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魔法使いが魔法使いになりたくて異世界転生をする(英雄の生まれ変わり)  作者: オレオ


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全財産を投げ出して。


 この日、俺は朝からとても広い部屋の20人は座れるであろう、食卓にて、朝食を取りながら、妹に事情聴取を受けていた。


「お兄、結局昨日は何で学校なんて行って来たのよ」


「それはだな、キャロルを守る為にだな」


 そう、俺は俺の従者を守る為に久々に学校なんて所に行って来た。


「なぁ~に~? 私も聞きたいよぅ。何があったのぉ?」


「簡潔に言うとだな、貴族の息子が権力振りかざしてキャロルを自分の奴隷にしようとしていた。かな」


 俺がミラに向かって大まかな説明をすると、アイリが立ち上がった。


「何それ、そんなの許せない。私も行くよ」


「大丈夫、もう終わったから。後はあの阿呆の親に軽く釘を刺しに行って置けば問題無いよ」


 そうすれば、もう彼はこれ以上何も出来ないだろう。それよりも聞いて欲しい事があるのだ。


「そんな事より、凄いぞ。キャロルはな、テレポートが出来る様になってたんだ」


 まだ、彼女達が学校に通うようになって数週間、とても凄い事だと思うんだ。そうだ、チェルシーの様子も見に行かないとな。成果はまあ良いとしても、楽しくやれているかが問題だ。


「す、すごいわね。転移魔法ってもうそれだけで高給取り確定じゃない。エルの周りって凄い人しかいないのね」


 ケイが、少し目を丸くしながら言った。 


「そんな事はありませんよ、私みたいのも居ますから」


「ローズは、考える方専門なんだろ? 凄いって言ってたぞ」


 ローズにエティが言葉を返す。


「だな、エティは分かってるな。俺のローズは凄いんだ」


 と、エミールが胸を張り、ローズを讃えているが、ローズは逆に委縮してしまっている様だ。これはこれで可哀そうだな、と俺はいつもの様にフォローに入る。


「まあ、俺達は脳筋だからなぁ。まあ、だからと言って頼り過ぎるなよ。ローズだって何でも出来る訳じゃ無い。ちなみに俺の魔法だって何でも出来る訳じゃ無い。そっちの方もよろしく」


「ローズの件は分かるけど、お兄の方はダメね」


 と、ジェニの一言で各々苦笑しているか楽しそうに笑っているが満場一致でジェニに同意した。あれ、ローズまでそっち側なの?


「はぁ、まあこれからは領主だもんな。頑張るけどさ……」


 俺は、疲れた目をして不安を示すと。


「エル、大丈夫だ。気にすんな。正しい事をしてんなら問題ない。それでも突っかかってくる奴はぶっ飛ばせばいい」

 

 エティは珍しく真剣な目をして、励ましてくれた。


「はぁ、ダメに決まってるじゃない。そんな事をしたら頭が可笑しい奴は、生きている限り逆恨みで弱い所に攻撃してくるのよ。だからと言ってちょっとの事で殺したら、こっちが悪者になるの。分かってる?」


 ケイは、これから先を懸念して、エティにそれはダメだと告げる。


「じゃあ、教育して上げれば大丈夫じゃないかなぁ。エルが得意な奴」


 ミラがケイの意図を読めずに方向性を変える。


「あ、それ面白そうだな、それどうやるんだ?」


「あ~それはだな。まず、エルの奴はアイアンクローから入る。その次に得意なのが蹴りだな」


「アイアンクロー……私は何度やられたかもう覚えてないよぉ……」


「あ~私もやられたわ。この前……あれは色々堪えるよな」


「だよなぁ。まあ、結局考えると悪いのは自分なんだけどよ」


「にしてもあれだよね。エルは心配性すぎ」


「そうだよなぁ、もっとドーンと構えてりゃいいのによ」


 と、エミール、ミラ、エティが会話をする度に方向性が変わって行った。それを傍目に見ていたケイとアイリは溜息をついていた。そして、朝食が終わり、話が落ち着いた頃に俺は、全員に告げる。


