消えてしまった海岸線、響く音は淡々と
掲載日:2020/05/25
そこで止まった海岸線。
海はもう消えてしまった。
歩む先はあるけれど、寄り添う路は無くなった。
滅びた海。
陸も海も干上がれば後に残るは砂の山。
未だに海を忘れられない風たちが、潮気を纏って流れてくる。
砂原を海に見立てて、在りし日の海岸を見せてくる。
それでも、海は消えてしまった。
魚も船も空に帰った。
昇って行った。入道雲の合間に行って、二度と姿は見せなかった。
過ぎた日を求めて私だけが海岸線を歩む。
記憶の中の海岸線、思い出してはふらりふらり。
炎天、砂陸、滅海。
そこで融けた海岸線。
海はもう消えてしまった。




