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魔法使いが魔法使いになりたくて異世界転生をする(英雄の生まれ変わり)  作者: オレオ


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先生の真似事。


 さてと、これからどうしようかな。


 俺達は結局冒険に行く事にはならなかったが、今日はアイリとミラの日なのにこのまま帰るのは不公平だろう。そんな風に考えて、何となく王都に転移していた。


「おろ? お屋敷に戻るんじゃ無いのぉ?」


 ミラは周りを見渡し、疑問を投げかけた。いや、お前たちが良いのならそれでも良いんだけど……とミラに告げると、焦ったように『良くない! 良くないよぅ!』と元気よく返事が返って来た。


「ではエル様、ギルドに行って依頼を受けますか?」


 アイリがそう言ってき……あれ? なんで敬語? ああ、アデルの口調か。アイリはキリッとした表情で胸に手を当てて問いかける。前世と同じ赤毛だからだろうか、顔の作りは違うのに何故か安心する。


「ふふ、そうだな、アデルは何したい?」


 俺は、嬉しくなりにやけてしまい、ごまかす様にアイリの頭を撫でながら聞いた。


「私はエル様の御傍にいらればそれで満足です」


「じゃあ、アルファは何かあるか?」


「私も……特に。私は良い思いでなんて、魔法学校時代位だから。何をして良いかも分からない」


 ミラの前世アルファと言う少女、それは魔法学校で出会い、利害の一致により行動を共にする事になった女の子だ。少し控え目で恥ずかしがりやなイメージがある。


「じゃあ、遊び行って見るか? 学校に。キャロルの様子見とか言ってさ」


「うん……それも良いかも。っていつまでこれやるのよぅ。今と喋る速度が違うからもどかしいよぅ」


「はは、確かにそうだな。良し、取り合えず学校行こうか」


 俺は、ミラの反応を見て、学校でも問題無さそうだったから、いい機会だしキャロルにもそろそろ戻らないかと聞いて見ようと思ったのだ。流石に妹だけ帰還していてってのは可哀そうだろう。彼女もテレポートと言う割とレアな魔法を覚えているのだから。


 アイリも視線を向けたら『縁の無い所だから逆に気になるかも』と言っていたので、俺は転移で職員室前に飛び、許可を取って教室に向かった。まあ、本来はこんな事許可されないのだろうが、そこは魔法の授業をまた少しだけ引き受けると言う話で通った。ちょっと緩すぎないか? と、思って聞いて見たが、本校に在籍中の保護者が魔法を見せに来てくれる事は割とあるらしい。身元がしっかりとしている人物の場合に限り、頼んで居るらしい。そんな話を聞きながら教室に案内された。


 そして、俺は教室の戸を開けて、まるでいつも通りかの様に、声を掛ける。 


「さ~席につけぇ授業を始めるぞぉ。ちゃんと前回の復習はして来たかぁ?」


「え? えええ? エルバート様ぁ!?」


「あ~キャロル君、授業中です。私語は慎みなさい」


「も、申し訳ございません。主様」


「先生と呼びなさい」


 そんな風にやり取りをした後、授業がスタートした。だが、この学校の授業はシンプルだ。見る、考える、実行する、を繰り返し行っている。一つの魔法を見せて貰う授業、詠唱、イメージを模索する授業、実際に詠唱を唱えて発動するか確認する授業、に分かれている。


 そして、今回の授業は詠唱、イメージの模索である。要するに自習だった。俺は、空いている席にミラとアイリを座らせ、俺は教卓の前に立ち、魔法で指揮棒を作り出し。黒板に知っている知識をかいて行った。


「せ、先生、それは本当ですか?」


 俺が、イメージ魔法とは、イメージの完成度で同じ結果を出すのにもMP消費量が変わってくると書いた時、一人の少年が発言をした。


「あ~うん、先生の実戦における経験によって感じた事だ。だからおそらく合ってるはずだ。うん」


 まあ、間違いないのだが、彼があまりに勢いよく発言したので、ちょっとびっくりしておそらくと付けてしまった。


「エル、はっきり喋ろうよぅ。先生! しっかりしてよねぇ」


「あ~済まないな皆、ミラ君茶々を入れるなら廊下に立ってなさい」 


「ヤ~ダよぅ」


 ミラは、今なら許されると思っているのか、余裕の表情で言葉を返した。流石お調子者のミラである。後が怖いとは思わないのだろう。確かにここで叱りつける訳にもいかないだろうが。


