HERO
掲載日:2021/09/01
言葉にならない。
理屈を軽々と置き去りにして、
どうしようもなくこころが震える。
初めて見た人々、知りもしなかった世界、
そして、今そこにある雄姿。
周囲にあったはずの人影は無く、
響き渡るはずだった歓声も無く。
けれどどこからか伝わってくる、
興奮と、熱狂と、限りない敬意に。
その過去にあった苦しみを知らず、
背負い歩いてきた願いや想いも知らず。
なのに、
理由も意味も分からないまま、
ただ、目頭が熱かった。
そうだ。これが、生きるということなのだ、と。




