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「間違い」と「正解」は――  作者: 六土里杜
6/25

君の好きな香りは下心(BL)

不良×不良のBL小説。


基本的にアクションは書けないので恋愛がメインになるかも。


そしてR15相当なのかもわかりません。←オワタ(笑)

 誰と誰が抗争して、どことどこがいがみ合っている、何て所属している場所によって異なる。そんな事は分かってる。だけど、何でそうなったのかが、分からない。お互い、っていうより俺が一方的にって言った方が正しいかもしれない。――好きになったのは、××でした。


「……んだよ」


 目の前に居る人物を睨みつける。路地裏で不良が喧嘩することなんて良くある事だ。だけど、あんまり変に目立つのも後々面倒だからしたくない。気が弱いわけじゃないけれど、ただ、コイツを倒してまで自分の地位を上げたいわけじゃない。


「睨んでねぇで言いたい事あんなら言えよ。めんどくせぇ」


 目の前の人物は長い髪を揺らしながら低く声に出す。その髪を結ったらどんな風になるんだろう何て思いながらも、染められた金髪に手を伸ばそうとして、すぐにポケットに仕舞った。俺が今しようとしたことは普通じゃない。そうだ、普通じゃない。


「あ? お前、何してんだ?」

「何でもない」


 笑顔で返しつつも体内に宿る塊を押さえつける。駄目だ、此処でしてしまったら取り返しがつかない。場所的には暗いし、誰も近づかないから声が届くこともないだろうけれど、だからと言って今この場ですべきことじゃない。だから自分の敷地に戻ろうと足を動かして通り過ぎようとすれば、金髪の髪から僅かな香水の匂いがした。匂い自体は好い匂いだ。俺が好きな柑橘系で、甘ったるいわけでもないさっぱりした匂いなのに、普段、そんな匂いしたことないから、気になってしょうがない。


「……誰かに貰ったの? すっごい香水の匂いするけど。お前香水なんてつけたっけ? いや別に良いんだけど、お前が香水つけようが、つけないが。柑橘系の匂いが好きならそれで良いけど、俺はどっちかって言うとトロピカル系が好きだな。特に女の子のあまーい、匂いとか」


 少し、悪態をついて嘘を言った。自分で買ったなら別に構わない。けれど、誰かに貰ったんだったら、憎い。そんな俺をお前はどう見るだろうか。変わった奴と言うのかそれとも、気持ち悪いというのか、くだらねぇというのか。


「…………。いや、別にただの興味本位だ。それ以外はねぇよ」


 じゃぁな。そう言ってお前はその場から去って行った。俺は後を追いかけることを躊躇って、そのまま自分の所属している場所に戻った。


 * * *


 何日かして、喧嘩することになった。元から仲が悪かったチーム同士だから余計にだろうけど、俺はそんな気分じゃないからその日の抗争はパスした。そうしたら、アイツから電話が掛かってきた。今何処にいるだとか、何で居ないのだとか、今いるところから動くなとか。そんな事ばっかり言われて、気が付けばアイツは俺の家の前まで来ていた。


「……俺達、今抗争してるんだよな?」

「あ? そりゃぁアッチは喧嘩しまくってんだろうな」


「何でお前俺の家に来てんの? 俺達同盟じゃないだろ。敵対してるよな」

「てめぇがいねぇからだろーが」


 中入れろ、お前はそう言って俺の家に入る。靴を脱いでリビングのソファに腰掛ける。自分の家かよと思うのと裏腹に、こういうのが続けば良いとさえ思っている自分が居る。そんなこと口にしたところで意味がない。


「……で、何でいねぇんだお前」

「気分じゃないから。そっちは? 何でいかないの?」


 暫し考えてから出された答えは「風呂、借りんぞ」でかわされた。必要なものあったら声かけろよと伝えてドアを閉める。布が擦れる音、ベルトを外す音、ドアが開く音、シャワーの音、どれも想像した事があるものと全く同じだ。ドア越しからアイツが風呂に入っているのを盗み聞きする。今どんなところを触っているのだろか、何をどうしているのだろうか、そんな妄想や想像をして顔が赤くなる。それと同時に罪悪感に押しつぶされる。我に返ってソファに体を埋める。何をそんなに期待しているのか、自分でもあまり分からないが、期待はしている。鼓動が速い。もしかしたら、何て妄想をする。だけど、違う。ただ、汗を掻いたから。そう良い聞かして脈の速さを正常に戻そうと深呼吸した。


「……何してんだよ」

「っあ!!」


 急に声を掛けられて体が反応する。今、変な声が出た。恥ずかしい。


「お前なぁ、声掛けただけだろーが」

「びびびビックリしたんだ!!」

「それだけで?」


 顔が真っ赤になるのを感じる。分かってる、顔が熱い分、下も熱くなっている。何とかばれないようにしようと、うつ伏せになっていれば「もっと吃驚すること、したくねぇか?」何て問われた。顔を向けると顔が近づいて、唇が重なった。信じられない光景に驚きながらも入り込んでくる舌に、必死に応えようとする。その様が面白かったのかどうかは知らないけれど、俺はソファで押し倒されて、口を離される。


「こういうシチュエーションも悪かねぇだろ?」


 ――お前は、ただそう言って俺にキスを繰り返す。

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