恩人
出て行って一時間も経たずに、ケイは知らない女性を連れて戻ってきた。二十代前半位だろうか? 火傷の跡以外は、これと言って目立った特徴も無い。普通の町の女性と言う感じだろうか?
「早速で悪いけど、お願い」
何をどうして欲しいのかはすぐに分かった。とてもひどい火傷の跡が顔の目立つ所に残っている。これは可哀そうだ。
「あ~、分かった。けど、秘密にして貰えるんだよな?」
俺は、危険な事には最初からならない方が良い。と、念の為そう聞いた。
「ケイ? 何を秘密にすればいいの?」
あれ? 何も聞いてなかったのか? だけど、火傷の跡が消えたら想像はついてしまうだろう。
「ええと、今から唱える魔法を秘密にして頂きたいのですが」
俺は、口約束だけでも。と、今度は本人の彼女に聞いた。
「良く分かりませんが、内緒の事だと言うのなら黙って居ましょう」
そう言ってくれたので、早速俺は魔法を唱えた。
「フルヒーリング」
俺はいつも通り、そのまま倒れた。
「え? ええ? 何が起きたの?! この光は……」
「良かった。先生、はいっ鏡」
そんな喜ぶケイを見ながら俺は、このまま倒れたら頭打たないだろうか、とか考えながら意識を失った。
「エル、また寝てる。いっつも寝てばかりなんだから。もう体は治ってるんだし起きなよぉ、逆に体に悪いんだからね」
俺は、そんな天使のさえずりの様な声を聴きながら、目を覚ました。
「アイリが、添い寝してくれたら起きるかも」
……何を言っているんだ俺っ!寝ぼけているにも程が……でも返答も気になる……
「何それっ! 私が近くで寝たら嫌だって事!?」
あれ? 予想外の方に転がった。怒って居らっしゃる。
「ち、違う! そんなご褒美をくれたら。眠いけど頑張って起きると……いや、怒られてもう目が覚めた。ごめん、寝ぼけてた」
俺は、いい訳と、ごまかしと、謝罪をして、目が覚めた事を伝えた。
「むぅ、嘘っぽい。えいっ」
と、とても可愛らしい掛け声を掛けて、アイリはベットに飛び乗り、俺の隣で横になった。俺は、気が動転し過ぎたのだろうか、おかしなことを口走り始めた。
「アイリ? 俺も男であってだな。隣で寝られると興奮状態に陥ってしまうと言うかだな、辛抱たまらんのですよ!」
アイリは無表情になり、すっと起き上がり、俺から距離を取り言った。
「ええと、ごめんね?」
俺は、穴が合ったら入りたい気持ちになり。布団にくるまり、小声で失敗したと連呼した。
「ああもう、添い寝したら起きるって言ったのに。足りなかったの?」
俺は、もしかしてこの状態でまた繰り返すのか? と飛び起きて、暴走した事を謝罪した。
「変な事言って、ごめん。ちゃんと起きるから」
そして俺は起き上がると、アイリに居間に行こうと手を引かれた。小さくて柔らかい手だな、と思いながら引かれるままについて行くと、いつもの二人とさっきの女性が談笑していた。
「エル、やっと起きたよぉ」
アイリは、当たり前の様にその談笑の輪に入り、俺が起きた事を皆に伝える。そうすると、一人が立ち上がり、こっちに振り返った。
「ああ、良かった。お礼が後れてしまったわね。私の為に倒れるまで魔法をかけてくれて、本当にありがとう」
先ほど、回復魔法を掛けた女性が、深く頭をさげて、感謝の意を示した。
「いえ、ケイの役に立てたのならそれで良いんです。気にしないで下さい」
彼女に、俺を動かしたのはあくまでケイだから俺に感謝する必要は無いと伝えた。
「おぉ、エル、アイリからケイに乗り換えたのか?」
おい、エティ何故そうなる……
「え? あんた、もしかして……ダメよ、アイリに悪いわ」
待てって、マジで受け取って話を広げたりすんなよぉ……泣くぞ。
