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魔法使いが魔法使いになりたくて異世界転生をする(英雄の生まれ変わり)  作者: オレオ


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アイナ頑張る。


 そして俺達は残りの群れを探索し始めた。のだが……


「さてと、どっちに行ったかなぁ? って居ない。見失った……」


「え~、私、戦って無いんだけど。お兄、探して来てよぉ」


 ジェニはつまらなそうに、おねだりして来た。それに言葉を返す前にアラステアが口を開く。


「まだ時間はあるのだ、探すのも冒険のだいご味だろう」


「……エルが居る時点で冒険のだいご味も何も無いんだけどね」


 ケイが呆れるような表情を浮かべながら呟いた。


「そ、それはどういう事だ?」


「いや、何日か掛けて捜索したりとか、最悪を考えて死を覚悟したりとか、結局見つからなかったとか、エルと一緒に居てあると思う?」


「……では、俺は今何をしてるのだ?」


「冒険ごっこ?」


「ぐっ、エルバートっ! どうしてくれる!」


「いやいや、お前はそんなに時間かけられないんだからしょうがないだろ。それとも国王陛下に頼んで一年や二年時間貰うか?そうすれば俺達抜きで、本当の意味での冒険が出来るけど」


「……そうだな、父さまと話をしてみるか。正直、俺はここ最近楽しくてしょうがないのだ。このまま諦めるなんて考えられない。絶対に悔いが残る」


 アラステアは深刻な表情を浮かべながらも冒険を止める気は無さそうだ。仕方ない、口添え位はしてやるか。などと思いながらも彼の言葉に『そっか』と返すと、俺とアラステアの会話を聞いていたエレクトラが口を開く。


「はぁ? なんでお前が冒険するのに国王陛下の許可がいるんだよ。意味わかんねぇ」


「えっとね、クトラ。アラステア様はね? 色々あると言うか……」


 お? アイナは知ってたんだな。ふむ、三角関係か?

 

「よい、アイナ。お前たちにはもう隠し事をする気はない。他で黙って居てくれればいい」


「あ、うん、じゃあ、えっと……クトラ、アラステア様は王子様なんだよ」


「はぁ? そうかお前達出来てたのか。二股掛けてたんだな……」


 エレクトラはキッとアラステアを睨みつけると、アラステアは、困惑の表情を浮かべた。 


「……どうしてそうなる」


 ん? どうしてそこで言葉を止める……ちゃんと言い直せよ。と思いつつも、しゃーないな。と、かわりに説明を入れた。


「エレクトラ、こいつはマジでオルセンの王子。要するに国王の息子なんだよ」


 エレクトラは、少し、固まった後、ようやく理解したのかビクッと身を震わせた後、青い顔をした。


「へ? マジッ? うわっ、私……不敬罪で捕まっちまうじゃねぇか……」


「馬鹿者、そんな事するか! 俺を何だと思っているのだ。お前たちはもう友だ。ああ、でもエルバートみたいにはなってくれるなよ、これ以上こやつみたいのが増えるのは面倒だ」


「それはあれだろ? 押すなよ? 押すなよ? 的な奴」


「……お前はたまに何を言って居るのか良く分からんな。まあいい、それで今回はどうするのだ?」


 アラステアが話を戻すと、ジェニが俺の裾を引っ張りながら『お兄、はやくぅ』とおねだりをして来た。お前いつの間にか戦うの好きになってたんだな……生活習慣か? それも嫌な話だな。


「はいはい、じゃあここで戦闘準備しとけよ。全員武器を抜いて待機。ああ、あーちゃんアイナを守るの忘れんなよ?」


 俺は未だに戦闘をした事のないアイナを守る様に告げた。


「はぁ、良く分からんが分かった。アイナ、エレクトラ、そばに居ろ」


「は、はいっ。」「わ、私も良いのか?」


 と、二人は少し慌てながらも彼の両腕に絡みついた。アラステアは『いや、そうではなくてだな』と呆れた表情をしていたが、何だかんだ楽しそうだ。そんな彼らに俺はジト目を送りながらも、空に飛びあがり、鳥の様に旋回して、魔物の群れをすぐに発見した。


