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魔法使いが魔法使いになりたくて異世界転生をする(英雄の生まれ変わり)  作者: オレオ


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あれ?お前まだ居たの?


 俺達は、村に戻って早々、質問攻めにあっていた。


「おい、エル、あれ! なんだ? 敵か?」


 エティは屋敷を指差してそう言った。だが、建物が敵になるほどファンタジーな世界では無い。と思う。


「ねぇ、エル、いきなりお城が出て来たんだけど……」


 アイリは、困惑している様だ。だが、あれは一応お屋敷だと思うよ。


「きっと、私の為にエルが用意してくれたんだよぅ」


 ああ、ミラ。そうだったらいいな。


「ミラさん冗談を言ってる場合では……ご主人様、何かご存知ですか?」


 ローズは、真剣な表情で尋ねて来た。


「なあ、エル、中見て来て良いか?」


 エミールは、ワクワクした目をしている。


「ああ、落ち着け。取り合えずグラディスの屋敷に行って、兵士たちに勅命だと告げたんだが、囲まれてな、数が多かったから全員お空に飛ばしたんだが、時間かけ過ぎたからグラディスには逃げられてな」


「エル? 確認してないでしょ?」


 いや、流石に転移でこっち来ちゃったしな、あの馬鹿でかい屋敷の中にいたならば可能性はあるが……


「あ、じゃあ……えっと、あの屋敷の中にいるかもしれないから確認しよ?」


 そう言葉を返すと、ジェニとケイに呆れた目で見られた。


「忘れてたのね」


 失礼な、逃げる手立てがあったならもう間に合わない、手立てが無かったならゆっくり確認しても間に合う、そんな計算があったからだ……


「いや、多分逃げてるだろ? 流石に……」


「まあ、それには同意するけど。まあそれを遮って話を変えたの私だしね」


「まあ、何にせよさっさと終わらせたいし、俺が行くよ。魔力感知が物凄く鈍い感じだったしな。大規模魔法発動後でようやく程度にしか感知できなかったし、まだ仕掛けがあるかも知れないからな」


 俺はそう言って、反応を待たずに移動した。そして、屋敷に入った。そして、俺は思わず声を上げていた。


「こりゃ凄い、姉さんの所よりさらに凄いな……」


 俺は、屋敷に入った地点で立ち止まり辺りを見回していた。そこには一面に広い空間が広がっており、中央には大きな階段が、そして道筋を示す様に、綺麗な赤い絨毯が敷かれていた。上を見上げればガラス細工をあしらった、辺りを照らす為の魔道具、壁には日の光をひれる大きな窓、これぞまさしくと言った感じのお城の中の様な光景だった。


 俺はその中を、まっすぐ進みながら、魔力感知を発動させた。やっぱり反応がない。なので俺は警戒しながら奥に進み、二階にある外を見回せる石造りの大きなテラスがある部屋を目指した。そして、との戸に手を掛け、開きながら独り言を呟いた。


「ここかなっと。」


 と、周囲を見回すと、グラディスの奴隷が武器を構えていた。その奥にはグラディスが腰を抜かした様にしりもちを付き、顔を歪めながらいそいそと後退していた。この怯えようはこのテラスからさっきの戦闘を見ていたのだな。と、考えつつ、壁に彼の背が付いた所で俺は彼に声を掛けた。


「お前まだ居たんだ?」


 グラディスは恐怖と屈辱が混ざり合ったような顔でこちらを睨み、ようやく口を開いた。


「貴様、こんな事をしてタダで済むと思ってるのか」


「逆に問う。お前、ルクレーシャ様にあんな事をしてタダで済むと思っていたのか?」


 そう、溺愛された王の娘を拉致って調教をすると口にして、実行に移そうとしたのだ。露見すれば間違ってもタダで済むはずがない。何故そんな事をしたのか、俺はそこが疑問だった。彼が馬鹿なのは間違いないだろう。だが、貴族として、成人するまで育ってきたらその位の知識はあるはずだろうに。


「当たり前だ。私は……私は、魔王様の側近だぞ。私に手を出せばどうなるか分かっているのだろうな」


 ……魔王か、要するに魔王を信仰する反政府組織ってやつのバックに居たのがこいつだったと言う事か? 取り合えず情報を引き出そうと俺は知っているていで話を進めた。


「なるほどな。過激派をトップに仕立てて戦力増強してたのはお前だったのか」


「貴様……どこまで知っている」


 グラディスは少し落ち着きを取り戻したのか、しりもちを付きながらも真顔になり、言葉を返した。


「いや、ここまでだよ?後はお前の命と引き換えに相応の情報を喋って貰おうかな」


「ふははは、良いだろう。だが、それは私を逃がした後だ。一時的に勝利の余韻に浸るといい」


 グラディスは何事も無かったかのように立ち上がり、勝ち誇った様な笑みを浮かべた。いや~ある意味メンタル強いなこいつ。


「お前、何か勘違いしてないか? お前は逃げる手立てが無い。俺はお前を殺す理由がある。その事実は覆っていないよ?」


 当然、俺はこいつを許したりはしない。だが、それ以上にこの情報が重い可能性もある。


「なっ、貴様情報を出せば逃がすと言ったでは無いか」


 いやぁ、本当に頭が悪い。都合の良いように変換されてるのか?何故情報を出せば逃がすと思っていて逃がした後だと言う言葉が出てくるのか……そもそも逃がしてやると言って無い。


「そんな事は言っていない。お前の出す情報が俺の納得するものであったなら、命を取る事を見逃してやってもいい。と、提案しただけだ。話さないなら殺す。取引が納得いかないのなら黙って居ればいい」


「ぐっ……わ、分かった。ま……魔王様はもう復活なさっている。今の居場所までは知らない。だが、着々と計画が進んでいると聞いている」


 マジで居たのか、魔王って……計画と言うのはクーデターか? それとも世界征服とか?


