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第1章 赤雷との邂逅

さらに続けての投稿です。やはり区切りがわかりません。

では、宜しくお願い致します。

まず着手したのは当然、化け物が描かれたカードの調査だ。絵柄は言うまでもなくその化け物―――のちに魔物・魔人と呼ぶーーーそのもので背面はカードによって異なっていた。その種類は七つで【白縁しろぶち】【黒縁くろぶち】【銅】【銀】【金】【白金】【黒金】で、多かったのは【白縁】【黒縁】【銅】だった。【銀】や【金】はほとんどなかった。【白金】と【黒金】に至っては一枚もなかったと言う。これらの存在は後に塔から排出された。

そして重要なのは、この背面の色によってそこに封じられている存在の能力が向上すると言うこと。 上位になればなるほど意思疎通、会話すら可能となる。その姿も人型に近づい

ていく。


次にそのカードの使用方法だがこれは比較的簡単に判明した。発見したのは日本の研究者だった。この辺りはやはり娯楽文化に長けた日本人と言うべきか、ともあれ彼は半ば確信を持ってそのカードに一滴の血を垂らした。曰く、


「倒された魔物が描かれたカードがそこにあったなら血を垂らすのが常識だ!そしてこれが契約とならないはずがない!」


この研究者は日本発祥と呼ばれるオタクだった。だがその発想こそが大きな一歩になったのは言うまでもない。


さらに判明したことは契約したカードはとある条件下、すなわち塔付近の限定空間のみで具現化―――後に召喚と呼ぶーーー可能であり、それ以外の場所では原則的に召喚は不可能である。例外は塔から魔物が溢れた時。そうなった場合はどこであれ召喚可能となる。何故それが判明したのかと言うと、【ビギンズデイ】以後何度か世界各地で氾濫が起きたからである。それは日本も含まれる。


それはさておき、この魔物が封じられたカードは【CCコントラクターカード】と呼ばれ、塔を登る者たち、通称【探求者(エクスプローラ】にとって必要不可欠なアイテムとなった。

では【探求者】とは何か。それは文字通り塔バベルを登り、その謎に満ちた世界を解明しようとする者達である。またはCCを従えることから【マスター】とも呼ばれるが、こちらはCCCコントラクターカードコロシアムを主戦とする者に与えれる名称でもある。


彼らにはランクが存在する。それは塔を登る者、CCC専門であっても共通したランクであり、その評価基準は当然のことながら【中心塔セントラルバベル】の到達階数だ。


十階層未満は【シングル】、十階層到達で【10th】、二十階層到達で【20th】のように呼ばれている。ちなみに現在の最高ランクは【60th】であり、最高到達点は【ワシントンバベル】の61階である。ちなみにこの記録はここ二十年近く更新されていない。さらに、CCCへの参加は最低限【10th】に到達していなければならない。参加するには最低限の実力が必要だ。ちなみに各地に出現している【番外塔イレギュラーバベル】は小さいもので十階層、高いものでも三十階層しかなく、魔物のレベルも【中心塔】と比較すると下がるため、すでにいくつも踏破されている。ちなみにこの【番外塔】に登るのも【10th】以上でなければならない。


閑話休題。


さて、ここでようやくCCCコントラクターカードコロシアムの話に戻るが実に単純な話で、つまりCCコントラクトカード同士を戦わせ、それを観戦する新しい娯楽のことである。公式の各ルールの日本大会は年一回開催されているが、毎週日曜日の19時から一時間編成で【プロエリウム】と言う番組がテレビ、ネットなど各種媒体で放送されている。その内容はもちろんCCCの公式試合。視聴率の高い人気コンテンツだ。


基本ルールは1対1の【VSヴァーサス】。これがポピュラーで馴染み深い。世界大会はこれが主要だ。次いで2対2の【タッグマッチ】、3対3の【カルテットバトル】、5〜10のCCを同時に戦わせる【縮小戦争コンパクトウォー】。最後のルールは一定数のランクのカードを集めて戦術を組み立てなければいけないので参加数は最も少ないが、その戦闘規模の派手さは異常である。


このCCCのランク決めも単純で、公式試合の戦績によるポイント制だ。世界中で行われる大会に参加することで世界ランクが上がっていき、年に一度世界のトップがしのぎを削る【VS】【タッグマッチ】【カルテットバトル】【縮小戦争】の四大大会が行われる。この辺りのポイント制度、四大大会などはテニスを参考にしたと謂れている。


さて次なる疑問はではどこで開催されているかとなるだろう。それも簡単で【ビギンズデイ】などで人が住まなり最早異界と化した塔バベル周辺を再開発したのだ。塔周辺は廃墟になってしまったこと、仮に復興しても常に氾濫の危険と隣り合わせ。そこで悩んだ時の政府は考えた。


『普通の人が住めないなら、【探求者】達の街にすればいいじゃない』と。


そうして完成したのが【塔街バベルシティ】と言うわけだ。その一つにCCCを行えるーーー元はCCの実験施設だったのを改修したーーー巨大ドーム施設を建設した。その周りにはホテル等の宿泊街、土産物等を売っている商店街がある。さらに此処とは別、東京の端に出来た十階層しかない極小規模な【番外塔イレギュラーバベル】を攻略して出来た更地に某ネズミが支配する遊園地と同規模なモノを建設しており、こちらも人気を博している。


それはさておき、この試みは今となって大成功となっているが、今から十年前にこの【東京中心塔セントラルバベル】も一度氾濫して計画そのものが頓挫しかかった。ちょうどそこに居合わせた高ランクの【探求者】の奮闘もあり被害は最小限に収まった。これが幸いしてさらなる安全強化策としてこれまで以上に東京中心塔の攻略も進められ、【探求者】の常駐を義務化。地道な広報活動も行い、今の地位を確立したのだった。


最後に。これらの存在が無法であるはずがなく、国連はこの事態を非常に重く受けとめている。故に新たな組織を設立した。


その名を【迷宮探索機構 (Labyrinth Explower Organization) 】、通称LEO。それは各国に設置されている。


危険は付き纏うが、【探求者】【マスター】は子供達のみならず多くの人たちの憧れと羨望の的である。例に漏れず、俺も例外ではない。


そう、俺は【探求者】になりたいのだ。あの日、俺を助けてくれたあの人のようになるために必ず。その為の準備はもう済んでいる。


ご精読いただきありがとうございます。

評価・感想をいただけたら幸いです。

宜しくお願い致します。

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