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御礼


 そうして、これから俺、ジェニ、ミラ、エミールの四人でやって行く事が決まった。だが、肝心のこれからどこに行ってどう言った暮らしをしたらいいのか、が決まっていない。


「さて、これからどうしようか?」


 俺は全員を見回しながら発案を求めた。


「はぁ? 決まってなかったのかよ? え? え? ほんとどうすんの?」


「エミールうっさい、ちょっと黙ってて今考えてるんだから」


 ミラはエミールに黙って居ろと告げ、顎に手を当て、一生懸命考えている。


「そうね、うちの子が一生懸命に考えているの、エミールは黙って居なさい」


 最近ミラがお気に入りのジェニは、念押しの様に黙って居ろと告げた。


「ん~あ~俺も、こうなった以上この町の周りには居たく無い、さっさと決めて移動したいんだ。発案と関係ない話なら黙って居てくれ」


 俺は若干いたたまれなくなり、少し気を使いながら黙って居ろと告げた。


「エル、ありがとな、俺もちゃんと考えてみるよ」


 発案と関係ない話ならと言うフレーズが良かったのか、エミールは嬉しかったらしい、お礼を言われた。


「ねぇ、国の外って、出れるのかな?」


 と、ジェニが言い、俺達の注目が集まった。


「出られるんじゃないか? 俺の爺ちゃんは国の外に出た事あるって聞いたことあるし。」


「そうだよね、確か……必要なのはお金とステータスの確認、だっけ? 強いと注目されて面倒だっておばあちゃん言ってたよ」


 エミールが出られるといい、ミラがその補足をした。


「じゃあ、オルセンにでも行くか、知り合いも居るし」


「またまた、そっちが本命の癖に」


 ジェニが茶化しエミールがその言葉に食いついた。


「ん? なんで魔法の国に知り合い何ているんだ? 出た事ないんだろ?」


「まあ、狩場で知り合ったんだが、詳細はこの国を出るまで秘密だ。約束だからな」


「へぇ~女?」


 と、根掘り葉掘り聞き出そうとしているエミールをスルーして、じゃあそっちの方向に向かうか、と地図を広げ通る街道のチェックをし、俺達は取り合えずラピッドベビーのいる森に向かった。


「ん? なんでここに来たんだ? 最後に思い出に浸りにとか?」


 そう、エミールが見当違いな発言をしている間に、さっしたミラが装備の入った箱を掘り出していた。


「よし、この中の余り物の装備はパーティに居る限りお前にずっと貸してやる。好きに選んでいいぞ」


 俺はもう一セットしか残っていない防具と、残った二本の剣と呼ぶには少し短いナイフより少し長い、短剣のような武器を好きに選べと言った。


「うぉぉぉぉぉおおおお、マジかマジかマジか! すっげー、これ使っていいのかよ」


 と、テンションマックスなエミールを見て、俺はこれが正しき反応だと首を縦に振った。そして、大急ぎで装備を装着したエミールを見た時、皆が噴き出す様に笑った。


「ぶっ」「うはっ」「うへっ」


 胸当てに二つの膨らみがあり、女性向けの装備だったのだ。


 余りに可哀そうだった為、俺はジェニに交換するようにお願いした。そうしてエミールの防具は整った。


「なあ、武器の方なんだけど、リーチ短いし二本使っちゃダメか? 今まで使ってた鉄の棒は長かったからちと不安なんだ」


 確かに、そこまで接近しなくてはならない、短剣が一本じゃ心もとないだろう。


「もちろんいいぞ、だけど変わりは用意できない、壊しても文句は言わないが」


「ああ、ありがとな、エル。だけどこれが壊れるなんて思えねーよ」


 エミールは大事そうに鞘に収まった短剣を抱え、お礼を言った。


 その後、どうしても試したいと言うエミールの願いを聞き入れ、レベルの離れてしまったエミールの為に全員で索敵をして、永遠と戦闘が続く様にしてやった。愚痴るかと思えば喜んでいた。装備効果恐るべし。


「ああ、早くもっと戦って、皆に追いつかないとな。俺も最初から付いていけばよかったぜ」


 物凄いスパルタ育成で、20レベルから一気に34まで上がったエミールは、疲れも見せず悔しそうな顔をしていた。戦闘もすぐ短剣仕様の動きをし出したし、こいつは才能があるのかもしれない、と思いつつ15匹程食用に処理をした後、俺達は移動し始めた。


