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魔法使いが魔法使いになりたくて異世界転生をする(英雄の生まれ変わり)  作者: オレオ


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挨拶。


あれから3週間、特に何も起きずに何とか緊急避難場所と上級装備の作成が完了した。ハーティの本気と金に糸目をつけない素材選びによって、結構な高等装備が出来た。王宮近衛の隊長格の装備と比べても見劣りしない物に仕上がった様だ。止めていた建築作業の方も避難所が終わったので再開している。


 他にもポーションの作成も完了して、転移魔法陣を駆使した見張り台も作成し終わった。素材もほどんどが取りに行って来た事もあり、総額で金貨500枚使用するはずが結局100枚程度に収まった。


 嬉しい事に本題である魔族の進攻は今の所無く。準備を先に終わらせる事が出来た。だが、こうなってくると別の問題も出てくる。


「なぁ、まだ見つかんねーのか?」


 と、朝食をいつもの様に皆で囲んで食べていると、フォークをプラプラさせながらエミールが呟いた。


「ああ、このまま臨戦態勢を続けても仕方が無いし、そろそろアイリ達をこっちに戻そうかと考えてる所だ」


 そう、アラステア達のレベル上げもあるし、毎日の様に会いに行ってはいるが、やっぱりずっと離れているのは嫌だと思っていたのだ。


「あ~、いや、まあそれもそうなんだけどよ。このままだとこの村発展させるのも出来ねーじゃん?なんかつまんねぇなぁって」


 エミールは両手を頭の後ろで組み、背もたれに仰け反り『暇だ』と告げる。きっとエミールもこの村に愛着が沸き、発展をさせる事が楽しく思えているのだろう。


「おい、エミール。俺が外敵が居るくらいで稼ぎを諦めた事があったか?」


 俺はエミールににやりと笑いかけた。


「マジか! て事は、動き出すんだな!?」


「ん? 何するのぉ~?」


「お兄、面白そうなら私も行くからね」


 エミールが勢いよく立ち上がり、ガッツポーズをしながら問いかけた。ミラ、ジェニも興味深々の様だ。


「あ~、取り合えずはチェルシーに作成をして貰ってる特殊な魔道具待ちなんだよな。どうかな?」


 そう言って俺はまだ食事を終えていないチェルシーに問いかけた。


「はひっ、んくっ。はい、えっとどれの話でしょうか」


 彼女は俺やハーティから色々な陣の作成を頼んでいるからか、どれの事を言ってるのか分からない様だ。


「あれだ、離れた所に合図が出来る魔道具」


 そう、俺は防壁への魔法陣設置が終わった後、出かけている間も危険を察知できるようにと考え、彼女に作成を頼んで居たのだ。最初は覚えたての学生なのに凄いと言うくらいに見ていたが、今では、やばいうちの子は天才、いや、それ以上だ。と考える様になり、色々頼んでおいたのだ。


 だってね、大規模魔法陣を書けるんですよこの子。まあ、まだ転移妨害する陣は完成には至って無いが、どう考えても二月、三月学んだ程度で出来る事じゃ無い。


「あ、一応出来てますよ簡単でしたから。後は有効距離のラインを計るだけですが、おねーちゃんも居ないからどうしようかと」


 そうか、この村じゃ転移出来るのは俺とキャロルだけだしな。


「流石だな、じゃあこれから一緒にテストしようか」


 俺はチェルシーにそう提案すると、笑顔で答え、これから試運転する事になった。


「は、はい! ありがとうございます。主様」 



 そして食事を終えた俺達はチェルシーの私室、兼、研究所に足を運んだ。研究所と言っても立派な書斎が半分、もう半分は女の子らしく綺麗なベットに棚に花が飾ってあり、洋服が壁に掛けてあったりしている。


「えっと、これですね。これをこうすると」


 チェルシーは、二つの球を出して片方に魔力を送った。すると、もう片方が強く光っていた。


「おお、じゃあテストしてくる、こっちの魔力を送る方を持って行くからな。光る回数を控えてくれ」


 と、俺は魔道具を片方貰い、転移で隣町、王都、アイナ達の町、滅んだ町、そして秘境の地。と近い順から転移しては魔力を送った。そして、帰って結果を聞いて見た。その結果5回と言う答えが返って来たので少なくとも俺が行きたい行動範囲はすべてクリアーしてる事が分かった。


