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魔法使いが魔法使いになりたくて異世界転生をする(英雄の生まれ変わり)  作者: オレオ


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エイブラムさんは物知り。



 俺は、アラステアを王宮に戻して自分たちも屋敷に戻った。


「「「おかえり~」」」


 あれ?まだ三時過ぎだってのに、そっちの冒険も、もう終わったんだな。と思いながら聞いて見た。


「ただいま、どうだった? 冒険の方は」


「ははは、しょぼいのしか受けられないみたいだから見学だけにしたぁ」


 ミラが、残念そうにして、今日の成果を告げた。


「そっか、こっちは結構稼げたぞ。金貨総額で50枚。まあ、俺達の分だけだと25枚だけどな」


 俺は、三人分の報酬が入った金貨袋をぶら下げて、告げる。


「わぁぁぁ。すごーい。そんな高い依頼この町のギルドには無かったのに」


 アイリが両手を合わせて喜び、良かったね。とほほ笑んだ。


「って言っても、どうせ村の事に使うんだろ? まだまだ足んねーんじゃねぇか?」


 エティは、次は私だと言わんばかりに口を開く。


「そうだな、どうせだから、これから全員で稼ぎに行こうか。がっつりと」


「「「「「行くっ!」」」」」


 と、何となく会話の流れで振った話が満場一致で決定して、俺達はいつも通りの金策狩場、ジェイルエルダーの森に転移して、俺が永遠と転移で彼女達に魔物を送る行為を2時間程繰り返した。その後、ギルドへ全員で飛び、エイブラムさんと個室で話をしていた。


「あ、では、アラステア様はお戻りになったのですね」


「ええ、まあ、また遊びに行く許可を貰いに行ったみたいですが」


「ははは、国王陛下も良く王宮を飛び出し魔物と戦っていたと聞きますし、血筋なのでしょうかね」


「まあ、陛下よりはおとなしい感じもしますけど」


 と、ギルドカードを作ってくれたその後の話を告げた後、ギルド員の女性がノックをして入って来た。


「査定が終わったようですね。では、こちらが今回の買い取り報酬となります。お確かめください」


「マジかよ。2時間で金貨150枚以上稼いだんか?」


 エティが愕然としながら俺の服を引っ張りつつ問いかけて来た。だがその問いかけに反応したのはエイブラムさんだった。


「え? 2時間で……ですか?」


 俺は面倒だと思いながらももうこの人に隠し事する必要も無いと思い、素直に話した。


「まあ、あの森の中ならどこでも転移出来ますからし。うちのパーティであの魔物を単体で倒せないものはいませんから、効率が相当いいんですよ」


 そう、感知で察知して転移で彼女達の所に永遠と飛ばしていたのだ。モグラたたきゲームみたいになっていた。


「魔法もそこまで痛くないし雑魚だよねぇ」


 と、ミラがいつもの様にお調子者スキルを発動させた。


「へっ? 冗談ですよね?」


「はい、冗談ですよ。痛いです」


 俺は説明のループになりそうだったので、冗談ですよと答えたのだが。


「……痛いで済むんですね」


 と、答え方が間違っていた事に気が付いた。だが、彼はそれに対して問いかける事は無かったので、話を変えた。


「そうだ、エイブラムさん。お聞きしたい事があるのですが。村を大きくするにはどうしたら良いと思います?」


「おお、エルバート様の村をですね?私が考え付く範囲ですと、やはり、治安の良さと後は娯楽でしょうか。まあ、一朝一夕にはどれも行かないでしょうが」


「娯楽とは?」


「甘味、酒、女、が代表的ですかね。賭博などもありますが。どうしても治安の悪化がついて来ますし。後はどの町も自分の町の特色を持っている事が多いですね。この町ですと魔道具でしたり」


「「「「「エル、女はダメだよ」」」」」


「ははは、エルバート様が利用する事は無いでしょう。まあ、この様にご婦人には嫌がられますね。ですが、あまり女性と縁を持てないものもおりますので」


「なるほど、まあ、娼婦は自発的に迎え入れる事はしませんが、酒と甘味か、賭博の方も金額を少なく設定してやれば・・・まあ、そこは試してみないと分からないな」


「ちなみに、エルバート様が治める村はどのくらいの人口数なのでしょう」


「今現在はえっと、130人くらいでしょうか」


「あ、そうでした、失念しておりました。新規開拓をしているのでしたね。でしたら、年貢の取り決めを安めに設定して、家と畑を貸し与える事が先決でしょう。本気でやるおつもりでしたら、この買い取り報酬で家を建てて、他領地の貴族様に許しを貰い、他の町の住民に告知をして貰うのがいいでしょう。」