「さて、食事はこれで三日分は確保したし、何もなければ二日の距離だ。後は国を出る時に、金をどのくらい取られるかが問題だな」


 俺はそう言いミラの方に目をやると。


「金額までは教えてくれなかったから、分かんないなぁ」


 と、ミラが答えた。ミラのおばあちゃんに期待していたがどうやらミラも知らないらしい。


「でも、そんなに高くは無いと思うぜ、昔はうち物凄い貧乏で父ちゃんが小さい頃は大変だったんだって言ってたからな。まあ、じーちゃんの話だからわからんけどさ」


「っと、そう言えば今、俺らの総額っていくらあるんだ?」


「エルを助けるため大銀貨5枚でポーション買っちゃったから、ええとね、今ね。あれ? どこやったっけ」


 と、青い顔をしているミラを尻目に、ジェニが答えた。


「あんたこの前私に渡したでしょ、色々知ってる癖にどうしてそんな事も覚えて無いのよ」


「……ちょっと待て、大銀貨五枚って兄さんに返す金は? もしかしてまだ返してないのか?俺は」


「てか、エルを助けるためにポーション買ったって何があったんだ?」 


 と、思い思いに皆が疑問を投げかけて居たので、らちが明かないと思い、俺がまとめに入った。


「ええとだな、ジェニ、自慢の馬鹿だ、諦めろ。ミラ、ジェニが持っているらしいから取り合えず落ち着け。エミール、俺はこの前ミラの騒動で、ミラの父親が差し向けた奴に腹を刺されて死にかかったんだ」


 と、一人一人に答えられる疑問を答え、俺が聞きたい事を聞いた。


「俺はまだ、兄さんにお金を返していないのか?」


 俺は、お金が消えていたし、あの刺されて記憶が飛んでた時に払ったものだと思っていた。


「うん、ウェズ兄にはまだあれから会ってないよ、って曖昧だって言った所は説明したじゃない。あ、でも進行方向じゃない?」


 そうなのか、よくよく考えてみればポーションの金の出どころすら考えていなかったな、ミスった。


「いや、だって、お金足りないだろ? 大銀貨一枚渡して謝るしかないか」


 と、俺は世話になった兄さんにお礼さえ出来ないのかと、うなだれた。


「ああ、お兄? お金はちゃんとあるよ?」


 ん? いや、大銀貨五枚払ったんだろ?


「は? ポーションに使ったんだろ? まあ助かったけど」


「えっと、今の総額は金貨一枚、大銀貨三枚、銀貨三枚、大銅貨二枚、銅貨七枚だよ」


「大銀貨一枚増えてるけど、それ以外、盗まれた金額と同額……て事は……」


 俺はミラの方へと目をやると。


「寝たふりして聞いてたんじゃ無いのぉ?」


 と、ミラが困った顔でこちらを見ていた。


「んあ? どう言う事なんだ? 俺にも説明してくれ」


「ああ、金の件は、今分かったんだが、ミラは取った金を一銭も使わずに俺が知らない間にジェニに渡していたらしい。奴隷になってからみたいだが」


「使ったんじゃ無かったって事か。そっか、はぁ~、良かった」


 エミールは目を細め息をついて安堵した。


「言わないでって、言ったじゃない! どうして言っちゃうのよう、これじゃ私がエルの奴隷になりたいから盗んだってバレちゃうじゃない! ……あ、でもいいか、エルにはバレちゃったんだし」


「まあ、そういう事らしい。でも良かった、これで兄さんへの支払いは済ませられる」


「お、じゃあ次は俺だな」


「エミールは結局ついて来たんだし、順番は変更で私からよ」


 ジェニが言葉を返す前に割り込み、威圧的に言い放った。


「はぁ、なあエミール、ジェニ、一緒に行動しているのに俺だけに金の負担を押し付けるのってどうかと思うんだ。俺がミラを奴隷にして利益を得ていると思っているのか?」


「「うっ、確かに」」


 と、二人は納得し、取りあえずは我慢すると抜け目ない返事を返し、一旦は落ち着いた。


 その間、ミラは自分が起こした事で負担を強いている事に気が付き、しょんぼりとうなだれた。


「ねえエル、じゃない、ご主人様。私ご主人様の為に頑張るから。ごめんね」


「ご、ご主人様……だと……」


 エミールは何か言いたそうに口をもごもごとさせ、俺をじっと睨んだ。


「俺が言わせている訳では無い、とだけ言って置く。それはさておき、兄さんが住んでいる村までもう少しだな」


 俺は面倒だったので話を変えて、そろそろつくはずの兄さんの住む村へと歩を進めた。


「あ、あれね、お兄見えて来たよ」


 と、ジェニが村を確認した事により、俺達は足早に歩き始めて村に入り、昔来た時に兄さんが住んでいた家にたどり着いた。


「ウェズ兄ぃ~払いに来たよ~」


 と、ジェニが家の前で大声を上げると、中から知らない女性が出て来た。


「あら? 可愛いお客さんね、あなたの知り合いなの?」


 ウェズ兄さんが出てくると思っていた俺とジェニは面食らって黙ってしまった。おっとりとしていて優しそうな、少しふくよかだが決して外見が悪いわけでは無い、そんな女性だった。