「ちょっと、何言ってるの!? 私とエルは別に……」
俺達はとても変な空気に包まれてしまった。そして、この中で唯一大人である彼女が口を開いた。
「エティ、人の善意をそう言う茶化し方してはダメよ。エティはそんな子じゃ無いでしょ。正しなさい」
そうだ、正せ、正座だ正座! と、思っていると、エティが口を開いた。
「はーい、ごめん、エル。先生を助けられるエルが羨ましくて、つい」
はぁ、しょうがない、今回だけだぞ。
「良いけど……もう止めてくれよな。俺は皆に感謝してるんだ。だからそう言われてしまうと……」
こんな形で告白何て無理だ、だから、感謝の気持ちで接していると逃げ口上をした。
「そ、そうよね。うんうん、もう、ビックリしちゃったわ」
ケイはあははと空笑いの様に笑い、アイリは何故か軽く目を伏せて押し黙った。
「アイリ? ごめん、気を悪くさせた?」
と、エティがアイリにも謝ると、アイリはようやく口を開いた。
「ええ? 何言ってるの? 別に何とも思ってないってば。もう、エルは感謝なんてする必要無いんだから。あれは私が……私達が勝手にやった事なんだから」
アイリは少し焦った様に、早口で俺に感謝する必要は無いと告げた。俺は、ケイに伝えて貰ったはずの言葉を断られたのかと思い、居ても立っても居られなくなり思わず口を開いていた。
「俺は、アイリと一緒に居たいんだ。お礼が駄目ならせめてお前たちと一緒に居させて欲しい」
俺のその言葉に、皆思い思いに絶句している様だ。エティは何言ってんだこいつと言いたげで。ケイは、少し眉間にしわを寄せた。そして、アイリは目を見開き驚いている。
「なあ、エル、お前、私のパーティ入りたいの?」
エティは、初めて聞くかのように俺に聞いた。俺はその言葉を聞いてケイに視線を向けると。
「えーと、ほら、先生の事が終わってから言おうと思ってたのよ? 忘れてた訳じゃ無いんだから」
俺の視線はだんだんとじとっとした目に変わって行き、そんな目で彼女を見つめていると。
「もう、ごめんってば、今日はちゃんとした私の手料理を食べさせてあげるからっ」
ケイが流動食じゃなく、手の込んだ奴よと言い。俺は、ため息と共に彼女をジト目で見る事を止めた。
「そっか、お料理か。ケイ、私も手伝う」
アイリは胸の前で両手をぎゅっと握り、一緒に作ると提案した。
「いや、遠慮しとくわ。エルへのお詫びにならなくなりそう……」
ケイは、手のひらを遠慮がちに前に出して、視線をそらしながら断った。アイリは悲しそうな視線をそのまま俺の方に向けた。俺は、思わず愛想笑いをしてしまった。すると…
「むう、ちょっと一人で森に行って来る」
アイリは俺に初めて不機嫌な顔を見せて、狩りに行くと、告げると同時に走って出て行ってしまった。
「あっ、おい。大丈夫なのか?」
「平気よ。ここからちょっとで行ける所なんてあそこしか無いわ」
ケイは、何一つ心配をしていない顔で、そう言った。
「まあねぇ、もう、あそこは30レベル位格下だしなぁ。アイリなら囲まれても余裕、余裕」
エティも同意見の様だ。アイリならって事はああ見えて割と強いんだろうか? アイリが戦う姿、見てみたい。
「なあ、そこはどうやって行けばいいんだ?」
俺は、誰ともなく、視線を泳がせながら聞いて見ると。
「待ちなさい。今地図を描いてあげるわ」
先生と呼ばれる女性が地図を描いてくれた。俺はそれを貰い、行って来ると告げた後、その場所まで全力疾走で走って行った。
「はぁ、はぁ、ここか。でもどうやって探そうかな」
俺は、普段着で何も考えず森に入って行った。そして、アイリはすぐに見つかった。魔力感知で人の位置を探ってみると、一人しか森に入って居なかったからだ。