「はぁ、まあいいや、説明するぞ。大昔、大賢者がイメージを固定して魂に定着させたから魔法が楽に使える様になった話は聞いているだろう。そこからも分かる様に、大賢者はイメージ魔法を固定させたんだ。それが今の魔法。どうして皆それを使うかは、MP消費効率がいいのと、威力も高く、安定もしている。まあ要するに割と最適なイメージって事だ。だから大賢者と同じ位その属性への理解を深めれば、同じことが出来る。この前も教えたが、これが出来れば無詠唱も使える様になるぞ」


 と、黒板に字を書きながら説明を終えると、『おお』と目を輝かせて大半の生徒がノートを取っていた。前回色々魔法を見せて、彼らに先生として認められたからだろうか? かなり食いつきが良い。まあ、前回もめた貴族の生徒と数人は覚える気がなさそうだが。


「あのう、そうなる為の練習方法はありますか?」


「ああ、属性を水で例えるか。まず、水を知る為に色々試せ、水の中に入ってみたり、沸騰させて蒸気に触れて見たり、飲んでみたり、何でもいいんだ。あほみたいにやってればその内、イメージ魔法で使える様になるだろう。まあ、使える様になってからがスタートラインなんだが」


「すみません、風も教えてください。私、水の適正が無いんです」


 熱心にノートを取っていた一人の少女が手を上げて質問をする。


「あ、そうか、イメージ魔法は適正関係無いぞ? 適正値ってのは、おそらく魂に刻まれた魔法を前世とかでどれだけ引き出せたとかそんな感じだろう」


 と、少女に言葉を返すと、貴族の少年が鼻で笑いながら声を荒げた。


「ハッ、嘘ばかり吹き込みやがって。とっとと出て行け」


「ハイハイ、授業が終わったらな。だが、風か……肌で感じる、風を起こす、後は圧縮とか? 熱加えて膨張させる、後は空気の成分とかは……難しいか。うーん煙とかで風の通り方を見るのは効果が高そうかな。まあ、自分でも考えてみるといい」


 と、貴族の息子はスルーして、授業を進めた。一応ほとんどが真剣にやっていたので時間内はきっちりやってやろうと考えたのだ。


「自分も質問したいのですが、それは既存の魔法にも効果は出ますか?」


「威力等は変わらない。魔力でしかな。だが、習得には関係するぞ?」


「そうですか、残念です。えっ? 習得……に関係するんですか?俺はイメージはほぼ出来てるはずなんですけど、中級に上がれないんですよね。それにも効果ありますか?」


「ああ、あると思うぞ。だが、イメージを視覚情報だけと考えて無いか? 水で例えるなら川の近くとかは涼しかったり後は湿気の差も出るだろう、その水はどんな味だろうかとか、みたいな想像もしているか?」


「え? そんなの関係あるんですか?」


「ああ、あるな。おそらくそれがどんなものか。それを知る事すべてが関係してると思う。まあそれでも出来なかったら多分魔力操作の方の問題だと思うぞ?」


「なるほど、確かに。事象の把握がイメージ魔法には重要と言うのは昔から言われていますし、既存の魔法がイメージ魔法の固定だと考えると属性を知る事で習得が早まるのにも説明がつく。どうして皆この事実に気が付かなかったのでしょう」


「分かってる奴は普通にいたと思うぞ? まあ、魔法はあまり人にペラペラ話すもんでもない、それに証明なんて普通できないしな。お前らも俺の魔法を見て無ければ、俺がそこまで魔法が使えなければそこの甘えた貴族のお子ちゃまみたいに信じなかっただろう?」