「おお、ホントに払いに来たのか、ん? 大勢だな、取りあえず入れ」


 俺と、ジェニは取り合えず兄さんに尋ねた。


「お邪魔だった? 出直すけど?」


「そうだよ? チャンスなんでしょ? 後にでもちゃんと払うよ?」


 俺達は心配だった、村に住む兄さんにはめったにないチャンスだったのではないだろうかと。


「あら~兄弟にも言ってなかったの?」


「まあな。ああ、こいつらから俺達の母さんの事を聞いてみると良い、納得するぞ」


 と、二人だけの会話に入ってしまって、俺達は誘われるままに中に入ってしまった。


「さて、紹介しようか。この人はラーラ、俺の嫁さんだ! どうだ?」


 と、珍しく兄さんがドヤ顔をして、紹介してくれた。


「嘘だ、こんな素敵な人がうちの人間の嫁に来るはずが……」


「そうだよ、ウェズ兄、どんな魔法を覚えたの?」


「いやいや、お前たちも家を出たんだろう? だったらあの家の事は忘れた方がいいぞ。うちってのはな、自分たちで作って行くもんなんだよ、一人で独裁的に作るもんじゃない。」


「なんだろう、この敗北感。兄さんカッコいい。」


 俺は、その言葉に感動し兄さんを称賛した。


「あらあら、うちのお父さんの受け売りじゃない、相当気に入ったのねその言葉。泣いていたくらいだし」


「え? ウェズ兄が泣いてたの? めっちゃ見たい」


 ジェニは、イエスマンだが何をされてもへこたれず、大抵の事はこなしてみせた兄さんが、無く所なんて想像も出来ず、見てみたいと目を輝かせた。


「ふふ、なかなか、可愛かったわよ」


「おい、止めないか、兄の威厳ってものがだな」


 二人はまた、二人の世界に入って行きそうだったので、今回は会話に割って入った。


「ああ、兄さん、これで払いたいのですが、おつりありますか?」


 そう言いながら俺は金貨を出し、残りをお釣りで返せるかを聞いた。


「って事は成功したのか?」


「いえ、計画変更になって、お金は取れませんでした、だけど、貯めていたお金が戻って来たので」


 と、俺は手伝ってくれた兄さんにはちゃんと正直に話した、今までの事をすべて伝えた。


「はあ、お前気を付けろと言ったじゃ無いか。まあ、無事だったからいいけどさ。ん~金が取れなかったのに全額出せってのも気が引けるな、よし、大銀貨三枚で手を売ってやろう、と言うかおつりが無い」


 俺は、大銀貨で用意できなかった事を謝り、いつか余裕が出来たら残りをと告げ、大銀貨三枚を差し出した。


「まあ、そんなに貰えるの? 今、お茶出すから待ってなさい」


 兄さんの嫁さんが席を外した後、俺は気になった事を素直に聞いてみた。


「兄さん、あの人、ラーラさんて、あれが表の顔ですか?」


「ん? ああ、そして裏は無い。レアだろ?俺はもう手放さないぞ」


「ウェズ兄、良くやった。レアゲットだね」


 と、俺達は曲がっているなりに兄さんの幸せを喜んだ。


「それより、お前たちこれからどうするんだ? 流石にここに4人も置くのは厳しいぞ?」


「あ、兄さんそれについて尋ねたい事があります、国外に出るのってどのくらいお金を取られるものなのですか?」


「てことは国外に出るのか、まあこの国に比べたら馬鹿らしい程治安がいいとは聞くが。審査で時間を取られる上に、金も一人頭、大銀貨二枚取られるって聞いたな。物を持ち出す場合は別途で取られる、装備はつけられる分は含まれないが、高級品だとそれでもさらに時間がかかると聞く。まあどの位掛かるかまでは分からんがな。」


 兄さんは俺が知りたい事、すべてを答えてくれた。


「おお、流石兄さん、何でも知っていますね」


「ふふ、盛り上がっているわね」


 と、ラーラさんが人数分のお茶を用意してくれた。そこからは何気ない昔話をして、俺達は兄さんの家を去った、また来る事を約束して。


「いやーウェズ兄に、お嫁さんがいたとは、予想外の伏兵だったね」


「ああ、まったくだな、おそらく、兄さんの裏の顔は見せていないのだろう」


 俺とジェニは、もう兄さんの家から大分離れているのに、小声でぼそぼそと言葉を交わした。


 あの兄さん、ああ見えて切れると見境が無い。ジェニと違い、俺だけが敬語を使ってるのもそのせいだ。俺は標的になった事は無いが、あれから兄さんにため口をきける気がしない。


