第12話 え、片目ウサギとか聞いてないんだけど!?ギャルの魔法、火を吹く☆
やっほー!甘奈だよ~!
今回はついに!ついに!!初モンスター討伐っぽいことしちゃいましたっ(ドヤ)
でもさ、緑の点だったから「いけるっしょ~」って思ってたら……出てきたの、片目のバケモノうさぎ!?
ねぇ、話が違うんだけど!?!?
ってことで、初バトルは叫びながら魔法ぶっぱなしてきたよー。
読んでくれたらうれしいなっ。
スマホ片手にダンジョン近くの森を探索する甘奈たち。
異世界に来てからというもの、意外にもモンスターとの遭遇はまだなく、甘奈は若干拍子抜けしていた。
「ねぇ、スマホの地図に表示されてる緑の点……これって、倒せそうなヤツなんでしょ?」
甘奈の魔道具化したスマホの画面には、点々と光るマークが浮かび上がっている。
玉の推測によれば、赤い点は現時点の甘奈では危険すぎる相手、緑ならばどうにか対処できるレベルらしい。
そもそも、この世界の王国や主要都市には強固な結界が張られており、低レベルのモンスターは一歩たりとも立ち入ることすら許されない。結界に触れただけで消滅するらしい。
だから、モンスターを探すなら、自ずとダンジョン付近にまで足を運ぶしかないのだ。
その時だった。
「いたっ!」
地図上の緑の点が示すあたりに、巨大な影が跳ねた。その姿は……どう見ても、ウサギ。だが、その大きさはかなり大きい。
しかも、片目しかない。ぎょろりとした大きな単眼がこちらをじっと見つめていて、見た目の可愛さとは裏腹に、不気味さをかき立てられる。
「でっっか……あれ、本当に倒せるの……?」
思わず甘奈の声が裏返る。
ファンシーな見た目に反して、その巨体と不自然な瞳は、とてつもない威圧感を放っていた。
「火の魔法を使ってみろ。やり方は治癒魔法の時と同じだ。今は杖がある。杖の先に意識を集中させろ」
玉が冷静に指示を出す。甘奈の手元の杖の先端が、ふわりと赤く妖しく光り始めた。
「モンスターにぶつけるようにイメージしながら、先端を向けろ。声も出せばなお良い。魔力は、言葉によって形になりやすい」
「へぇ~……」
玉の説明に感心しつつ、甘奈は深く息を吸い込んだ。そして、腹の底から声を振り絞る。
「とりゃーーーっ!!」
杖の先から放たれた火球が、見事にウサギもどきのモンスターに命中。小さな爆発が起こり、辺りに土煙が舞い上がった。
「……当たった?」
甘奈はゴホゴホと咳き込みながら尋ねる。
「初撃にしては上出来だ。力も制御も悪くない」
玉が感心したように呟いた。煙が晴れると、そこには全身を焦がし、ぴくりとも動かないモンスターの姿があった。
「うわ……ほんとに、やっちゃった……」
甘奈は複雑な表情で立ち尽くす。ゲームの中の出来事ならともかく、実際に「命を奪った」という実感が、心のどこかにチクリと引っかかったのだ。
だが、その隣でヤーラが目をキラキラと輝かせた。
「このモンスターのお肉、美味しいですよ! お父さんが獲ってきた時、ご近所にもおすそわけしてました!」
「えっ……食べられるの?やったー!」
ヤーラの言葉に、甘奈のテンションは一転。さっきまでの複雑な表情はどこへやら、満面の笑みが弾けた。
玉は手慣れた様子でモンスターの解体を始めた。どうやらこの場で調理するつもりのようだ。
ふと、甘奈は気になったことを口にした。
「ねぇ……森の中で火とか使って、大丈夫だったの?」
玉は手を止め、数秒間の沈黙の後、さらりと言った。
「まぁ、大丈夫だろう……たぶんな」
(たぶんて!? その言い方が一番不安なんだけど!?)
甘奈は心の中で盛大にツッコミを入れたのだった。
最後まで読んでくれてありがと~っ
いやマジでね、魔法って意外と叫んだほうが出るらしいよ!?玉がそう言ってた!(たぶん)
初めての魔法でウサギ燃やしちゃったけど……ヤーラが「美味しい!」って言うから結果オーライ!?
次はもっと強いの出るのかな……てか火、森の中で使って平気だったん?ねぇ玉!?(誰か答えて)
また次回も読みにきてねっ!ばいちゃ~!