 もうすぐチャイムなるし、煽って家名でも聞いておこうかな。と、思い俺は挑発をしてみた。


「貴様、また俺を侮辱したな。もう許さん、処刑してくれる。覚えていろよ」


 爆釣。いやぁ……嬉しくない……


「はいはい、何にも出来ない癖に調子に乗んなよ、親の威光を笠に着たへなちょこ君。ま、家名すら知らないけど」


「そうか、だから余裕でいられるのだな、マッケンナ男爵家の嫡子であるこの俺の凄さを知らないのだな。もう遅いが」


 うーん、入れ食い過ぎてなんか恥ずかしくなって来たな……


「いやいや、お前なんも凄く無いだろ? お前何か功績上げたの? 国の役に立った? ああ、こんなガキと言い合ってるのが……恥ずかしくなって来た」


 と、言ったとたんにチャイムが鳴り、俺の授業はここまでとなった。


「よし、アイリ、ミラ、キャロル、帰るぞ」


 俺は顔を真っ赤にさせ立ち上がった彼を無視して、彼女達に声を掛けた。


「「はーい」」


「あれ?私もですか?了解しました、主様」


「テレポート」


 そして俺は王都に来たついでだと、国王陛下の所に寄り、勝手に持ってきてしまった屋敷の件と、家を買って転移で持って行くときに関税が必要なのかを聞いた。結果、屋敷は褒美として付け加えると言う事になった。家を買って転移で運ぶ方は、領主が領民に与えるのならば関税を払う必要があるだろうとの事だった。アラステアの件も一応相談してみたが、やはり、それを望むなら構わん。と、即座に言われ、逆にその時は周りが納得する位レベルを上げてくれるんだよな?と念押しされた。


 それから俺達は町を言った事のある町を転移で散歩して、家の売値を調べて回った。ピンキリ過ぎて何とも言えなかったが、王都を除外すれば、庶民の家は新築で金貨30枚~50枚程度だった。この世界は給料が低いのに結構するなぁ、と思ったが。住む場所を斡旋してくれる店で聞いて見ると、ほとんどの者が貸家に住んでいるとの事だった。


 一部の裕福層が、家を建てて年間で金貨4~6枚位で貸し出しているのだ。要するに10年持てば儲けがしっかり出る訳だ。まあ、それは良いとして、買って送ると言うのはちょっと厳しいかも知れないな。と言うより、大工を増やした方が断然お得だ。当然か、村には加工された木材があるし、必要になる人でも村人から出してるのだから。そんな話を相談しながらミラ、アイリと色々やっているうちに暗くなって来たので屋敷に帰った。


「おかえり、エル。約束忘れてねぇよな?」


 と、帰って早々にエティに催促された。


「そろそろ村の塀を作って行くから、取り合えずMP使い果たしてくるよ。いや、まだ飯も食って無いだろうが、忘れて無いからそんなにがっつくなよ」


 そうエティに告げたが一緒に行くと返され、皆で食事をした後、俺はエティと森の少し手前に来ていた。取り合えず石壁を作って行こうと考え高さ2メートル、厚さ50センチ何の装飾も無い石壁をイメージ魔法で永遠と作って行った。MPが限界近くなる頃には2キロ分くらいの塀が出来た。


「見事としか言いようが無いわ。本気でやれば明日には終わりそうだな」


 エティが感心した様に、『はぁぁ』と、塀を見渡しながら呟いた。それを聞いた俺は……


「それは流石に厳しいな、睡眠を分けても後二日は掛かるだろ」


「ん~エルはポーションは使わないって決めてるか?村人へのフルヒーリングの時もそうだったけど」


 あ、そうか。子供の頃からポーションは使っちゃいけない物だと思い込んでたから頭から抜けてたな。確かに逆にどんどん使っていくべきだな。あれ?でもポーションて確か・・・固定量の回復だったよな、割合の回復じゃ無いとあまり効果無いかな?


「ふむ、そうだな。取り合えず試してみるか。エティ、ありがとな」


「で、でも今日はもう終わりだからな。早く戻るぞ!良いよな?」


 エティは待ちきれないと、言わんばかりにそわそわしながら裾をグイグイと引っ張る。俺はそんなエティに『はいはい、分かってるから大丈夫だって』と返して寝室に転移した。


 寝室に着いた途端エティはベットに飛び乗り『ほらっ、ほらぁ』と尻尾をこちらに向けパタパタ布団に叩きつけながら催促してくる。俺はエティの尻尾と髪を丹念に梳かした後、エティを抱き寄せて横になった。


「お、おお。へへへ、エルを独り占めしたのは生まれてから初めてだな」


「そう言われてみればそうだな。まあ、お前が下らない嫌がらせをするからだ」


「も、もうそれは言うなよ。あんなに嫌がるとは思って無かったんだよ……」


「そ、そうか……まあ、この称号がついてからは気にならなくなったしな」


 俺達はぼそぼそと小声で言葉を交わしながらゆっくりと眠りについて行った。


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