表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「間違い」と「正解」は――  作者: 六土里杜
4/25

文男理女(NL)

好きだから告白したのに、結果は振られる。しかも振った本人は告白ではなく、機嫌取りだと思っており……。


文系男子×理系女子の時々甘い、時々噛み合わないそんな恋愛は果たしてうまくいくのかいかないのか!?

 同じ学校、家も隣同士幼馴染である。そう、文系と理系の幼馴染。だから趣味も合わないし、会話もあまり成立しないのだが、俺はそんな幼馴染の理系少女に恋をした。始まりはいつだったかなんて覚えていないが、気がついたら好きになっていた。今のこの瞬間までは!


「お前が好きなんだ!」

「え、嫌よ」


 パラパラと崩れていく俺の初恋、なんてもんじゃなくもう一瞬で崩れていく初恋。眼鏡をかけた理系少女は何が悪いの? 何て顔で俺を見る。


「お、俺の……何が、嫌いなんでしょうか……?」


 もはや涙目である。


「そんな事言っても『数学』は教えないわよ」

「え? スウガク?」

「来週のテスト、貴方、数学大丈夫なの? だから私に機嫌取らせて数学を教わろうとしたんじゃなくて?」


 そうだった。コイツは理系だった。本嫌いだった。漫画は読むらしいが……。つまり、今の俺の告白はただのご機嫌取りにしか思われていない。それもそれで悲しい。

 がっくりと項垂れてその場にしゃがみ込む。具合でも悪いのかと尋ねてくるが、そういう事じゃない。此処が自分の家なら良かったのにと二人きりの夕暮れの教室で思うしかない。だってコイツは理系だから……。


「ねぇ、ちょっと」

「イヤベツニナンデモナイデス……」

「ねぇってば」

「イヤダカラホントニ……」

「アパート通り過ぎてるわよ」

「…………」


 あえて聞かない振りをしていたら、自分の家を通り越していたらしく、しょんぼりしながらアパートに向かい、階段を上っていく。高校に通うため、このアパートに引っ越して来た。幼馴染の麻衣まいも俺と同じ理由だ。


「じゃぁ、また明日。何かあったらいつでも来て頂戴」


 302号室と303号室の前でのいつもの挨拶。何も言わず俺は302号室のドアを開けた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