「完璧だな、ありがとうチェルシーこれで皆の安全度が上がる。何かご褒美上げなきゃな。何がいい?」


「えっと、じゃあ、その……また一緒に、今度はおねーちゃんも。ダメですか?」


 彼女は要点を言わなかったが、普通に分かった。けどキャロルも、と来るとは思わなかったな。まあでももちろん断る理由なんて無いので、二つ返事でオーケーした。そうして俺は好きに出かけると言う自由を手に入れた。


「って事で俺はこれまでと同じように気兼ねなく行動できるようになったわけだ。と言っても大量に魔力を消費したりは出来ないけど」


「それで、結局お兄は何をしようとしてるのよ」


「あ~、うん、面倒な事を先に片そうと思ってるから、貴族の家への挨拶回りかな? 王都在住の人たちだけでもしとかないとな。後はアイリ達を連れて帰る為の話し合い。時間が余ったら、ヘストンさんの所にも行こうかな」


「……私はパス。そんな知らない人の所ばかり行ってたら病む」


「うーん私も今日はいいかなぁ?建築の手伝いもあるし?」


「俺は、たまには出かけてぇけど、貴族とかはちょっとな」


 ジェニ、ミラ、エミールは結局ついてくる気は無い様だ。まあ、俺としても今日の所は行く場所も場所だし都合良いか。ああ、そうだ。たまにはローズを休ませないとな。


「エミール、金貨二枚やるからローズと王都で遊んで来い。今回はローズの為の休日だ、もちろん転移で送ってやる。二日やるからちゃんと労わってやれよ?」


「おお、ありがとな。そうだな、俺がそう言う所考えてやんなきゃいけないんだよな。マジ助かる」


 と、オーバーリアクションするエミールに、俺は金貨二枚と、ここに帰る為の転移魔法陣を渡してエミールにローズを呼びに行かせた。 


「確かにローズは働き過ぎよね」


「うん、執務室?から出て来ないもんね。遊びに行ってもずっとなんか書いてるし」


「ああ、ローズは几帳面なんだよな。重要度が低いのもきっちり記録つけてくれてるから。ありがたいんだけど、ちょっと自分で仕事量増やし過ぎだ。時間が余りそうならひたすら勉強だしな」


 そこまでやる必要は無いんだけどな。姉さんが気に入っていたのもそう言う所なのかも知れないな。対人は未だに得意では無いっぽいけど。と、そんな話をしていると、エミールがローズを連れて来て、俺達は王都へと転移していた。もちろん魔道具の片割れを持ち、ジェニ達にも何かあったらこれで知らせろと伝えて来た。


「さてと、こっからは別行動だな、ちゃんと明後日には帰れよ。まあもうちょっと遊んでても良いけど報告はしてくれよ」


「ご配慮有難う御座います。久しぶりにエミールと出かけられてうれしいです」


「ああ、俺だってそうだ。けどお休みだからな。体を休めなきゃだし、取り合えず飯だな、で、今日は天気も良いし、どこか雰囲気の良い場所で座ってのんびりしよう」


 エミールは必死に考えてローズにとって良いものにしようと頑張っている。だが……


「それは二人きりになってからやれ……いや、俺が行けばいいのか。じゃあまた後でな」


 と、見つめ合ってあまり聞いてい無さそうな二人に一応声を掛けてから、移動を開始した。取り合えずは知ってる人の所に行って色々聞いておこう。そう思った俺は、ラティーシャさんを寄こしてくれたお礼も言いたいし、カディネット子爵の所にお邪魔した。