「今日から、俺は本格的に村の為に動こうと思う。お前達にも本格的に手を貸して欲しいと思う。問題無いか?」


 言葉を止めて全員を見渡す、誰も異論が無い様なので俺は食卓に懐から財布を出し、中身の金貨を覗かせ、積み上げる。


「まず、ローズ、エミール、ミラ。お前達三人でうちの村に料理人を呼び込んで欲しい。この金貨20枚で最低一年以上だ」


「あ、ご主人様? それはいつまでに?」


「期限は定めない。見つかるかどうかは運もあるだろう。余りに変なのを呼んでもしょうがないからな。そこら辺はローズの感性に任せる。このパーティのリーダーはお前だ。よろしく頼む」


「分かりました。出来る限り当たってみます」


 よし、ローズのチームはこれで大丈夫だろう。正直二人はおまけだ。いや、まあ味にうるさいから試食係か?



「次にアイリとエティだ。二人には鍛冶屋を探して欲しい。もちろんこの村に来てくれる奴だ。ここにも金貨20枚を当てる」


 俺は金貨20枚を積み上げなら告げる。


「鍛冶屋かぁ。んでこっちのリーダーは誰なんだ?」


「エティだ、物怖じしないお前なら堅物が多そうな鍛冶屋でも大丈夫だろう」


 アイリはきょとんとした表情で聞いている。が、良かった、エティは乗り気の様だ。まあ、問題はこの次だな。



「そしてジェニとケイ、二人にはこれだ」


 俺は財布の中にあった。金貨200枚近くをガシャンと出した。


「お兄……何する気なの?」


「住んでくれる村人の確保だ。奴隷商人を回り故障と称される五体満足じゃない奴隷を最安値で買いたたいて来い。種族は問わない、買えるだけだ」


「ねぇ、なんで私なの? 私は奴隷を買う事に不快感は消えないと言ってあったはずだけど」


「俺は奴隷では無く。村人を呼ぶと言ってるんだぞ。引き取って村で俺が治療する。そこからここに居着くかはその者に選ばせる。何か問題あるか?」


 俺の言葉にアイリは目を輝かせ、口を開いた。


「私、私がやりたい! ケイが乗り気じゃ無いなら良いよね?」


「いや、ダメだ。アイリは人の値段に対して値下げ交渉なんて出来ないだろ? 向き不向きがある。ケイとジェニは交渉能力が高いからな。少しでも多くの人材確保の為には必要だから俺が名指しで指名してるんだ。分かって欲しい。アイリとエティは武器の目利きが出来る。だからそっちの方で頼みたい」


 俺が、説明をすると、二人とも乗り気では無いが了承した。だが、ジェニがまだ何か言いたそうだ。


「お兄はここを町にする気なの?」


 ジェニは少し、圧倒されたような顔で、訊ねた。


「え? ああ、そうだな。もっと大きくしたいとも思うが」


 そう、大きくしてセキュリティーをしっかりさせたい。今のまま無理やりやっても継続維持が難しいし。


「もっとって……まさか国?」


 そんな訳無いだろ。何故若干嬉しそうな顔してるんだ。皆絶句してるじゃ無いか。


「はぁ、馬鹿な事言うなよ。都市とかそう言う意味だよ。間違ってもそんな事外で言うなよ」


「そ、そうよね。分かった。隷属権はどっちが貰えばいいの?」


「そうだな、メンタルが強そうな方……まあ、ケイだろうな」


 俺がそう言った瞬間全員が目を見開いた。エミールとミラは思いっきり首を傾げてる。怒られるぞ?