「そんな事可能なのですか? 要するに年貢と言う稼ぎを分けろと言ってる様なものですよね?」


「ええ、もちろんただでは無いでしょう。ですが、相手が何に困っているか、何を求めているかを知ってからなら十分交渉の余地はあります」


「……相当詳しいですね」


「いえいえ、ただ、このポジションは割と接する機会があるんですよ。時には厳しい事もお願いしなければいけません。なので私も色々と勉強を強いられまして」


「なるほど、もうエイブラムさんをうちの村に呼びたい位ですよ」


 俺は感心しながら、そう口にしていると。


「そ、その手が……では、ギルド設立する時は私が参りましょう」


 エイブラムさんは立ち上がり、テーブルに手をついて目を見開いた。


「ええ!? 良いんですか。開拓始めたばかりですよ? 本気にしますよ?」


「ね、願ったりです! で、出来ればギルドを設立するまで、村人として置いて頂けませんか?」


 俺は、頭に? マークを浮かべ、言葉の真意を測れず、疑問を投げかけた。


「えっと、ありがたいですし、もちろん大丈夫なんですけど。どうして、そこまでして頂けるんでしょうか?」


「何を仰いますか。私はあの誓いを忘れてませんよ。貴方に何かがあった時は何を敵に回しても貴方に付くと言った言葉を」


「えーと、あれ? でも町を救った事に対してですよね? 町を捨てる事になってしまうんですが……」


「いえ、この町は私の力を必要とはしておりません。ギルドに至っても後を任せられる者もおります。幸いな事に私は独り身ですし、それが叶うなら、私は先の人生が楽しみでしょうがな。」


 彼は、問題無い事を説明した後、にやけた口元を抑えながら楽しみだと言い切った。


「では、今から家を建てさせましょう。準備が出来たら声を掛けに来ますね」


「ありがとうございます。ふふ、ジャスタスの顔が見ものだな」


 彼は礼を告げた後、一人呟いた。そして一先ず話が終わり、俺はアラステアをアイナ達の家に送ってやり、再び屋敷に戻ると言う時に、アイリに声を掛けた。


「村の屋敷の方に戻っても良いか?」


 アイリに、彼らと話し合いをしてもう発狂はしていない事も告げてあった為、すんなりと『うん、大丈夫。ごめんね』と言われて、俺達は再び村の屋敷に戻って来た。やっぱり、町の方の屋敷だと自炊だし、村も心配だし若干ではあるが不便なのだ。そうして、俺達は二日ぶりではあるが、村の屋敷に戻ってきた。


「おい、エルゥ、置いてくなよなぁ。お前達だけでずっりーぞ」


 屋敷に戻ると、夕食を取っていた、エミールとローズは『あっ』と声を上げた後、文句を言われた。俺は、完全に忘れてたなぁ。と、少し申し訳ない気持ちになったものの、いや、待てよ、こいつらは毎晩お楽しみだったんじゃ……と思いエミールに話しかけた。


「逆に感謝する所だろ?」


「お? おう。だけど前もって言えよ。知ってればもっと派手に出来たのによぉ。ローズがはずかしあでででで」


 ローズは、エミールの話の途中から急激に焦り出し、エミールのほっぺをつねった。


「エミール、もうそう言う事は言わないと約束したのに! 私の事大切にしてくれるんじゃなかったの!?」


「いや、だってよ、エルが……」


 と、エミールが視線を向けた。ああ、完全に忘れてた贖罪を今償おう。あ、でもこれマッチポンプか。


「ああ……俺も悪かった。これからは気を使う。ローズ今回は許してやって欲しい」


「はぁ、今回は忘れる事にします。もうっ、エミールは……」


「わりぃ。でも、大切にするっつー約束は守ってるつもりだぞ」


 などと、ラブラブな空気に戻っていった彼等の事は忘れて、俺は全員に向けて口を開く。


「あ~えっとだな、今日もちょっと村の会議をしようと思う。飯食ったら村の人も呼んで話合いをする。と言っても俺以外は自由参加だ。場所は此処を使うから参加したければここに居る様に」