「ケイさんが言う通り、あれでテレポートまで出来たら冒険らしい冒険になんてならなそうですね」


 と、空を飛び索敵をしている所を見て、苦笑しながら口にするアイナ、エレクトラはひたすら絶句している様だ。


「でしょ?でもあれでほんの一部よ」「お兄は、高性能で最強」


 ケイの言葉にジェニは頷きながら言葉を追加する。そして、先ほどまで飛んで索敵していた彼が急降下していった。


「あ、見つけたみたいね。こっちまで釣ってくるのかしら?」


 と、ケイが首を傾げた瞬間、60匹近いスモールレッサードラゴンがエルバートと共に目の前に現れた。ジェニとケイは即座に動き出したが、アラステア達はいきなりの事で気が動転している様だ。だが、ほんの数秒でエレクトラは対応して攻撃に移った。それを見たアラステアは、苦い顔を一瞬見せて、動き出した。


「あっ、わ……私もやらなきゃ……」


 と、ゆっくり動き出したアイナを見て俺は声を掛けた。


「お、やるならサポートしてやる。安心して剣を振るう練習をして来て良いぞ」


 剣を両手で握り、震えながらもすでに動き出していたアイナは俺の声が聞こえていない様だ。


「報酬は金貨50枚だから、2枚位は貰えるかも……やらなきゃ」


 そのつぶやきを聞いていた俺は、ちゃんと分けるからね?と思いながらも彼らの動きを目で追い、サポートに回ろうとしていた。アイナは、エレクトラの隣に着いてむちゃくちゃに剣を振り回し、ドラゴンの顔を剣でびんたしていた。エレクトラと、アラステアはそれを見て絶句していたが、これでアイナを守るべきだと認識しただろう。ジェニとケイ達にも目を向けると、何の問題も無く蹂躙を始めていた。これは見ている必要も無いかな、と目を背けた時。


「きゃぁああ」


 と、ゴォォォと言う音とジェニの悲鳴が聞こえて俺はとっさにジェニの前に転移した。そして、転移した俺は炎の中に居た。おそらくドラゴンが火のブレスを吐いたのだろう。


「アイスウォール、ハイヒーリング」


 即座に防壁と回復を掛けて、ブレスを打った魔物に突っ込み首を落とした。


「ご、ごめん。ちょっと舐めてた……」


 ジェニは申し訳なさそうに、視線を落とした。


「いや、あれが変異種だろうな。かなりの格下で良かったよ。ジェニが傷物になる所だった。」


 確かに、油断してなければジェニなら避けられただろう。まあ、最初に攻撃手段を教えられちゃうってのも考え物だな。情報ではしてこないはずの攻撃だもんな。なんて考えつつも、ジェニの頭を撫でた。


「はぁ、簡単に治せるくせに」


 ケイがフルヒーリング持ってるくせに何言ってるんだと言い魔物に突っ込んでいった。さっき嫌々戦ってるみたいな事いってたけど、随分と飛ばすじゃ無いか。魔物は残り15匹程度だろうか。討伐数はケイが18ジェニが11エレクトラが7アラステアが9でアイナが1か。まあ、ジェニはもう俺のそばで大人しくしていて攻撃する気は無いみたいだな。それにしてもアイナはちゃんと倒したんだな。やるじゃ無いか。と、アイナに視線を向けて戦い方を観察してみると。……あわあわわ、と凄い戦い方をしていた。


 あ、アイナさん? 剣は横にして叩くものじゃ無いんですよ? と、見てるこっちまでおろおろしてしまいそうな戦い方をしていた。だが、一応魔物の攻撃を剣ではじき返していた様だし、大丈夫かな? あ、噛まれそう、と思った瞬間『来ないでぇ!』と叫び声を上げながら下からたたき上げた攻撃で喉を深く切り裂いた事により、絶命させたようだ。


