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おっさんハンター  作者: 発三郎
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 コメディーなんて初めて書くので、初の試みでウキウキしております。どうも、筆者です。読者の方が興味を持ち、続けて読んでくださるとうれしいです!!






「見損なったぞ! ただいまを持ってお前をラメー家から追放する。」



 繁栄の象徴である王国、ハーシェリク。その華やかな王都の一角に聳える居城、ラメール城。代々、王家に連なる者を多数輩出してきた貴族家のひとつとして、国内貴族だけでなく、帝国貴族にも一目置かれている存在。


 そんな名家の別宅において、僕は最愛なる実の父から追放を言い渡された。


「なんでだい!? 父さま!」

「お前が姫と婚約しないからだろ!」


 父の隣の長兄が代わりに答える。


「そんな……」


これまで僕はよくやっていたと思う。僕だって、好きであんな女に取り入っていたわけでもないのに、あんまりじゃないか!


  僕の住んでいるハーシェリク王国には、一人の王子と三人の姫がいる。繁栄を象徴する国、と言われるだけあって、その誰もが優れた政治手腕を誇っている。ただ一人、リーネ姫以外。


 彼女は幼いころからお茶会で貧乏貴族家の子息子女にいびり散らしたりするだけでなく、浪費癖もひどい。それに、月に一度、城下町に出ては気に入った店のシェフを無理やり引き抜いたりしていて、貴族にも市民にも不評だ。


 でも、そこまでなら僕も我慢できた。というか、貴族であれば我慢させられる。それでも、僕は絶対に彼女の夫になりたくない。


 それは、僕がまだ十歳になったばかりの頃だった。当時、まだ父さまは宰相として働いていて、父の仕事場の見学という名目で、僕は王城に連れていかれたことがあった。その時に僕は見たのだ。彼女が父さまを、ひいてはラメー家を非難しているところを。


 それもただの非難ではない。いわれもないことを言いながら、父さまを蹴り罵倒していたのだ。


 あれから、僕は絶対に彼女とは親しくならないと神に誓った。王城で彼女に会っても最低限の会話しかしないようにしたし、父にも彼女とは結婚したくないと毎日言っていた。


 そして、数年後、なぜか父さまが彼女との婚約を取り付けてしまった。それも巨額の手付金と共に。


 そこからはもう、やけだ。週2で彼女に面会を求められても仮病を使い、避暑地に向かう途中、王に彼女と同じ馬車に乗るようせがまれても兄と話すことがあるとことわり、そのように、多少無理をしてでも僕は彼女との婚約が破棄されるように動いた。


 そして、現在、僕は15歳。今年の終わりには彼女との挙式があげられてしまうことに焦った僕は、昨日、直接彼女の部屋に出向き、結婚をしないことを告げた。


 そして、今の状態に移るのだが……


「どうして姫にあんなことを言ったんだ!」


 先ほどの追放宣言からずっと父さまと兄さまに叱られている。


「僕は幼いころから言ってきたじゃないか! ブタと結婚しても、彼女とは結婚しないって!」

「何を言っておるか! この痴れ者が、お前なんぞ我が一族でも何でもないわ!」


 姫に今でもあんなことをされている父さまが言う。そこまでして、なんであの王女と結婚させたいのか。一族を馬鹿にされているというのに、なぜそんな人物を嫁にしようとするのだろう。王から圧力でもかけられているのか? 


僕は彼女と絶対に結婚したくない。何が何でも、王国を追われようが、死刑になろうが、ラメー家を貶した者と婚姻なんかするものか。


しかし、そう言い続けても二人とも意見を曲げず、僕を罵しってくる。


「そんなに言うなら兄さまが結婚すればいいじゃないか!」


 僕を罵り続けていた兄さまが、ギクっとする。


「いや…私は彼女には釣り合わないから…」

「そんなこと言って、兄さま本当はわかってるんだろ! 彼女と結婚したい奴なんていないよ!」


 まずいと思ったのか、父さまが、


「いや、そんなことないぞ。実際、お前と婚約していなかったら、すごい数の申し込みがあっただろう。」


 と、兄さまに助け舟を出した。なら、なんで僕なんだよ!


「そんなの大半が王家とつながりを持ちたいだけのやつばかりでしょうが!」

「……今すぐ出ていけ!!」


 自身を非難されたのかと思ったのか、その言葉が決め手となり僕は屋敷を追い出された。

 



 


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