「……計画とはなんだ?」


 俺は、ため息を吐きたい気持ちを堪えながら、続きを促した。


「魔族の復活だ。誇りを取り戻す為の」


 いや、お前魔族だろ?


「意味が分からないな。相当死にたいと見える」


「う、嘘ではない! 魔人族では無く、本当の魔族としての復活。その為の計画だ」


 ふむ。おとぎ話が本当だと仮定すると、女神がこの地に介入する前に戻したいと言う事か。獣人は元より獣だった。そして魔法の国の人間、つまりは魔人族は魔族。それは人とは異なる存在だったと伝えられている。


「それを仮に取り戻したいのだとしても、外でやれよ外で……ふざけやがって」


 俺は、こいつらのやりたい事を把握した。そのこと自体は別にどうでもいいと感じ、巻き込まれた事に憤りを感じた。


「分かった。もう貴様らの民は巻き込まない。贄は他で用意する。情報はちゃんと差し出した。もういいだろう?」


 あ~そうなるのか。生贄が必要なのね。まあ、これ以上は取り合えず俺には関係無いか。と、俺はこれ以上の情報取得を止めて、彼に告げる。


「分かった。後二つ、こちらの要望を聞いて貰おう」


「なっ、貴様話が違うぞ!」


 グラディスはその言葉にはじかれた様に、表情を変え怒った。まあ、確かにそうだな。最初から条件に乗せて置けば良かったな。


「まず聞け、交換条件だ。まずはお前の持つ奴隷の解放、それと、魔力感知が効かないのは面倒だからな。それの解き方を教えろ。そうすれば、ここから逃がす事も追加条件に入れてやる」


 そう、この屋敷を貰うとしても、魔力感知が出来なければ使えない。それと同時にここに居る奴隷の二人、だけでなくこの屋敷内部には沢山いるだろう。グラディスの奴隷のままでは放置も出来ないし殺す訳にもいかない。だからこれは聞いて貰わなければならない。


「ふざけるな、奴隷を解放したら私が襲われる事になる。取引の前提が覆る事をやる訳がないだろう!!」


「分かった。では隷属権を譲れ。一週間は隷属を解かないと約束する。ああ、約束が信じられないとか言い出すなよ? ちゃんと守るし。俺はお前を殺した方が早いんだからな」


「良いだろう。約束を守ると言う言葉忘れるなよ」


 顔を青ざめ、かすかに震えながらも上から目線は忘れないんだな。ここまでくるとイラッとも来ないな。それから、グラディスは、同室に居る奴隷二人に屋敷内部に居る奴隷を集めろ、と告げた。彼らは命令道理に他の奴隷を連れて来た。


 そして、何故か魔力感知が正常に出来るようになり、しばらくすると、命令を受けた二人の奴隷が戻り、その後ろには、連れてこられた奴隷は20名ほど、4人は男だけ、他は全員見た目の良い女性だった。おそらくは彼女達が、妨害魔法を展開させていたのだろう。


 グラディスは戸棚から魔法陣の書かれた布を取り出して、彼女達に掛けてある、隷属魔法の魔法陣から半分だけ魔力を抜き取った。そして、こちらを見て『準備が出来た、魔力を送れ』と、告げて来た。


 俺は一人一人に魔力を送り、それが終わるとグラディスは魔法陣から完全に魔力を抜き取り、再度口を開く。


「これで、譲渡は完了した。妨害術式の事はこいつらに聞けば良い。約束を守って貰おう」


 彼は、額に汗を浮かべながら、尋ねた。


「ああ、そうだな。まあ、こっちとしてはうち漏らした事にさせて貰うが」


 俺が、約束を違えるつもりは無さそうな言葉を返すと。


「ふん、私の知った事では無いな」


 と、彼は、ため息と同時に安堵の表情を浮かべながらも、偉そうに言葉を返した。


「あっそう、まあ譲渡の礼として取り合えずこの屋敷のあった場所に飛ばしてやるよ」


 俺は、そう言いながらテラスへと続く戸を開けて外を指差した。彼はひたすら絶句していた、転移した事に気が付いていなかったのであろう。なので、お構いなしにグラディス伯爵領の屋敷があった場所へと転移で飛ばした。


「面倒事が多くなってきちゃったなぁ」


 そう、呟きながらも外で待つ彼女達に国王陛下に報告してくる。と、一声掛けてから、首都マイヤーの王宮へと繋ぐ門前に転移した。そして俺は門番に告げた。



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