 それを見たアラステアは苦笑いをして、エレクトラはドン引きするように絶句していた。


 それと同時にケイが最後の一体を倒して群れの討伐は終わった。


「えっと、ケイが半数以上か、次がアラステアでその次がエレクトラ、ジェニは四位だな」


 俺が、順位を口にしながら討伐証明部位になる、角を切り取り取っていると。


「むむむっ、ふふ、でも最下位じゃ無いし」


 ジェニはちょっと悔しそうに唸った後、何かに気が付いたように鼻を鳴らした。


「ご、ごめんなさい。役に立てなくて」


 アイナがジェニに近寄り、謝罪をし始めるとジェニはアイナの肩に手を置いて口を開いた。


「貴方は五位よ、最下位がもう一人居るの」


「あっ、ジェニ、功労者の俺にそう言う事言っちゃう訳?」


「討伐順位は討伐順位よ。お兄、ちゃんと受け入れて」


 などと、言い出したジェニに反応して手を止めていると。


「もう、あんた達じゃれ合って無いで仕事しなさいよ仕事!何で一番の私が後処理も一番やらなくちゃなんないのよ」


 と、ケイに怒られて俺達は素直に証明部位を回収した。変異種に限っては全体的に色が違ったので頭を丸ごと落として持って行く事にした。そして俺達はテレポートでギルドに直接戻り、そのまま報告をした。


「はい、ありがとうございます。お疲れさまでした。では、確認させて頂きますね。……数が情報より大分多いですね、あ、変異種の方も討伐して下さったのですね。では、依頼達成により、金貨50枚の支払いになります。ご確認下さい」


 受付の人はカウンターに袋を置いて、差し出した。


「あれ? あのオッサンたちはまだなのか?」


 エレクトラが彼らの話が出なかった事に対して疑問を投げかけた。


「いや、まだだろう。あの人数で索敵しながら戻ってくるんだろうからな。混乱もしてたし」


 俺が、もうしばらく掛かるんじゃ無いか?と、告げると。


「あ~それもそうか。テレポートって感覚可笑しくなるね」


 アイナがそう口にした。


「えっと、と、言いますと。先行していたパーティーと遭遇したのですか?」


 俺達の話を聞いていたギルド員のお姉さんが、問いかけてくる。


「ええ、あちらは20匹で限界だと言っていたので、残りを全部討伐させて貰いました。問題は無いですよね?」


「はい、もちろんありません。ただ、事前に確認させて貰えた方が、スムーズに事が運びますので。こういう場合、証明部位を分け合ったり、偽装したりはご法度ですので」


 俺は念のためで一応確認したが、やはり、問題は無い様だ。分け合うか……


「共闘も不味かったりします?」


「いえ、それは問題ありませんよ。今回の場合、エルバートさんのパーティーは数をかなり超過しています。事前情報が間違っていた事もありますし。依頼主の方も不信に思う事は無いでしょう」


