、その肌の色と、頭から伸びた大きな角。

……どう見ても、人間じゃない。


隣のヤーラはすでに鼻息荒く、今にも飛びかかりそうな勢いで戦闘態勢に入っている。


でも、混乱しているのは――どうやら、向こうも同じだった。


「ピケ様! 人間なんぞに声をかけるなんて!」

スカルが甲高い声で叫ぶと、オーガが「あーあー」とうなずきながら相づちを打つ。


ピケと呼ばれた女性はふんぞり返って、ふんと鼻を鳴らした。


「うるさい。……なんだか、調子が悪そうじゃないか」


(しゃべった……!? しかも、なんか優しい!?)


「うわあああああっ!!」


ヤーラが飛びかかろうとする。それを察知したスカルとオーガが、素早くピケの前に立ち、まるで盾のようにかばった。


「ちょ、ちょっと待って!」


あたしはあわててヤーラの体を後ろから引っ張る。


「放して! あいつらが……村を……! みんなを殺したんだ!!」


「でも、ムリだって! ヤーラ、落ち着いて!!」


必死で抱きしめて引き止める。小さな体なのに、驚くほどの力で暴れている。


「やっぱり……人間なんて野蛮なんですよ! こんな下の方まで降りてくるんじゃなかった!」

スカルの甲高い声が響く。オーガも拳を振り上げて雄叫びをあげた。


――けれど。


「下がれ、お前たち」


静かだが、どこか威厳を感じさせるピケの一声に、スカルとオーガはすっとその場から退いた。


「驚かせてしまったな。すまない」


ピケがゆっくりとこちらに歩み寄ってくる。

ヤーラはまだ敵意むき出しで、あたしの腕の中でもがいていた。


「……獣人の子か。初めて見たな」


ピケはじっとヤーラを見つめる。


(いや、それこっちのセリフなんだけど!?)


「すまない」

ピケはもう一度、静かに口を開いた。


「私たち魔族の魔力で生み出されるモンスターが、人間に被害を与えていることは……知っている」


「……っ!」


ヤーラの動きが止まった。そして――その瞳から、ポロポロと涙がこぼれ落ちた。


ピケは黙ってそれを見つめていたが、やがて――あたしの腕の中からヤーラをひょいと抱き上げた。


「え、ちょっ――!?」

「は、はなせ!!」

ヤーラがじたばたと暴れる。


「っ!? ……今度は怒っているのか……? 表情がコロコロ変わるんだな……」


「え、ピケ様!? わたくしには一度もそんなこと……あの小僧めが……!」

「……あー……(ドンマイ)」


ヤーラはついにそっぽを向いてしまった。

ピケはしばらく無言のまま抱き上げていたが、やがて小さくつぶやいた。


「……難しいな。慰めたつもりだったのだが」


そう言って、そっとヤーラを下ろす。

ヤーラの顔には、涙の跡だけが残っていた。


モンスターには意思がない――玉はそう言っていた。

それなのに、あの人は明らかに“自分の意志”で動いている。

しかも、その見た目……以前、玉から聞いた魔族の特徴に、よく似ていた。


「魔族の人……なの?」


あたしがそう聞くと、ピケはうなずいた。


「そうだ。よく知っているな」


「人間とは関係を絶ったって聞いたけど……なんで、こんなところまで?」


「薬草を探しに来た。魔力の影響で、私たちの住む土地には必要な薬草があまり生えていない」


「薬草って……」


ピケは続ける。


「おかしいか? 魔族は攻撃魔法は使えても、お前たち人間のように治癒魔法は使えないんだ」


「そっか………」


「じゃあ、よかったらこれ。あげる」


あたしはバッグに詰めていた薬草を、ピケに差し出した。


「いいのか? こんなに」


こくりと頷く。

(……下手に誰かと鉢合わせするほうが大変だもんね……)


「なかなか見どころのある娘だな! ピケ様のお役に立てたこと、光栄に思えよ!」


「……なんかムカつくんだけど、その言い方」


小声でつぶやいたつもりだったけど、聞こえていたようで――


「あ、いた!」


ピケが無言でスカルの頭をぺしんと叩いた。


三人はそのまま、森の奥へと帰っていった。


その背中を見送りながら、あたしはヤーラに声をかける。


「……ごめんね。薬草、全部あげちゃった」


「いいですよ。また摘みましょう」


ヤーラは三人から目線をはずさずに言った。


「ちゃんと思いとどまって、偉かったね」


そういうとヤーラは何とも言えない顔で甘奈をみてから、下を向いた。


「帰ろっか」


森の中に、静かな風が吹いた。

最後まで読んでくれてありがと〜っ!

ヤーラ、ほんとに頑張ったよね……。

てかアレ、ただのモンスターじゃないよね?って空気すごかった!

次回、もっとヤバいことが判明しちゃうかも〜!?

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ギャル ギャグ パッシュ大賞 ネトコン13
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