 俺は全員が返事をした事を確認してから、ロルさん、アナベラさん、ドミニクさん、それとロルさんには会議に参加させたい人が居れば連れて来て欲しいと告げた。それと、メイド&執事に無理させていただろうと思っていたので、声を掛けに行った。


「えっと、ラティーシャさん、フィン、良いかな?」


 俺は、厨房に居る二人に声を掛けた。


「あ、はい」「え? 僕もですか?」


 と、二人は厨房に顔を出した事に驚いた様に、振り向いた。


「ああ、奴隷たちはちゃんとやってるかな? 二人にはかなり負担掛けちゃってただろうから、心配になって来てみたんだが」


 二人は、佇まいを直す様に、衣服を整え姿勢を正してラティーシャが口を開いた。

 

「はい、元々屋敷に維持管理をしている者達もおりましたので、助かっております。お気遣いして頂きありがとうございます」


「うーん、俺さ、そう言う風な話し方されちゃうと真意が読めないと言うか、どう対応して良いか分かんないからさ。よし、フィン、俺が分かりやすい様に答えてみろ。これは主人命令だ」


「ええ!? あ、はい。ええと、問題はありませんでした? ちょっと大変でしたけど、奴隷を預けて下さってからは結構楽になりましたし。ありがとうございます」


 彼は驚いた後、姉の顔をチラチラと伺いながらも元気よく答えた。そうだよな、二人じゃ無理だよなぁ。気を使いまくってるフィンでもこういう言い方するって事はかなり大変だったのだろう。だが、問題は奴隷を解放した後なんだよな。一応話し合って残ってくれる者を集うつもりではいるし、最悪はアシュリー殿から紹介してもらう手もある。


「あ~だが、一つ覚えて置いてくれ。彼らは今は奴隷だが、数日後に解放するつもりでいる。今の内から奴隷としてではなく、仕事の同僚位に思って接して欲しい。まあ、後輩と考えてもいいか。実質そうだしな。それと、これから村の人を交えて食卓で会議しようと思う。何か軽い食べ物と飲み物を出してくれ」


 解放してから変なトラブルになっても嫌だしな。と、俺は二人にそう告げた後、会議のでのつまみを注文した。


「「畏まりました」」


 そう言って頭を下げる二人に、『よろしくね』と声を掛けてから俺は再び食卓の椅子に座った。だが、そこは不思議な空気が流れていた。何か様子が可笑しいとジェニを見ると視線をそらされ、ミラを見ると何も言って無いのに顔をぶんぶんと横に振っていた。


「坊や、その歳で不能とか極め過ぎたのぉ。ひょっひょっひょ」


「ぶっ」


 俺は、変な空気に当てられ全員分要してあった水に手を付け、喉をうるおそうとすると、アナベラさんに不意を突かれた言葉を貰い、水を吹き出した。水は隣に座っている、ジェニにもろに掛かった。だが、ジェニは怒らない、ひたすら申し訳なさそうな顔をしていた。いや、周りを見渡すと全員が気まずそうにしている……


「あのう、俺の精神が死んでしまうので普通にして貰えませんか?」


 絶望の表情を浮かべた俺は、誰を見るでもなく、空に向かってそう言った。


「エル、でも大丈夫。おばあちゃんが凄いポーションくれたから!」


 全員が気まずさに視線をそらし様子を伺う中、ミラが颯爽と立ち上がり、瓶を掲げてそう言った。


「まあ、ただの精力増強剤じゃて、良く注文を受けるでのぉ」


「ねっ? エル、大丈夫だよっ!」


 と言われた、俺は急激に恥ずかしくなり、元々感じていた情けなさとまじりあった感情に襲われた。そして、絶句しながら、耐えていると、向かいの端で口を開いた者が居た。


「それが二度、三度と、私が皆様に味遭わされた辱めです。ご主人様」


 ローズが真顔でそう告げて来た。だが、下手な気づかいよりも救われた気がする。


「ああ、これはきついな。泣きそうだ。ミラ、もう良いから……話し合いを始めるぞ」


「え? でも、これ……ジェニちゃんハイっ!」


 ミラは自分をターゲットとさせたく無かったのか、瓶を素早くジェニに渡した。ジェニは無言で受け取り、素早く懐に隠した。それを見たケイとアイリが反応を示していたが、ここで何かを言う気は無さそうだ。俺はそのまま話を始める事にした。


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