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そして君は明日を生きる  作者: 佐野零斗
第一章『討伐士認定試験』
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第十話『第52代任命式』

 "討伐士"─────始まりは、人々の平和を守るために作られた組織の事で、警察とは違い、剣や護身術、武道に近い技で犯罪者を更生させる組織の事。


 騎士のようなガッチリした鎧に身を包む事はせず、服は比較的ゆったりだが、唯一皆同じ上着を着るのが常識となっている。今は第52代まで続いている。


『心を制するものは、己を制す。』


 という心得を胸に刻み、討伐士を目指す戦士たちは、必死に鍛錬を積んでいる。

 というのも、討伐士になれば、安定した生活が約束されているのだ。それ故に生まれた子供を討伐士にしようと圧をかける親も少なくないという。


 仮に討伐士になれなかった子にも様々な選択肢がある。


 大まかな職業は『治癒術師』と『機工術師』だ。

 治癒術師は名の通り負傷した討伐士や盗賊を治療する専門の人たちのこと。機工術師は、爆弾や罠、討伐に役立つような部品や武器を開発する人達のこと。ただし銃の作成、使用は全て禁止されている


 と、ここまでが大まかな今までの復習。




 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※




 ──────これより、第52回 任命式を執り行わせて頂きます。


「司会は私、副団長マイケルが努めさせて頂きます。」


「それでは早速移らせていただきます。まず、新団長任命式。天皇陛下、前へお願い致します。」


「では、新団長。『神蔵(かみくら) 源治(げんじ)』前へ。」


「はっ!─────前を失礼致します。」


 天皇陛下の前で腰を落とし、膝を着き敬礼の意を示す。


「───えー、神蔵 源治殿 。あなたを、第52代 討伐士団長に任命します。これからもこの国の治安と人々の安寧を更に守れる事に期待をし、この地位を与える。」


「新団長、一言お願い致します。」


「先ず、天皇陛下。本日この本当に名誉な地位を下さり、誠にありがとうございます。この地位に相応しい働きをしてみせます。そして討伐士のみなさん。新しく団長になった、神蔵源治だ。俺がこれからこの討伐士を引っ張っていく。私はこの代で、香良洲の連中を全て突き止め、世界に平和もたらしたいと思っている。だから君達に協力して欲しい。お前らは俺に、この国に。命を…捧げる覚悟はあるかぁぁぁぁっ!!!!」


 その瞬間、大歓声が巻き起こった。

 完全に士気を上げるのが上手い。


「これからは、我々はひとつになり、この国を、この『東商』を守り抜かなければいけない。未だ極悪集団『香良洲』の居場所すら突き止められていない。だが我々なら絶対に人々を安心させることができると信じている!!───以上。」


「団長、ありがとうございました。」


「続いて、討伐士として最も優秀な騎士TOP5を発表する。これは単純な戦闘力と、この世界の貢献度で判断している。」



「─────最初に5位からだ。5位は …… アルグ・メイリイ。みんなに対して一言。」


「うーん、まぁこの第5位ってのは確かに凄いけど、まぁ正直ネ、ヨクワカラナイカラ、まぁ1個言いたいんだけど、私の彼氏に色目使ったら住所特定して〜末代まで呪うから♡♡覚悟しててね?♡♡」



「─────続いて4位、4位は …… 高野煌真(たかの こうま)。みんなに対して一言。」


「…………………… 。嬉しいです。これからも、適度に頑張ります。ハイ。」



「─────続いて3位、3位は …… 隘路陽真(あいろ あきまさ)。みんなに対して一言」


「みんな!!!俺今すげぇ嬉しいんだ!!ありがとう!!そして今、凄く上着が邪魔だ!正直タンクトップ一枚にしたい!!これが終わったらすぐ筋トレだ筋トレ!!みんなも筋トレやろう筋トレ!!はい!えっほえっほ!!ソイヤッサソイヤッサ!!!」



「─────続いて2位、2位は …… 折木竜馬(おれき りょうま)。みんなに対して一言。」


「ええっと、僕がこんなに名誉な功績を貰っていいのか、少し不安ですけど。でもこの第2位という位を貰っても気を緩めず、色んな人間の手助けをしていきたいと思ってます。」



「─────そして第1位は、神蔵蓮(かみくら れん)。みんなに対して一言。」


「お父様に続き、"討伐士" という、なれる事に対しても凄くハードルが高い職業のトップに立てたことはとても嬉しく思います。僕はこの国が好きです。なので僕の持てる全ての力を使って。皆さんの、そしてこの世界の平和を守って行きたいと思ってます。ありがとうございました。」



「───ではこれにて任命式を終わりにする。解散にしようと思うが、なにか全体で言う事がある奴は。」


「副団長。少しお話してよろしいでしょうか。」


「許可する。神蔵蓮。」


「最近、世間を騒がせている "天道教" は、信仰宗教の中で最も悪質な存在です。そして僕の調べから、天道教の側近、すなわち幹部は、"合計7人" いると言われています。皆さんくれぐれもお気をつけください。」


「へぇ?7人ねぇ、まぁ私はぶっちゃけ、彼氏に手出さなければどーでもいいんだけどさぁ?」


「了解しました。任務を行う際に注意してみます。」


「そうか!7人か!!いい案があるんだが、7人全員筋トレに誘ってみたらどうかな!!筋トレは心を豊かにし、善悪などどうでも良くなるんだ!!筋トレをすれば世界が平和になる!!是非!筋トレを!!」


「7人、天道教は東商の中で最も信仰者が多い宗教団体だ。その中の最強幹部が7人居るって考えたら、結構恐ろしいな。」


「────僕は、信じないぞ。絶対に…」


 第一位が、ぼそっとひとり呟いた。

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