なぜか戦闘になったようです
お楽しみください
夕方目が覚めたらこかげちゃんがおいらの隣ですやすや寝てた。そして部屋のテーブルをはづちゃんとゆずはちゃんが挟んで椅子に座ってる。
「ぶさおー、おはよー」
「おはよう、柚葉ちゃん」
「おはよう、ぶさお」
「おはよう、はづちゃん」
二人に挨拶をしてから、おいらはははづちゃんにマタタビを取りに行こうって誘ってみた。
「マタタビ?いいよ。でも森の動物たちが隠れちゃってるからみんなで行こうね」
「わかった。こかげちゃんが起きるまで待つのかい」
「夕食のこともあるから起こしてほしいな」
おいらははづちゃんに言われるがままに、こかげちゃんを起こすために肉球をこかげちゃんの顔に押し付けて声をかけた。
「こかげちゃん、起きて」
「ん・・・おはよ・・・」
「おはよう。みんなで森に出かけるんだよ」
「そうなんだね。様子がおかしいから気を付けて行こうね」
なんて寝起きのいい子なんだろう。おいらはとてもびっくりしたよ。
おいらとこかげちゃんが話している後ろで、はづちゃんは二丁の大きな銃を背中に背負って出かける用意をしてる。なんか物騒なことになりそうだなぁ。
「こかげちゃんも用意するのかい?」
「用意するよ、すぐ終わるから待っててね」
こかげちゃんはそう言うと、セーラー服の上にローブを羽織って杖を持ってきた。
柚葉ちゃんも杖を用意してる。二人とも魔法使いなのかな?
「みんないくよ」
はづちゃんの言葉に従ってみんながぞろぞろと部屋を出て家を出て森へと向かっていった。
森につくと、やっぱり動物がいない。
「マタタビ集める前に森の様子もみないとね」
「そうだねー。二手に分かれるー?」
「なにがあるかわからないから、まとまって行動しよう。強いのに会ったら困るし」
「わかったー」
はづちゃんと柚葉ちゃんがなにやら不穏な会話をしてる。タダでは帰れないのかもしれない。
「こかげちゃん、おいらも戦った方がいいかな?」
「ぶさおは戦わなくていいよ」
「ありがとう、おいらはそんなに役に立たないと思うから隠れてるよ」
こかげちゃんは優しいな。好きだよ。
おいらたちが森の奥へと進むと人型で剣を持った人には見えない黒い物体が歩いていた。
はづちゃんがすぐに銃を手に取ってそいつに向けた。同時にそいつもはづちゃんに切りかかってきた。
でもゆずはちゃんが瞬時にはづちゃんの前に移動して杖で攻撃を防いだ、杖は防御壁で強化されてて攻撃を弾くようになってるみたいだ。
「はづちゃん、今日は剣じゃないんだから前にでたらだめだよー」
「ごめん、油断した」
柚葉ちゃんとはづちゃんが喋ってる最中にそいつはまた攻撃を繰り出してきた。
こんどはこかげちゃんに向かっていって切りかかったけど、こかげちゃんも防御壁を張られてて攻撃を弾かれた。
「全員、攻撃効かないから降参したほうがいいよー」
「おいらも効かないんだね、よかったよ」
「うんー、みんな守らないとねー」
そう言いながらゆずはちゃんはそいつに杖で殴り掛かった。杖がそいつにぶつかった途端爆発が起きて森の木々が揺れたけどおいらたちは守られてるから吹き飛ばなかった。
そいつは平然と立ってて、はづちゃんが撃ったけどやっぱり効かない。
こかげちゃんが焦って魔法を唱えて火の玉を飛ばしたけど、そいつの目の前で消えてしまった。
おいらも戦わないといけないと思って召喚魔法と使った。間違えてくまのぬいぐるみを大量に召喚してしまった。
「わぁ!かわいいぬいぐるみ!」
「こかげちゃん、いまはそうじゃないよー。そうだけどそうじゃないよー」
「もうクマのぬいぐるみを戦わせてしまおうかな・・・」
「ぶさお!いいね!やってみてよ!」
「こかげちゃん、話聞いてるー?」
「こかげちゃんが喜ぶならやるよ」
おいらは大量のクマのぬいぐるみを操ってそいつにまとわりつかせてみた。なぜかそいつの動きが止まった。
「効いてる・・・?」
はづちゃんが様子を見ながら言った。
「可愛いから効果があるんだね!」
「違うと思うけど・・・」
「おいらも違うと思うな・・・」
「とりあえず動きが止まってるうちに倒すからみんな伏せててー」
おいらとこかげちゃんがしゃがんでいるとはづちゃんがやってきて覆いかぶさってきて守る姿勢をとってくれた。
「想像を絶する威力だから踏ん張ってね」
「いっくよー」
柚葉ちゃんが杖を地面に捨てて拳を握った。ゆずはちゃんがその場から消えたと思ったら爆風が襲ってきて防御壁があるのにみんなが吹き飛びそうになった。
一瞬で移動して一瞬であたりをふきとばしたみたいだ。そいつの姿も消えてる。
「あーあ、森が吹き飛んでる」
「おいらが修復魔法で直せるよ!」
おいらの出番だ!こかげちゃんにいいところを見せられる!
おいらは驚くみんなを置いて詠唱をして森を修復魔法で再生して見せた。
「・・・えー?ぶさおそんなことできたのー?」
「おいらは召喚と修復が得意なんだ」
「すごい!ぶさおは回復魔法が使えるんだね!」
「回復とは違うような・・とりあえずマタタビ取って帰ろうね」
「あ!マタタビ!おいらの大好きなマタタビ!みんな集めるの手伝ってね!」
おいらたち一行はマタタビを集めてから森を出て家に帰った。
『第二話、終わり』
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