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「間違い」と「正解」は――  作者: 六土里杜
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文男理女(NL)2


文系男子は振られても頑張る!


幼馴染麻衣にどうやって恋愛感情をもっているのか気付かせようと悩む。

 次の日。よし、今日も頑張るぞ! と思い朝早くから起きて朝の支度を終え、最近読み出した恋愛小説を読む。部屋でしか読まないので進む度合いは低いがそれでも、急いで読むよりかは断然頭に入る。


 主人公の女の子がクラスで一番人気の男の子に告白するシーンで、それはもうロマンチックだった。夕日が照らす教室、誰も居ない空間、好きな人と二人きり、主人公の恋は実る。あぁ、良かった! 実に良かった。感動と同時に悲しくなる。小説やアニメやマンガの中での話は実ることが多いのに、俺の恋は実る可能性が低い。というか、俺が幼馴染の麻衣に抱いている感情が恋愛感情だという事に麻衣は気が付いていない。


「……どうやって気付かせるか」


 うーんと首をひねりながら考えるが、理系っていうのは言い訳にしかならないのであまり使いたくない。勉強が好きっていうのも何か違う。どちらかと言うと恋とかそういうのには興味がないとか、関わりがなく、数学の公式を使って早く理科の実験の結果を計算したい、っていうオーラがあるようにも思える。大人として例えるなら仕事熱心だと思う。だから恋には気が回らないのだろう。


 だからと言って無理矢理気付かせるというのも趣味じゃない。俺が望むのは麻衣が俺に恋してるって気が付いて欲しい面もある。


 麻衣のどこが好きなんだと聞かれると、即効で全部と言いたくなる。数学の計算や理科の実験などにしか興味がないのも含めて好きなんだ。でもそこで全部って言ったらありふれているし、かと言って細かく言っても嘘っぽくなる。そんな台詞を言う前に、まず麻衣に俺の感情が恋愛という事を認識させなくては!


 そう思っているとドアがノックされた。時間からして麻衣だろう。ドアを開けて「おはよう」と言ってくる麻衣にいつも以上の笑顔を向けておはようと返す。ふと、麻衣の髪の毛が跳ねていることに気が付き、右手で跳ねているところを軽く押さえる。幼馴染だからこれぐらいは許してもらえるだろう。


「寝癖ついてる」


 優しくその部分を撫でていると、麻衣は俺を見つめて「頭でも打ったの?」と尋ねてくる。


「何で?」

「普段そんな事しないでしょう」

「麻衣だけにしかしない」

「あらそう」


 照れる様子もなく、いつも通りにしているので少し悲しくて手を離す。そうすると、今度は麻衣が寝癖の部分を押さえて「水、つけたら直るかしら……」と呟いていた。もしかして、表情に出ないか出さないだけで、本当は気にしているのかもしれない。そんな麻衣を見て頬が緩んだ。

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