すぐに声を掛けずに、俺はアイリがどうやって戦っているのかを見学しようと、茂みに隠れながらアイリの動向を伺った。アイリは木の隙間を縫って抜ける様に走り、木々の茂る場所でも難なく槍を振り回しながら叫んでいた。
「エルの馬鹿ぁ~ケイの意地悪~。もうっもうっ。知らないんだから」
いつの間にか、俺は彼女のうっぷんを貯めた筆頭に躍り出ていた事に焦りを感じ、戦闘の見学を止めて、彼女の前に声を掛けながら出て行った。
「ごめん、俺、まだアイリの事そこまで分からないから、なんて言って良いか分からなかったんだ」
俺は謝罪をしながら近づいて行くと。
「なっななな、何出来ちゃうのぉ~~!!」
アイリはズザザザと生い茂る草も気にせず、一直線に俺から距離を取った。
「心配だったんだ。皆は大丈夫だって言ったけど、どうしても気になっちゃって」
「そう、なんだ……じゃあ、エルは私の事もっと知らないとね?」
アイリは、小さな子供の様に口に指を当て、のぞき込む様に体ごと首を傾げて、語尾を上げ疑問を投げかける様に言った。俺の答えを待っている様だ。
「ああ、教えて欲しい。知りたいよ」
そんな事、ずっと思っていたよ。
「じゃ、じゃあ、私のお料理食べてくれる?」
アイリは口に当てた指を軽く噛み、うつむきながら、そう言った。
「もちろんだ。俺からお願いしたい。アイリの手料理をごちそうしてくれ」
「し、仕方ないから作ってあげる。けど、明日かな」
腹を立てているはずなのに、気遣う優しさを感じながら俺は、明日を心待ちにした。
「あれ? と言うかエル! なんでそんな恰好なの!?」
アイリは何かに気が付いたようにいきなり驚いた表情になり、俺の格好を指摘した。
「ああ、居ても立っても居られずに、即座に走って来たからな。って言うか俺の装備ってあるの?」
「もうっ、無いなら無いで大人しくしてなきゃダメじゃない! 死んじゃったらどうするのよっ! エルの馬鹿っ」
彼女は、とても真剣な表情で捲し立てた。俺の事を本気で心配してくれてるんだな。
「そう言えば、此処の森って何レベルの所なんだ?」
「ああ、もうっ、言葉が出ないよ。そんな事も分からずに一人で入って来たの!? ここは50レベルの所だよ。戦わない人にとっては大人だって入れない場所なんだからねっ」
「ああ、それなら大丈夫だな。かなりな格下だし装備もいらないだろう」
「装備もいらないって……ああ、エルはレベル高かったっけ。手加減したとはいえ、ケイの攻撃普通によけたもんね」
「いや、その事は俺は認めて無いぞ。アイリ達に手を出す奴は俺が許さん」
「ぷっ、何それ。お父さんみたい」
そう、アイリが笑いながら片目をつむりこちらに視線を投げかけている後方から、魔物が地を這いよる様に襲い掛かって来た。
「アイリ、後ろっ危ないっ」
俺はとっさに走り出し、アイリを追い越し、魔物に全力で蹴りをかました。
「えっ? はっ!? ええええええぇぇ?」
アイリは、えっ? っと振り返り、蹴り飛ばした事に驚いた。そして、蹴り飛ばされた魔物が木に激突し、潰れて絶命していた事に叫びをあげる様に驚いた。
「アイリ! 危ないだろっ! ちゃんと声を掛けたら反応してくれよ」
危ないと声を掛けても反応できなかった事を、俺は少し声を荒げて注意した。
「ご、ごめん。ってどうして蹴っただけで倒せちゃうのよ。エル、ステータス値はいくつなの? って、これは聞いちゃダメか……」
アイリは頭をかきながら聞いてしまった事を、反省している様だ。
「どうしてだ?」
俺はその行動が解せず、理由を尋ねた。
「あれ? 私の国では、本当に心を許してる者にしか見せないの、恋人でも早々見せないくらい……」
俺は、言葉を返さずにステータスをすべて開示した。