「これは、ようこそ、エルバート子爵殿、お話は聞いておりますよ。今度はアラステア殿下を救って頂いたとか」


 おおう、耳が早いな。しかも彼の執務室に通されて早々か。カディネット子爵は両手を広げて劇の真似でもしているかの様に振舞った。


「お久しぶりです、カディネット子爵殿、私は国王陛下の依頼に沿って動いただけですので」


「はっはっは、御謙遜を、情況はある程度聞いております。貴方がこの国に居て下さって本当に良かった」


 と、話しながらも彼は自然に、俺に腰を掛ける様にと誘導した。それに従い互いに腰を下ろし、彼と向かい合いながら言葉を交わす。


「皆さんに支えて貰いましたからね。ラティーシャさんとフィン君にも助けられています。今日はそのお礼もかねて訪ねさせて頂きました」


「そうでしたか。そう言って頂けると、こちらとしても感無量ですな。一番良いのは貴方に貰って頂ければ最高なのですが。っと、これではエルバート殿にさらに借りを作ってしまいますな」


 俺は早速今回の要件である、お礼の言葉を告げた。彼は少ししんみりとした表情をしながらも安心した様に言葉を紡ぐ、だが、やはり彼は彼だ。あわよくばと言う物言いが見え隠れしている。


「あ~、カディネット子爵ならご存知でしょう? すでに相手は沢山いますので、これ以上はとてもとてもと言う状況なので。それよりも、今回の騒動はまだ動きを見せませんか? うちは弱小なので、ずっと守りに徹している訳にもいかない物で……せめて少しでも何か知れればと思っているのですが」


「そう、ですな……不確定情報な上に荒唐無稽な話になってしまうのですが。上空から秘境の地に飛び去る黒い人型の影を見た物がいるそうで。まあ、もちろん森を避け、その周囲の捜索はされたのですが、何も無かったようです。その他には手がかりと言う物すら見つけられず立ち往生しているのが現状ですな」


 おいぃ、それ聞いて無いぞ! ガセ情報だから、とでも思っているのだろうか。まあいいや、アイリ達の所に行くついでにちょっと突こう。


「……カディネット子爵の情報収集の仕方を教えて欲しいと思ってしましますね。まるで何でも知っている様だ」


 直接情報を貰っている俺より詳しいとか、凄すぎだろう。どっから情報貰ってんだか。


「これはこれは、かの英雄に羨ましがられるとは。ですが、地味ですよ?今エルバート子爵殿がされて居る様に、色々な所を回り、世間話をしてお互いの利になる情報を与え合って回るだけです。もちろん貶める相手がいない情報のみを、ですがね。そのおかげで今も私はこうしていられます」


 なるほど、確かに姉さんの時も速攻で各所に話を回してくれてたもんなぁ。でも俺にはちょっと厳しいかも、常時挨拶回りとか苦痛でしかない。


「なるほど、これは間違っても貴方を敵に回す事は出来ませんね。これからもよろしくお願いします」


「え……ああ、まったくエルバート子爵殿にはいつも驚かされる。あれから落ち目と言われ続けた私にそんな事を仰られるとは。ですがご安心を、貴方が国の敵に回らなければ私は貴方を害する事は無い」


 彼は珍しく何一つアクションを起こさずにただじっとこちらをみて告げた。なんだ……このインパクトは。もしかして、あのオーバーリアクションもこれを際立たせる為の布石? いやいや、流石に無いよね?


「そ、そうですか。それはありがたい。所でちょっと恥ずかしい話になってしまうのですが。訪問になれている子爵殿に教えて頂きたい事があります」


 俺は彼の演出に少し、驚きを見せながらも第二の本題に入った。最初に彼を訪ねたのもこの理由からだ。まめな男、と言われる彼に聞くのが一番適任だろう。


「ええ、もちろん、答えられる事なら何でもお答えしましょう」


「この様に訪問するに当たって何か手土産が無いと無礼になってしまいます?今更聞くのもあれなのですが」


 そう、これから多々訪問する事になるだろう。そこで無礼を働き続ける訳には行かない。姉さんの邪魔をしたく無い以上は彼に聞くのが良いと思ったのだ。決してこの前の事でビビってる訳では無い。


「そうですな、今の貴方に限ってはそれは無いでしょう。皆興味を示しています。まず来てくれた事が土産になる事でしょう。もちろん物の手土産も持って行く者も多々おりますが、情報と言う物だったり、人を連れて行ったりと、要するに相手が喜ぶかも知れない、と思う物なら何でも良いのです」


「なるほど。失敗しない様に気を付けないとですね」


 そう言う事か、別に決まりは無いが、仲良くやりたいなら相応の物をと言う感じか?


