国への報告。
明らかに前作の続編としか見れなくなってしまいました。ので、タイトル変更しました。
続編と言う事で、前作の魔法使いが魔法使いになりたくて異世界転生をするに(英雄の生まれ変わり)を付けました。
「俺は、公爵領の一角で領主代理をしているエルバートだ。国王陛下に受けた命の報告に来た。目通り願おう」
俺はステータスの名前をオープンにして門番の彼に見せた。
「了解しました。来たら通す様にと命じられております。こちらへどうぞ」
そんなやり取りをしてから、謁見の間に通された。そこにはちゃんと話を通した後だからか、国王と近衛だけでなく、文官ぽい雰囲気を持った中年から老人位の年代の男達もいた。俺は全員に聞かせても良いか分からずに、表向きの報告をしようとした。だが、その報告は途中で遮られた。
「ハッ、馬鹿を言うな貴様らのような小僧が伯爵の持つ精鋭800の兵を全滅させただと? 陛下に嘘の報告をする気か、無礼者が! まったく、最近の陛下は色々と御いたわしい事になっていると言うのに……」
と、老人は俺を無礼者としかりつけた後、ぶつぶつと嘆きだした。それをハッとした表情で見ていた国王陛下は。
「ふはは、小僧……小僧よの? エルバート?」
と、俺を見つめてそう言った。
「いや、国王陛下? 確かに年齢的に小僧ですが、どうしてそんなに嬉しそうなので?」
「へ……陛下?」
俺は、小馬鹿にした様に笑う陛下を、笑顔で見上げながらも引きつりながら問うと、先ほどぶつぶつと言っていた老人は困惑した様な表情を浮かべながら口を開いた。
「ふはは、怒るでない。では、エルバートよ。この者達に力を示せ」
はぁ。勝手だなぁ……まあ仕方が無いか。
「えーと、レベルの表示で良いですか? それ以外だと俺捕まっちゃいますよね?」
「よい、許す。実際に見る方がいいじゃろう。近衛よ、エルバートを全力を持って攻撃せよ。叩きのめしても構わん」
「ちょ、陛下!?」
と、そんな俺の抗議の声が響く最中、近衛兵は既に動き出しており、止めるのは無理だと諦めた。だが、いくら何でも叩きのめせはひどいと思う。そう思った俺は、ちょっと怒っていると意思表示も込めて、容赦なく叩きのめそうと決めた。
相手は5人、確かレベルは200手前辺りだったと思う。これならばリミットオーバーも必要ないな、などと考えて居ると先頭の一人が横なぎに剣を振るった。それを後方に避け、振りぬいた瞬間に間合いを詰め胸元に掌底をかました。
「がっ、ぐはっ……」
先陣を切った男は血を吐きながら前のめりに倒れた。それを見た残りの近衛たちは四方に散り間合いを合わせる様に詰めて、一斉に攻めた。
一人は上段からの振り下ろし、一人は横なぎに振るい、一人は突き、もう一人は突きの姿勢を保ったまま動くのを今か今かと構えている。
「流石、近衛兵ですね」
と、あまりの息ピッタリな連携に一言呟いた後、俺は、上段から振り下ろされた剣を交わしながら近づき、突きを交わし、上段から振るわれた剣を、横なぎに振るわれた剣に当たる様に仕向け、後から突きを放ってきた剣を手刀ではじいた。即座に距離を取ろうとする彼らをに最初の一人と同じように掌底をくれて全員仲良く這いつくばった。
「これで、ご満足いただけましたか?」
俺はちょっと不快感を示す顔をして、陛下に告げた。
「そう怒るで無いわ。お主が今まで転移で来た弊害じゃったと思って置け」
そう、国王陛下に言われて、思い出した。本来ならば陛下の周りの者にもちゃんと顔を合わせ、その中で話を進めて行くはずが、俺は今まで転移出来て要件が終わったら転移で出て行っていた。その事により、起こった弊害だったと言う事実を。
「す、すみませんでした」
俺が謝っていると、近衛の兵士たちが血を吐きながらも立ち上がろうとしていた。
「よい、無理するでない。エルバートよ、頼めるか?」
「はい、ヒーリングフィールド」
俺が魔法を唱えると、指定された範囲からヒーリング時に起こる光が地から立ち上り。彼らを一瞬で癒した。近衛兵たちは目を軽く見開いた後、軽く一礼して、口も開かずに定位置へと戻った。プロだな。
「なんじゃ、フルヒーリングじゃないのか?」
「あれは魔力消費がはげしいんですよ。これでも十分完治するはずです」
そう、屋敷の移動で相当な魔力を使ってしまったから全員分だとちょっと足りないのだ。
「な、これは……範囲のハイヒーリングだと……へ、陛下?」
「ようやくじゃ、今こそ言わせて貰おう。わしはぼけてなぞいない。今までわしが言った事を思い出すといい。ルクレーシャと言いお主らと言い、ふざけおってからに」
