表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/65

第9-3話 たまたま玉に選ばれた(ホントに)

やっほ〜☆今日の話はちょっとマジでびびった!!

なんか戦争とか、死の大地とか出てきて…やばくない?

しかも、異世界に「飽きた」って書いて来た人とかほんといたらしいんだけど?!

「人間と魔族は、かつて土地を巡って争っていた」


「……はじめて聞きました」


ヤーラは目を伏せ、少し震えるように息を吐いた。


「山を焼き、川を毒し、森ごと消えた。そんな戦争だ。魔力のぶつけ合い、土地もえぐれ“死の大地”が生まれた。雨が降っても草は生えず、空気も汚染された」


甘奈は思わず眉をひそめた。


「……やば……マジでやばいやつじゃん……」


「破棄されなかった古文書によれば、“世界の狭間から来た者が、人と魔族の戦いを止めた”という記録がある。異世界人――つまり、お前たちの世界の人間だ」


「え、じゃあ……前にも、あたしと同じように連れてこられた人がいるんだ?」


「いや。彼は“自ら来た”らしい」


「えっ?!」


「本人いわく、“飽きた”と紙に書いて寝たら、ここにいたと」


甘奈はぶっと吹き出した。


「それさー…あたしの世界で、“飽きた”って書くと異世界に行けるってオカルト?みたいな話があって。お兄ちゃんもやってたよ。マジで異世界行っちゃったパターンか……」


甘奈に構わず、玉は話を続ける。


「最初は言葉も通じず、意思疎通も困難だったらしいが、異世界人だったからこそ成長も早く、やがて皆が彼に一目置くようになった。世界の仕組みに慣れた頃、人と魔族の間に入り、仲裁したそうだ。……円満というより、“圧”だったらしいがな」


「え……でも、あたし普通にみんなの言葉わかるけど?」


「それは、昔の異世界人が残した書記をオレが分析して、簡単に言えば“自動通訳”みたいな呪文をかけてるからだ」


「……それ、めっちゃチートじゃん……」


目をキラキラさせる甘奈。


「――セリオン王は“もし異世界人を再び呼べば、魔族と交渉できるかもしれない”と考えたのだろう。たとえ交渉が無理でも、打つ手が増えると」


甘奈は口をとがらせた。


「で、そのために……玉に命令して、異世界まで?」


「そうだ。オレに転移の準備をさせ、セリオン王は命じた。“異世界で、可能性のある者を連れて来い”と」


「実際はお前の世界に行くだけでかなり魔力を使ったから、能力を吟味している時間なんてなかったが……」


甘奈はじっと玉を見つめて、目を細めた。


「なんか……雑だなあ。テンション下がるわ……」


「その“救世主”の人は、どうなったんですか?」


玉は一瞬、視線を落とした。


「……帰れなかったらしい。何度も来た時と同じことを試したらしいが」


「そっか……」


「結局この世界に残ることを選んだ。争いを止めた功績を認められ、セリオス王国の当時の姫と結婚したそうだ」


ため息をつきながらスプーンをくるくると回す甘奈は、ぽつりとつぶやいた。


「……なんか、チュートリアル終わった感あるわ……」


「違う」


玉が低く、迷いなく言った。


「まだ、チュートリアル中だ」


「うっそでしょぉ……」


甘奈の嘆きが、再び食堂のざわめきに溶け込んでいった――。


はい!てことで今回は「チュートリアル終わり」かと思いきや、

まさかの「まだチュートリアル中です☆」ってオチでした〜。

玉マジで鬼。てか王様も雑すぎじゃない!?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギャル ギャグ パッシュ大賞 ネトコン13
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