「いえ、仮に相手を困らせる事になっても謝罪を入れて一度帰れば良いだけの話です。後々手紙を送り、再度訪問の許可を願えば相当相手を怒らせない限り受け入れて貰えます。狭量だ、と世間に思われたくないですしね。失敗が出来ないのは王族の方を相手にする時だけですね」


 あ~、なるほどね。流石慣れてるな、まるで営業マンだ。


「勉強になります。これから挨拶回りをしなければと思っていましたので」


「ああ、そうですね。ははは、私は運がいい。それならば社交界に是非、そこでなら各家を回らなくても挨拶が出来ます。面倒な要求も回避しやすくなるでしょう」


「面倒な要求ですか?」


「ええ、今のエルバート殿ですと。派閥にどうか、とか、血縁者との婚姻を是非に、とか、武器を卸す時はうちに、とかですかね?」


 と、彼は具体的に例えを出して教えてくれた。


「それは、怖いですね。確かに助っ人を隣に置いておきたい。エキスパートな人だとなお良い」


 もう、ハーティに武器を作らせた事まで知ってるのか。怖いな、でもだからこそ助っ人を頼みたい所だ。


「ははは、私で良ければお引き受けしますが、今回の主催は私でして、ずっとついて居るのは難しいかも知れません」


 なるほど、それじゃ確かにずっとついてて貰うなんて事は出来ないな。


「そう、ですか。取り合えず、アシュリー殿にも前もって挨拶をしておきたいのでその時にアシュリー殿にもお願いしてみようかな」


 うん、頼んでみよう、それがダメだと押しの強い貴族にごり押しで変な事引き受けさせられそうだ。


「アーチボルド侯爵、ですか。あの方なら安心だ。マクレイアー様とも仲がいい。挨拶の方も行って置くべきでしょう」


「ありがとうございます。では、これから向かってみるとしましょう」


 そう伝えると、彼は紹介状を持たせてくれた。明日か、ほう、異性の同伴は大丈夫なのか。別で護衛もって事は全員で行けるか? あ……人数制限あるじゃん。護衛込みで5人か、あいつらには一応話すだけ話すか。などと考えながらカディネット子爵の屋敷を出て、転移でアーチボルド侯爵家の屋敷の前に出た。


 ちゃんと手順を踏み、彼の書斎に通された。


「まさか、来てもらえるとは思っていなかったよ、私から出向こうかと思っていた所だ。よく来てくれたね」


 アシュリー殿は立ち上がり、握手を求め、子爵の時と同じようにさりげなく座る様に促された。


「まあ、俺に良くしてくれたのは姉さんとカディネット子爵とアシュリー殿くらいですからね。お邪魔じゃ無くて良かったです」


 と、若干緊張しながら、旧知の間柄の者にだけ挨拶をさせて貰っていると告げた。


「君はそう言ってくれるけど、私がした事と言えば、魔法学校に紹介状を書いたくらいじゃ無いかな」


 ふむ、考えてみればそうか。でも意図的にでは無いが、彼の威光を借りる形になった事もあるしなぁ。


「そのおかげで妹さんに学校でも良くして貰いましたしね。そう言えば妹さんはお元気ですか?」


「ああ、もう嫁いでしまったので家は出ているが、元気にやっているよ。君の事を知ってとても悲しんでいた。会う事があれば話をしてやって欲しい」


 そっか、クラスメイトだと言っても色々あって三日位しか通って無かったけど、そんな風に思って貰えるのは良いもんだな。


「分かりました。ブリジット様ももうそんな年ですか。あれから15年経つんですもんね。俺もアシュリー殿とも歳が近いと言える位だったのに」


「ははは、それは妹には言わないでやってくれ。女性はいつまでも歳を気にするからね。私の方はあまり気にならないな。逆に接しやすくなったかも知れないな。あの時は俺も若かったからね」


 ……可笑しいな、俺のが若かったと思うのだが?