「良いの? 私が見ても……」
「そんな事聞くなよ、良いに決まってる。いつかは、アイリのステータスも見せてくれたら嬉しいな」
そう言うと、アイリは俺にそのままステータスの開示をしてくれた。
「見ても……いいのか?」
俺は、見せてくれるとは思っていなかった。だから思わず確認を取った。
「へっ、そんな事聞くなよ、良いに決まってる。」
アイリはしてやったりな顔をして、俺の真似をした様に言葉を返した。そして、俺達は同時にお互いのステータスを開いた。
「あれ? 名前……アイリーンだったのか。知らなかった……」
レベルはこの狩場を30レベル上回っていると聞いていたので、大体は分かっていたし何とも思わなかったが、俺はずっと名前がアイリだったと思っていたのでその事に驚きの声を上げた。
「え? えええ? 何このステータス……高すぎない?」
アイリは俺のステータスとにらめっこして、首を傾げていた。
「アイリよりレベルが高いんだから、そりゃ高くもなるだろ」
そう、俺は120を超えていて、アイリは84なのだ。差が出るのは当たり前だろう? と俺は言った。
「ううん、そういう問題じゃないよ。このステータス、多分普通の人の1・5倍位ありそう……それ以上かも……」
「あ~スキルで、ステータス向上とか言うの持ってるからかな」
「ええ? それって大英雄が持ってたスキルじゃない! エル凄い!!」
そう言ってくれた事が嬉しくて、俺はさらに自分の持っているスキルを教えた。
「はは、他にも、思考能力上昇とかも付いてるぞ」
「え? ……ホントに?」
アイリは目を見開き、そんな馬鹿なと言う顔をした。
「まあ、証明出来ないし、信じるかどうかはお任せするよ」
俺は証明できるスキルでは無い物だからと、そう答えた。
「エルが、本当だって言うなら……私信じるもん」
アイリは心外だと言う顔をして、小さな子供みたいに言い返した。
「ありがとう、じゃあ、戻ろうか」
そろそろ、皆が心配するかもしれない。だから戻ろうかと俺は提案した。
「うん」
その言葉を聞いた俺は、もう何も隠す事は無いしな。と、魔法を唱えた。
「テレポート」
そして、俺達は一瞬で彼女たちの家の居間に転移した。どうやらエティとケイだけの様だ。
「もう、エルには驚かされてばかりだよ……」
アイリは呆れた様にため息を付きながら、テレポートを使った事に対してそう言った。だが、他の面々は、目を見開き驚愕した様にこちらを見ている。
「え? お前、テレポート使えるの? フルヒーリングまで使えるのに? 同い年だろ? 人族ってそう言うもんなんのか?」
エティは、何でそんなに色々使えるんだと突っ込んで来た。
「と言うかエティ、お前だんだんと言葉使い悪くなって言って無いか? 別に良いんだけど……」
最初はもうちょっと丁寧に接してくれていたと思ったんだが……
「いやいや、そこじゃないでしょ。エル、あんたってもしかして……大魔法使い? ってフルヒーリングが使えるだけでそうか……」
「はは、どうだろうな。そんな称号は持ってないけど、中級魔法までなら全部使えるぞ。まあ、そんなに可笑しい事でも無いだろ? 良く分から無いけど」
「「「いや、可笑しいから、絶対に」」」
流石姉妹、息ピッタリだな。と、思いながらも口にしたら突っ込まれそうなので、思考だけにとどめた。
「はぁ、もういいわ。これからはパーティメンバーなんだし、良かった。って事にする」
ケイがそうまとめてくれて、俺はケイの手料理をご馳走になりながら、今後の事を聞いてみた。
「なあ、エティ、これから俺達は何をするんだ?」
「は? 何って何のこと?」
「馬鹿ね、リーダーでしょ、今後の活動の事よ」
