第9.1話 ギャル、異世界ファッション改革を試みる(失敗)
やっほ〜!今回はちょっと本筋とはズレた、小話だよ〜!
でもね?異世界でもオシャレは大事っしょ!ってことで、あたし的にはめっちゃ真剣だったんだからね!!
城を出た直後玉が
「宿屋は城下町の少し外れにあるが、途中に古着商があるぞ」
「古着ショー!?」
「……お前に通じる言葉で言うなら“古着屋”か」
「行く!行ってみたい!」
甘奈は目を輝かせた。
「宿の場所はわかってるな?オレは行くところがあるからここからは別行動だ。」
代わりに残ってくれたのはヤーラだった。道すがらにあるということで迷わずにたどり着けた。
「玉さんから預かった予算、ここにあります。僕の分も買っていいって少し多めにくれました!」
「やったじゃん!行こ行こ」
嬉々として古着屋に突入した甘奈だったが、並んでいたのは、色あせた上衣、ほつれのあるローブ、端が擦り切れた脚衣──どれも“使い込まれた”というより、“使い果たされた”ような品ばかりだった。
「……うーん。なんか思ってたのと違うかも……」
思わず甘奈が口を尖らせる。
現代の感覚で“古着=ヴィンテージ”を期待していた甘奈にとって、これらの衣類は想像よりずっと実用的なものばかりだった。
だが──
「でも……これ、袖を切って丈も詰めたらワンチャン映えるかも……?」
色々物色する甘奈の横で、ヤーラも目を輝かせながら楽しそうに選んでいる。
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場面は変わり、宿屋の一室。
玉は窓際で、外を眺めながら呟いた。
「甘奈はどうした? 真っ先に“見て見て!”と騒ぎに来ると思ったが」
部屋に戻ってきたヤーラが答える。
「それが、リメイク?するって……宿屋の人に針と糸を借りてました。あと、“ちょっとだけだから!”って僕の短剣も……」
玉の眉がぴくりと動く。
「嫌な予感がするな……」
そこへ、ノックとほぼ同時に扉が勢いよく開く。
「じゃーーーーーん!!」
甘奈が元気いっぱいに登場した。
なんということでしょう。
白のローブは袖と裾をざっくりカットされ、ノースリーブのワンピース風に生まれ変わりました!
腰にはベルトを巻いて、ウエストのくびれを強調。さらに所々に“味のある”ダメージ加工が施されました!(甘奈脳内ナレーション)
「制服でもいいんだけどさ〜、やっぱりちょっと浮いてる感じするっていうか……ね?」
ドヤ顔で一回転。
沈黙していた玉が、低い声で口を開いた。
「……肌が見えすぎて品がない。ローブの丈を切り落とすなど、正気の沙汰ではない。裾もガタガタで、モンスターに襲われたあとにしか見えん」
「えっ!?」
ヤーラが、心配そうに口を挟む。
「森の中じゃ毒虫に刺される可能性が高まります……危ないですよ」
玉は眉間に皺を寄せたまま、冷静に続けた。
「旅の資金は限られている。せっかくの服を台無しにするとは、勿体ないことをしたな」
そしてヤーラが、さらに追い打ちをかける。
「でも……盗賊に襲われる可能性は減るかもしれませんね! “あの娘、お金持ってなさそう”って……!」
甘奈は、怒りで肩を震わせた。
「……もういいもん!!異世界人にうちらの世界の流行りの何がわかるってんのさ!!」
「あっ!」
バタンと音を立てて扉を閉めると、自分の部屋に戻り引きこもる甘奈。その後ヤーラのドア越しの必死のフォローでなんとかメンタルを持ち直した甘奈だった。
なんかさ〜、全否定されてマジ泣きそうだったんだけど!?
ヤーラが優しかったからギリ耐えたけど!てか流行わかんない人に言われたくないしぃ〜!ぷん!