 そっか、良かった。オッサンたちは報酬無しってなったらわざわざ支援したのが馬鹿らしいし。


「そうですか、それは良かった。では、俺達はこれで」


「はい、またのお越しをお待ちしております」


 丁寧に頭を下げられる事になれて無かった為、俺とアラステアを除いた全員が頭を下げ返していた。そんな彼女達に行くよと声を掛けて、俺達はアイナの家に戻って来ていた。


「んじゃ、まず分けようか。リーダー兼索敵して、変異倒した俺はちょっと多く貰うとして、一人金貨8枚で良いか?」


 と、店の中の椅子に座り、テーブルの上で暇つぶしに金貨を弄っていた俺は、金貨を8枚づつ並べながらそう言った。


「てことは、お兄が10枚か。良いんじゃない?」


「エルの取り分はもっと多くても良いと思うけど。まあ、仲間内だし妥当かな」


 ジェニとケイがそう口にして頷き合っている。だが、三人からの反応が無い事に不安を感じて聞いて見た。


「アラステア達はどうだ。こういう話では言いたい事はちゃんと言えよ? それもパーティーでは必要な事だぞ。考えが違い過ぎる者とは一緒に組まない方が良いからな」


「いや、ほぼ均等だ。不満などあるはずがない。俺はそこら辺の分け方の知識が無いからな。取り合えず傍観していただけだ」


 アラステアは別に言いたい事は無いといい、並べられた金貨の一山を取った。


「あん? 不満があるとおもってたのか。あまりの稼ぎの多さにびっくりしてるだけだぞ。これで何年暮らせんだろ」


「えっと、それって、私も貰っちゃって良いの?二匹しか倒せてないけど。」


「当然だ。戦えないのを知った上でこっちから誘ったんだからな。後アラステア、一応教えて置くな。今回は仲間内だからつまらない話はしなかったけど、普通はどの依頼を受けるか決めた時点で、分配方法の話し合いをする。お互いが納得出来たら依頼を受けるのが基本だ」


「言われてみればそうだな、なるほど、覚えて置こう」


「んじゃ、取り合えず初の冒険者活動は成功だな。お疲れ様」


「「「「「お疲れ」」」」」


 と、分配も終わった事で〆ると。


「まあ、油断し過ぎて攻撃喰らっちゃった人もいるけどね」


「……ケイ、ミラには内緒よ。言ったら怒るからね」


 ケイとジェニが内輪の話を始めて、アイナ達も独自に会話を始めた。


「ねえ、クトラ」


「あん? どうかしたのか」


「私も戦える様になりたい。だから戦い方教えて」


「まあ、良いけど。アイナは後衛のが良いんじゃねーか。つっても魔法なんて教えらんねぇけど」


「ううん、違うの。叩きたいの」


「はぁ? 何言いてぇんだかわかんねぇんだけど」


「叩くのがね、気持ちよかったの」


 赤みを帯びた真剣な表情をする事で、元々鋭い目つきが強調されながら言った。アイナの言葉で、皆絶句して会話が止まった。


「エルバート、どういう事だ。何故いきなり会話が止まった」


 アラステアは、現状が分かっていない様だ。だが、余り変な掘り出し方したらアイナが傷つくだろうしな。


「分からん。だが、冒険が楽しかったのだろう。きっと魔物を倒した時の爽快感の事を言って居るんだと思う」


 と、無難な回答を選び、俺は無表情でアラステアに伝えた。


「そうか、ならば何の問題も無いでは無いか。エレクトラよ、私も共に稽古をつけてくれ」


 アラステアは、中々良い動きをしていたエレクトラに師事を願った。確かに有意義かも知れないな。エレクトラの方が魔物との実戦を想定してるし。まあ、アラステアの方が、剣筋や動きが洗練はされているんだけど、試合向けの完全対人仕様なんだよな。このままだと同格とか格上だと多少苦戦しそうだ。


「んあ? 待て待て、王子様は剣術学んでるんだろ? こっちに教えろよ。いや、下さい」


 エレクトラは丁寧な喋り方が分からず、不味いと言う表情を浮かべて言い直した。


「何故いきなり他人行儀になるのだ。口調を変える必要は無い」


「へ、へへ、そっか……分かった。今日も止まって行くだろ? 私の部屋で寝ていいぞ?」


 アラステアに、そう言われた事で、嬉しそうに笑みを浮かべてまた、話しながら顔を真っ赤にしていった。


「む? そうだな、まだ後一日あるしな。だが、寝る場所は昨日と同じで良い」


「じゃあ、今日は豪華な夕飯にしなきゃね。ちょっと買い物してくる」


 アイナがそう言って立ち上がり、出て行こうとしていたので、俺達もお暇しようと、声を掛けた。


「じゃあ、俺達もそろそろ帰るか」


「だねっ」「お邪魔よね」


 と、三人で立ち上がると、アラステアが口を開く。


「エルバート、俺を一度父さまの所に送ってくれないか? 時間を貰う申し立てに行きたいのだ」


「あ~、分かった。じゃあ転移で送るわ。何時間後に迎えに行けばいい?」


「助かる。話だけなら1時間もあれば十分だろう。いや、来客の可能性もあるか、一応3時間後で頼む」


「分かった。じゃあ後でな、テレポート。テレポート」




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