「馬鹿じゃねーし、分かってたし。あ~うん、お前のせいで失敗したあの事件の解決に当たる」
「もう~、それじゃエルは分かんないでしょ、これ以上疑うなら私怒るからね」
アイリは、真剣な表情でエティを睨みつけた。
「あら、あんた達、何かあったの? って、アイリはいつもそうか」
ケイにそう言われたアイリは少し焦ったように口を開いた。
「別に何も無いよ。ステータスを見せ合いっこしたなんて事、無いんだから」
「相変わらず正直ね、おめでと」
これはもう、言っている様な物だ。とケイは、親密になった事におめでとうと言った。
「うっわ、ずっる。エル私にもみせろよぉ~」
エティは、俺がどのくらいの強さなのかを純粋に知りたいのだろう。
「ああ、もちろん構わないぞ。ケイも良いよな? 見せ合おう。」
だから、パーティメンバーだし見せ合っておいて損は無いと、俺は問いかけた。
「「「えっ?」」」
何故か、見せろと言った来たはずのエティまでが驚き、会話が止まった。
「おい、エティお前が見せろって言った来たんだろうが」
「いや、見せろって言われてみせていいもんでもねーし、本当に言ってるのか?」
「わ、私は良いわよ? エルが見せたいって言うのなら……」
ケイのその言葉を聞いて、俺はステータスを二人に開示した。最悪見せて貰えなくても、俺の強さのレベルを知って貰っていた方がパーティとして都合が良いだろうと。でも、変に過信されたら無理な事を押し付けてきそうだしな、エティは……
「ほえ~すげぇな。だけど、どう受け取ったらいいんだ? こんな大事なもん見せて」
エティは俺のステータスを見て驚きながらも、どういう意味で見せたんだ? と聞いて来た。
「ん? ん~……家族、として……いや、図々しいか。お前達は恩人だからとでも思って置いてくれ」
俺は、会って間もないのに厚かましいな。と、自分でも思ってしまい。恩人だからと言い換えた。
「そんな事無い、私は嬉しかった。そう言ってくれて嬉しいよ」
アイリは少し残念そうな顔をした後、そう言ってくれた。
「じゃあ、エルは今日から私の弟だ。可愛がってやろう」
エティはいつも通り何も考えて無いのだろう、手をワキワキさせながら、了承しステータスを開示した。
「うん、私も悪い気はしないわよ? でもこの場合どうなるの? 私は妹? 姉?」
ケイも、嫌じゃないと言いながらステータスを開示してくれたが、上か下かがどうしても気になるらしい。俺はそんなのどっちでも良いんだ、好きに決めたらいいさ。だが、話が大分それたな……聞いて見ないと戻らなそうだ……
「それで、あの事件ってのは何なんだ。俺のせいでってのは認めないが」
「あはは。どうしてもエルはそこを認める気は無いんだね」
アイリは、少し乾いた笑いをしながら。そう言った。
「まあ、あれよ。獣人の子供をさらって奴隷として売りさばこうとしてる奴から、仲間を取り戻そうとしていたのよ。」
なるほどな、他の奴に言われたら建前だと思うが、この姉妹に言われたのなら納得だ。
「同じ孤児院に居た子も居るの、絶対に助けてあげたい。エル、協力してくれる?」
「ああ、当たり前だ。俺は、お前達の助けになると、あの日に誓ったんだ」
「あの日?」
「ああ、アイリが俺を助けてくれて、エティが運んでくれた。ケイがポーションが高いと言いながらも認めて食事まで用意してくれた。外見はとても酷かっただろ、それに目も見えないし喋れない状態の俺をだ。そんな俺を置いてくれたお前たちを、俺は助けたいんだ。」
アイリと、ケイが、ジーンとした顔で目を潤ませている。そんな時に。
「良い拾いもんしたな。ポーションの元とれそうじゃないか?」
エティが空気をぶち壊し、良かった良かった。と、言った。