「……アシュリー殿? 俺も若かったですよ?」


「くくくっ、そうだね。だが、君も領主になったのなら自分の事を知っておいた方が良い。君は異質だ。その意志の強さも、人と接する上手さも、思考能力もね。おまけに強すぎる。だから君は普通の人以上に、いや、普通の貴族以上に気を付けなければ色々な面倒事に巻き込まれるだろう」


 そうか、分かったよ。周りからはそう映ってしまうと言う事か。前世で切れて暴れた弊害って奴だな。だけど、人と接する上手さとか思考能力とかは納得が出来ないな。


「……いや、上手くやろうとしても大人の化かし合いには振り回されてしまう程度ですよ、商人との話し合いも、いつも考えの上をいかれて最近は足りないと思ってばかりです」


「そうだね、君が苦戦しているのは本当だろう。だが、まだ君は成人もしていないのだろう? そんな子供が村を一から立ち上げ、商人と曲がりなりにも交渉して、結果を出している。はたからそんな者を見たらどう思う?」


 ん? ……あ~そう言う事か。俺はステータスが異常だから大抵はごり押し出来るけど、それを知らずにはたから見てる者には超人に見える訳か。いや、女神から貰ったスキル持ちは超人か。


「なんとなく理解出来た気がします。ただ、そうなると、俺かなりピンチじゃ無いですか?今までの困難はほとんど魔法で解決して来たんですけど……」


「いや、大丈夫さ。君は今国で最重要人物だ。君にふざけた事をする奴がいたらその場で叩き殺しても許される位にね」


 お、おうふっ。そう言えばそうか、町が滅ぼされて、脅威を知っている、それを排除できるのは俺達だけなら、相当な融通が利くだろう。だけど、結局解決したらそんな事は無くなるんだ。だったらいつもの通りにやって行った方が良い。お互いの利の為に、だ。


「それは、確かに。じゃあ、今のうちに友好関係を軽く築いておいた方がお得そうですね。ああ、その件でお願いがあるんですよ」


「お願い、か。このくだりの後だと少々怖いね。何かな?」


「カディネット子爵が開く社交界で、変な風に絡まれない様に一緒に行動して貰いたいなぁなんて」


「……それだけ?」


「とても重要な事なのです。道の世界って怖いもんなんですよ?」


「ふふ、確かにね、もちろんいいよ。でも、魔王の騒動については触れないのかい?」


「いえ、もちろん何かあるのなら、教えて頂きたい所ですが。毎日王宮に行って居るのに外から情報が来ると結構くるものがありましてね。これからどういう事か聞きに行こうと思っている所ですよ」


「……詳しく聞いて良いかい?」


 俺はカディネット子爵からの情報を彼にも回した。一応、子爵に迷惑が行くことが無いようにとお願い付きで。まあ、子爵は後ろ指差されるような事はしていないだろうが。


「それは、俺も知らなかったな。流石だね、あの人も。だが、まだ確証の無い捜査段階なのだろう?それをすべて開示しない事もあるだろう。知りたいのなら求めてみると良い」


 まあ、確かに、けど、その情報言わないままに流されちゃうと被害がこっちに来た時に俺は間違いなく怒るだろう。と言うか、森を避けて見回って終わりにしたってふざけてんのか?と言いたい。危険度を考えれば分からなくも無いけど、その上でこっちに伝えないって……


「そうですね、どういう意図で行動しているのか、それを知らないといけませんね」


「そうだね、今の状態だと、何があっても君をないがしろにしたりはしないだろう。だからちゃんと話をして来ると良い」


「分かりました。そうします。このまま向かってみようと思うので、今日はこれで失礼しますね」


「ああ、穏便にね。それと、明日、ちゃんと付きそうから、結果を俺の方にも聞かせてくれ」


「ええ、大丈夫ですよ。明日の事もお願いします。では」


 そして侯爵邸を出た俺は、その足で王宮へと向かった。



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