「そ、そんな事は申しておりませぬ。ですが、これは本当に……」
「あのう、お話がまとまった所で、報告をしたいのですが」
そんなやり取りをして、ようやく俺は勅命を受けた後の行動を報告した。最後の部分は彼に逃げられたとしか告げていないが。
「なるほどの。で、どうするのじゃ? まだ追う気か?」
「その件につきましては、一先ず国王陛下にだけお伝えしたい事がございます」
俺が、真剣な目つきで告げると、国王陛下は間も開けずに答えた。
「よい、ここに居る者には、隠し事をするつもりは無いでな」
「分かりました。では申し上げます。グラディスを一度捕らえ、逃がしました」
「「「「なっ!!」」」」
俺の言葉に、今まで沈黙を貫いてきた者達まで、驚きをあらわにした。
「ほう、勅命はそれほど軽いものでは無い。納得出来る内容があるんじゃろうな?」
俺は、その言葉に軽く頷き、彼から聞いた内容を、一字一句違えずに告げた。
「以上の情報を得た事によりまして、泳がせ情報を得る事の方が大切だと判断しました。後の事はお国にすべてお任せしようかと考えております」
と、報告を終えると、先ほどまで、沈黙を貫いていると思わせていた者達が明らかに表情を崩し、思考に耽っていた。そして、陛下が顎鬚を弄りながら口を開く。
「ふむ、自ら討つのを諦めると?」
え? ああ、そっち?
「そりゃ、俺の我儘でこんな重要な情報をつぶす訳には行かないでしょう? 俺だって今はこの国の民なのですから」
と言うのは、半分建前で、俺は早く村をどうにかしたいの。魔王どころか魔物が押し寄せるだけでも危ないんだから……だからあとはお願いね? などと考えて居ると。
「うむ、大儀であった。おって褒美を取らせる事とする」
と、国王陛下が告げた。
「ありがたき幸せでございます」
俺も、頭を下げて、話を終わらせようとすると。
「お、お待ちください。今の言葉を確認もせずに信じるのですか?」
と、先ほど無礼者と言って来た老人が口を開く。
「ワイアットよ、お主の言い分も分かる。だが、確認はこれからすれば良い。まあ、こやつはこういう事で嘘はつかぬがな」
「そう、ですな。出過ぎた事を申しました」
「ああ、それとな、エルバートよ。褒美は半分決めてある。お主をお主の村の正式な領主とする。区画と爵位はこれから決めるがな。今までの働きに見合うものとするつもりじゃ。もちろん断ったりはせぬよな?」
「も・ち・ろ・ん・で・す・よ」
俺は、面倒事にしかならない褒美にしかめっつらをしながら、言葉を返した。
「ふはは、これで、これで……アルフの悔しそうな顔が目に浮かぶわい。」
あれ? そこなの? まったくこの人達は……まあいいや、話が砕けた所で聞きたい事をぶつけてみるか。
「陛下、前々から疑問に思っていた事があるのですが、いい機会なのでお聞きしてもよろしいでしょうか?出来れば内密に」
「何がいい機会じゃ、いつでも聞けただろうに。まあ、良いじゃろう。近衛以外は下がって良い。聞きたければ後で教えてやるでな」
陛下は愚痴りながらも、人払いをしてくれた。
「いつまで姉さんをあんな宙ぶらりんにさせておくおつもりでしょうか? 公爵を任せられる人なんてこの国になら居るでしょうに」
そう、この国は愛国心にあふれるものも多々居るはずなのだ。ミルフォード程では無いにしても。
「その件か。継ぎたいのか?」
陛下は試すような視線を向けて、尋ねた。だが、そんなつもりはさらさらない。
「ご冗談を。俺は、姉さんが可哀そうだと思うだけです。あの方にはもっと自由に生きて欲しい。そう願っております」
「恩人だと言って居ったな」
「それだけではありませんよ。良くして頂きました。まるで家族の様に」
「うーむ、じゃがのう……して、ルディとの関係はどうじゃ?」
はぁ?なんで話がそっちに行くんだ? まあ、姉さんの話ではあるけど……と、若干納得がいかないが、素直に答えた。
「未だに、友好的な関係であるとだけ。お互い意識はしておりますが。ルディはミルフォードでもお互いに意識している相手がおりますので」
「ぬう、どうにかならんか?」
「いや、当人同士にやらせるのが良いって話になったじゃないですか?」
「だがのぅ……」
これは、事情がありそうだな。まあ、当然か。
「あのう、真意を聞かせては頂けませんか?」
俺は国王陛下に、真剣に尋ねた。
「……あの子がやんちゃな事は知っておるな?」
しぶしぶだが、答えてくれそうな言葉を返して貰ったのは良いが、姉さんがやんちゃ?