「……良いわ、お兄私がやる。もう怒った」


「待て待て、俺はお前の事は一番知ってる。無理してるだろ?」


「そうね、無理する事になるかもしれない。でもこんな顔されて引けないわ。いいわよ。後で泣くから」


 はぁ、もう泣きそうじゃ無いか……大変だけど俺がやるか。


「はぁ、俺も行くよ。本来押し付けていい仕事じゃない気もするしな。それで解決だ」


「待って、エルは元々何をするつもりだったの? それ次第で私がやっても良いわ」


 ケイがそう言って俺の予定を尋ねて来た。


「俺は、国王陛下に時期国王と姉さんのレベリングを頼まれててな。今日すぐにって話でも無いから大丈夫だ」


「次期国王か、うん、それ良いわね。そっちを優先して頂戴。それが広まれば面倒吹っかけてくる貴族は激減するはずよ」


 ケイは少し思考した後、自分が隷属権を受ける事に決めた様だ。


「なぁ、何でわざわざ金使って人呼ぶんだ? もったいねー感が強いんだけど。出てっていいとか言ってるし」


 と、エミールが最もな疑問を投げかけて来た。


「それはだな、人が集まると自然と過ごし易くなるからだ。過ごし易い場所には人が集まる。人が多ければ店を出して儲かる確率が高いから店も増える、店が増えれば噂になって遊びに来るものも出てくる。防衛に関しても同じことが起こる。まあ、同時に問題も爆発的に増えるだろうけどな。安全度は各段に上がる。まあ、回す金をどう引っ張ってくるかもきっかけが必要なんだけどな」


「ん? んん? つーとだ。結局はエルが儲かるって事か?」


「あ~、俺は儲けるつもりは無いよ。そのつもりで進めて行くつもりだ。これからは狩りでの儲けもガンガン突っ込む。まあ、すべてが上手く行けば自然と金持ちにはなるだろうけど」


 俺は今後の方針を皆に聞かせる様にエミールに説明していく。


「ご主人様、その考えは英雄の知識故にですか?」


「いや、英雄は関係ないぞ? 異世界の知識は混じってるかも知れないが」


 うーん、やっぱりその英雄っての止めて欲しいな。許せないからと、目につくものすべてを殺しつくそうとしたあの時の事を褒めそやされるのは苦しい物がある。まあ敵国の中ではあったけど。


「と言う訳で、今後の方針が決定した。ロルさん達を交えてもう一度会議した後、行動開始しようと思う。ここまでで質問はあるか?」


「ええと、ご主人様、食材の方はどうされますか? まだ、この村の収穫は先に思えますが」


「ああ、そうだった。とりあえずはこの屋敷のコックとして雇うか。村人からも雇い入れて最終的に全員分賄える様にしよう。まだ、個別の店で稼働させるほどの場所じゃ無いからな」


「はい、では、その様に」


「じゃあ私も、女の子はね、お洋服も大切なんだよ? だからそっちもね? 余裕が出来たらでいいけど」


 と、アイリが提案して来た。


「なるほど、それはそうだな。あ~そっか。鍛冶屋よりそっちの方が優先か? 戦闘系統は俺達が賄えるんだし」


 俺がアイリの意見に真剣に悩みだすとケイがその思考を遮る。


「そんな事無いわよ。アイリの意見も最もだけど、まずは生命維持であってるわ。防衛施設が後回しなのが気になる所だけど」


「いや、防衛施設って最初は防壁と見張り台だろ?規模を決めないといけないって思ってな」


「……理にかなってるんだけど、普通は少しづつ大きくしていくものなのよ?」


「ああ、分かってる。けど、その間に起こる命に係わる問題って奴を省略したいから、すっ飛ばす」


「えへへ、なんか楽しいね。秘密基地に色々物を持ち込んだ時みたい」


 と、ミラはいつもの様に笑いながら言った。エミールも感慨深そうに口元を緩めながら考えて居る。


「ああ、そうか。そうだよな。そっか、あの感覚か……道理で投げ出したいくらい面倒なのに、俺は止める気にならない訳だ。俺は、楽しかったんだな」


「えへへ、エル、頑張ろうねっ」


「ああ、やるからには全力だ。ふふふ、やってやる」


 と、悪い顔して楽しもうと思っていると、ミラ以外の皆に程々にね? と諭された。何でだ? まあ、それはさておき全員分の今日明日位の予定は余裕で埋まっただろう。俺達はそれからロルさんと話を詰めた。そして皆を転移で王都に送り、俺は、姉さんと合流して、姉さんの本当の弟の所に向かう事になった。


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