焦げたコメを食うアル中
「ごめんなさい、、、でも楽しかった。じゃあね。」
俺の彼女だった人はそう言って、駅に向かっていった。俺は色々な感情が渦巻く中、不思議と落ち着いていた。
俺は汚い部屋で業務用の2Lハイボールを飲む"アル中カラカラ"と呼ばれているニコニコの有名人だ。酒嫌いの彼女には会社員と嘘をつき、活動していたのだが、ついにバレしてしまい、愛想を尽かされてしまった。
「おいしいーかも」
いつものように動画を撮り終わると、さらに追い酒をし適当に痴漢モノでオナニーをした。
精も根も尽き果てた俺は畳に寝転がった。
性欲も食欲も満たした俺は残る一つの睡眠欲を満たしにかかる。気の向くままに意識を手放し、起きた時には深夜の3時になっていた。とりあえず近くにあるビールをすすりながら、米が残ってるであろう炊飯器を開けた。
中に入っていたのは、カビていた米だった。
「そうか…とっくに俺の精神は侵されていたんだな」そういって俺は生に執着することを諦めた。一度死んでしまったんだ、だからもう俺を縛るものは何もない、だから…!
カメラを握り動画を回す。
カビた米と油をフライパンに入れ焼き色がつくまで揚げる。その間、お決まりのハイボールをあおっていると焦げてしまった。仕方なく録画を終え、投稿する。
『焦げたコメ食べてみた』