「あ~黙ってるの疲れた。だけど、エルの兄ちゃんはいい人そうだなぁ。この前も思ったけど」


「まあな」「でしょ?」


 と、エミールに俺とジェニはドヤ顔をかました。我が家で一番の出来の良さだ。


「でも、怒らせちゃいけない人っぽい空気を持ってたよね」


 と、ミラが確信を突いた事に驚いたが。エミールが何言ってんだ? と流したため、何も返答はしなかった。だが、ひそかにこれが馬鹿の持つ直感力なのか? とふと思った。


「よーし、取り合えず、走るか」


 俺は、突如走ろうと言った。


「いきなり何言ってんだ?」


 やはり、予想通りにエミールがこう返してきた。


「お前の為に、下げた適正の狩場で寄り道しようかと思ってな」


 と、俺は、返し方を気を付けさせる為の訓練を始めた。もうお前らとは何年も一緒にいるのだ、ある程度は読めるのだよ、覚悟する事だな。と、伝えもしない言葉で覚悟しろと思いつつ言葉を発した。


「う、すまん、助かるよ、エル」


 そうして俺達は走り出した。


 方向が一緒だった為に二時間ほどで到着し、先ほどと同じように索敵をしてやりつつ、今回は自分たちの狩りもしつつ、エミールは34レベルから44レベルまで上がった。適正が40だしもう少し上げてやりたいと思ったが、食糧事情により女性陣に断固拒否された。流石にカエルは食べたく無いと。


 俺も食べられると聞いた事はあるが、やっぱり進んで食べたいとは思えず、進む事に決めた。


 そして、エミールのレベルアップ狩場は食べられて適正、と言う所まで絞られた。


「なぁ、町寄ろうぜ。流石に情報無しじゃ絶対、食べられて適正の狩場なんて見つからねーって」


 エミールは歩きながら、早くレベルを上げたいと言い続けていた。


「寄る事に異存はない、だが遠回りはしたく無い。だから、目的地に着くまでに寄れる街の場所を教えてくれないか?」


 気持ちはわからないでもない、だから場所を教えろと告げた。


「ぐぬ、何で知らねーんだよ、国境の関所はわかるのに……」


 と、あまりに駄々をこねるエミールに見かねたジェニが言った。


「指示に従えず文句だけ言うなら、帰れば? ねえ、ミラ」


「うん、流石にうるさいよ? あれだけ皆で手伝ったのに。でも、いつもならエルが怒るよね? どうしたの?」


 ミラに言われて気が付いた……言われてみると……


「確かにそうだな、どうしたんだろうな……」


 と、俺は自分でも良く分からず、考え込んだ。


「わ、悪かった……気を付ける」


 エミールはミラに言われたのが堪えたのか、しゅんとした。


 そうして静かになり、黙々と歩き続け、とうとう一日目の夜がきた。


「今日はどうする? 一応街道沿いだけど、全員で寝るのは不味いよね?」


 まあ、もちろんだ。だが、睡眠時間を分けるというのは結構効率が悪い気がするな。と、俺は思い。提案をした。


「じゃあ、ミラ、ジェニ、二人のどちらかが寝てそれを見張ってやれ。俺達はここら辺を散策して狩場が無いかを調べてくる」


「夜だよ? 大丈夫?」


 そう、ミラに心配をされたが、『大丈夫だ、問題ない』と告げ、エミールを連れて散策に出た。


「いいのか? 俺は悪かったと思って諦めたんだが」


 エミールは申し訳なさそうに聞いてきた。


「何もしない時間を散策に使うだけだしな、上げたい気持ちも理解できる。気にするな」


「そっか、ありがとな。でも夜を外で過ごすってドキドキするな、二人だけだし」


「そういう言葉は女の子に行ってあげなさい。気色悪い」


 俺は寒気に震えながら、体を引き、それ以上近づくなと、言葉を選びながら言った。


「ばっ、ちっ、ちげーって、ふざけんなよ、止めろよ、鳥肌立つじゃねーか」


「全部こっちのセリフだ、そのつもりが無くても言葉を選べ、さっきの言葉を声に出さず復唱してみろ」


 エミールは訝し気な顔をしながらも何かを考えていた、指示に従っているのだろうか?


「……鳥肌たったわ、犯人俺だった」


 と、深刻な表情で言うエミールと目線を合わせ『だろ?』と言い、笑いあった。


 そんなこんなで馬鹿話を続けていた俺とエミールは、なかなか散策も進まず結局は見つからなかったが、いい時間つぶしになり、俺達は交代して眠りについた。


 目が覚めて、結局は見つからなかった事を告げた。だが、エミールの不満は払拭された。そして良い空気の中、俺達はまた地道に歩きながら暇つぶしにする適当な話を繰り広げ、着々と歩を進めて行った。


 そして、その夜、俺達は地図上ではもう少しで見えてくるだろう、と言う所まで来ていた。


 

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