ジェニと添い寝と精力剤
俺は会議を終えた後、魔力を元隷属者達の回復に使った後、ジェニと二人で寝室に行った俺はジェニから渡された精力剤をグイッと飲み干した。俺は飲みながらこれはミラが用意して貰った物なんだよな、いいのかな? などと考えて居た。
「おー、良い飲みっぷり。で……ど、どうなの?」
ジェニはおっかなびっくりしながら元気は出そうなのか? と、問いかけてきた。目を見ると、少し怯えているのが見て取れる。その様子を見た俺は、こいつは実は心の準備が出来ていないんじゃ無いか? と心配になってあまり深く考えないままに声を掛けた。
「いや、飲んだばかりだし。と言うか本当に良いのか? こんなムードも何も無い状態で」
まあ、でも、もう飲んじゃってるんだけど……今更止めるとは言わないだろ。そんな事を思いながらもジェニの目をじっと見てると、視線があっちこっちに動いていた。え? もしかして……
「え?あ~……うーん、じゃあやっぱり止めとこっか。」
なん……だと……まさか、ここまで来てのやっぱ無しですか? いやいや、本当に薬が効いたらどうするの? そのショックでまた残念な結果になるかも知れないじゃん!! と、俺は自分で聞いておきながらも焦りながらなんとか引き止めようと言葉を探した。
「えっ? いや……いやいやいや嫌」
俺は焦りと絶望を感じ、自分の欲を通そうとすることに若干引け目を感じたせいで上手く意思表示が出来なかった。
「ぷっ、お兄から言い出したんじゃない。そんな情けない顔しないでよ、ちょっと可愛いけど」
と、必死に絞り出した心からの言葉を馬鹿にされた俺は、カチンと来て、まだ薬の効果が出るかも分かって無いままにジェニの両手を掴みそのままベットに押し倒した。ジェニは『わわっ、あっ……』と、押されて倒れる事に驚きの声を上げた後、視線を向けて吐息を漏らした。
「ど、どうだ? これでも可愛いとか抜かせるか?」
俺は、焦り過ぎているせいか、子悪党なセリフを吐きながら組み伏せたジェニと見つめ合っていた。あれ? でもどうしよう、なんかそれっぽい雰囲気になって来た。でもさ、薬が効いてる感じ無いんだよね……そして、俺の問いかけに、やっとジェニが口を開く。
「うん、お兄は可愛い。カッコいいし、優しいし、私が隣に立って……釣り合えるかな?」
ジェニは一言一言喋る度に雰囲気を変えた。笑顔から真剣な表情にゆっくりと変化しながら俺の事を褒めた後、悲しそうに目を伏せた。俺は手を放しジェニを起こしてからもう一度手を繋いだ。ジェニは俺が手を放した事でビクッと震え、背中に手を回されて無理やり起き上がらせられるとゆっくりと首を横に振り、手を握ると困惑した顔を見せた。
「え? な、何? 無言でこんな事されても……怖いんですけど。お兄ちゃん?」
ジェニは困惑した表情のまま少しおどけた態度で俺の顔を覗き込んだ。
「そんなに心配しなくて良いよ。俺はお前が大好きだ。いや、もっと心配して体のつながりを求めて来てもいいか。責任取るのも大歓迎だし。」
と、冗談で心配していろと俺が言うと、ちょっとムッとした表情に切り替わった。うんそっちの方がまだいいや。そもそも釣り合うとか……ああ、そうか。ジェニは英雄教の信者だったな。などと考えて居るとジェニはまた少し顔を赤らめて問いかけた。
「って事は薬……効いて来てるって事よね?」
え? あ、そうだった……
「いや、全然……ご、ごめっ……」
俺は、情けなくなり目線を下に下げて謝ってしまった。あっやばい、なんか気まずい・・・と、思っていたのだが……
「じゃあ、次の作戦考えなきゃ……お兄、嫌でも成功するまで付き合って貰うからね」
と、ジェニは顎に手を当てて考え事を少ししてから、いつも通りの雰囲気で付き合って貰うからねと言いながら俺の顔を両手で掴み目線を合わせた。あれ? なんか普通な感じに戻ってる。とあっけにとられた俺は。
「え? ああ、うん。望むところだけど……じゃあ、今日は寝るか」
と、答えた後、ジェニを抱き寄せて一緒に眠った。不思議と一つも辛く無かった。性欲が無いからだろうか?抱き合って愛おしいと思いながら軽く口をつけてから相手の吐息を感じながら寝る、その事に幸せを深く感じた。欲が全快で我慢していた時はそんな余裕はなく、堪えるのがつらくなるから接触を断っていた。
「あれ? なんかめっちゃ幸せかも」
俺は感じたままに言葉にしていた。その瞬間ジェニの目がパチっと開いてまたすぐ目を閉じてぎゅっと抱き着かれた。目を閉じていても幸せそうな表情が確認できた。嬉しくなって俺もそのままぎゅっと抱き返し目を閉じた。それからお互いたまにぎゅっと抱き着いて起きているかの確認をしあっていた。そのせいでこの日の俺とジェニはあまり寝れなかったが何故か寝不足を感じる事が無かった。
翌日、いつもの様に皆で朝食を取っていると、女子勢がキャーキャー言いながら喋っていた。朝食を取り終わる頃にジェニが両手で顔を覆い横に振りながら『嫌ぁ』と言って居るとエティが目を見開き『こいつ、こんな感じだったっけ?』と言い、ミラがすかさず『ありえないよぉ、これもきっと作戦』などと口にしていると、ケイとアイリが羨ましそうに嘆いた。
「いいなぁ、私がミラちゃんから奪えば良かった。今度アナベラさん? に頼んでみようかなぁ」
アイリは、両手を前方に伸ばす様に机に突っ伏した。
「はぁ、効かなかったなら他の考えなきゃでしょ。目的は治す事なんだから。何かいい方法ないかしら」
と、テーブルに肘をつき手のひらに顎を乗せたケイがアイリを諭す様に呟いていた。そんなこんなで結局俺の称号、大賢者さんは健在のままである。だが、俺はひそかに彼女達と欲無しで気持ちを確かめ会えるのは良い事かも知れないと考える様になっていた。
だが、これだけは声を大にして言いたい。
この称号はいつか絶対に消すと。