「やんちゃ……ですか?」
うーん、確かに無防備だなぁと感じる事はあるが、やんちゃと言う感じでは……
「そうか、気が付いておらぬか。ルーちゃんは昔から城を抜けだしては危ない目に会って居っての」
ル・・・ルーちゃん! 今度呼んでみよう。
「それは子供の頃の話では?」
俺は、にやけそうな表情を必死に引き締め、昔の話では?と尋ねた。
「そうならば良いのだが。お主と出会った時の事。後から聞いて肝を冷やしたわい。折角仕事で縛り付けたと言うのに。勝手に人族の国へと向かいおって。今のお主ならそれがどれだけ危険かわかるじゃろ?」
ああ、そうだ。めっちゃ危険だ。まあ、ブルータスさんが居るからさほどではないにしても……それを差し引いても結構危険だろう。そこにローズも連れていた。危機意識が全くない。
「……納得しました。ええ、今からでも問い詰めに行きたい位に」
「だからわしは仕事で縛り付けておるのじゃ。元々騎士じゃったブルータスも、公爵にすると同時に護衛に変えそのまま付けた。じゃが、主の言う通り、このままではいかん事も承知しておる」
「なるほど、俺が浅はかでした」
そうか、やっぱり色々考えた末の苦渋の決断だったのか。
「わしはルディとくっつけば自由にしても安全じゃと思って居る。まあ、お主でも良いがな」
「では、取り合えず、仕事を代理でやれるものをよこしてあげて下さい。このままじゃルディと友好を深める事すら出来ませんので」
そう、姉さんには時間が無いのだ。いつ尋ねても仕事をしてない時が無い。俺のせいで睡眠時間すら削ってたりしてそうだ。
「間違っても危険な事はさせぬよな?」
「ええ。その前に姉さんは今200レベル超えているので、早々危険は無いでしょうけど」
「なん……じゃと……」
ああ、そうだった。これも教える約束だったな。と、俺は思い出して、その理由、レベリングマシーンの事を教えた。
「なるほど、主のレベルとイメージ魔法、魔力感知、転移術式の特殊な使い方が出来て初めて活用できるわけじゃな」
「ええ、だから俺にしか出来ないと」
「だが、お主が居れば、他の者は上げられる」
陛下はにやりとこちらを見た。……言いたい事は分かってる。
「あ~……はい。三国のバランスを異常に崩す事をする気はありませんが。多少なら」
「良い答えじゃ。わしもそこまで面倒を掛けるつもりは無い。そうじゃな、ルーちゃんをこのまま上げよ。思ったままに生きれるように。それと、次期国王に添える予定のわしの息子も頼む。このままじゃアルテミシアに委縮してしまうでの」
「その二人限定ならば、お引き受けいたしましょう。ですが、技術が身に着かない以上、相当格下の相手にしか勝てませんよ。過信ししてしまう様なら返って危険かもしれません」
「ふっ、わしの子はそんなに不出来ではないわ」
「まあ、姉さんを見る限りではそうですね。失礼しました」
その後しばらく雑談をしてから、俺は、村へと戻った。
最近、色々な方の小説を拝見させて貰って、不足をさらに痛感しました。
勉強と称した読み漁り(楽しい)をしています。投稿不定期になる可能性があります。(´・ω・`)




