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時給:ゼロ~プライスレス  作者: 支倉正
13/21

対決ハーピー1

「マジか…………マジかとしか言えない……。」


作戦会議終了後。俺は一人件の畑で作業をしている。普通に荒らされた所を鍬で直しているのだ。


「これで本当に大丈夫なの?」


サクラちゃん発案の作戦はこうだ。

ハーピーという生き物は基本的には女?メス?しかいない。従って子孫を増やすには古来から人間の男を拐っていたらしい。人間の男。という訳で俺の出番である。要は俺を使った囮作戦な訳だがである。ハーピーは雑食性だというのだが間違って食べられないかと心配もしている。色んな意味で喰われそうになる立場なのである。


「まさか、女の子とキスもしたことないのにその先を行ってしまう可能性に晒されるとはしかも人間じゃない…………。」


荒れた土を直しながら思わず青少年の心の叫びがでてしまう。それが聞こえているのかサクラちゃんが。


「大丈夫、大丈夫!直ぐ助けにはいるからの。なあに初めてが同じ人間じゃなかったらノーカンでいいじゃろ。もしくは新しい目覚めがあるかもしれん。」

「絶対やだ!」


と、遠くから声をかけてくれた声に俺は全力で否定した。絶対心配してないだろ。因みにサクラちゃんはこちらを物陰から監視している。猫は狩りが得意だと自慢げに話してくれた。ここはもうサクラちゃんを信じるしかない。一応ピンチの時にとサクラちゃんは俺に腰に下げる巾着袋をくれた。中身は食料と発信器だと言う。念を押そうここはもうサクラちゃんを信じるしかない。


「しかし、いつ来るのかも分からな…………い。ん?」


急に背後に気配を感じて振り向くと誰もいなかった。気のせいか。


「章太郎‼上じゃ!木の上じゃ!」

「えっ!…………あっ!」


上を見上げるといた。ハーピーだ。丁度俺が結界を確認した時に登った木の枝にいた。全身が赤い羽根で覆われていて顔と胸だけが人間で翼があり足は鳥の足だ。大きさはサクラちゃん位かそんなに大きくはない。だが羽根を広げるとかなりの威圧感を感じた。高い所にいるせいで表情などは見てとれなかった。


「章太郎!こっちへ走れ!」


サクラちゃんが叫んだ。サクラちゃんは家の屋根に登り弓を構えて今にも放たんとしていた。


「くそ‼射線上まで囮作戦かよ!」


俺は持っていた鍬をその辺に投げ捨て走った。距離にして約100メートルといったところか。


「あー!俺は中長距離専門だー。」


その瞬間ハーピーは獲物を狙う梟の如く音を起てずに飛び上がり一直線に俺目掛けて滑空してきた。


「くそ!早すぎだろ。」


ぐんぐん差を縮められもう捕まると思った。その瞬間…………


「横に飛べ!」


咄嗟に体を反応させて横に転がった。サクラちゃんの声だ。きっと弓矢が飛んでくる。そう思い俺は土の上へヘッドスライディングをする格好でギリギリ横に飛んだ。


「よし!やったか!」


直ぐ様振り向き確認した。サクラちゃんの矢が突き刺さり地面に落ちているという予想だったが……


「まだじゃ!直ぐ逃げろ!」

「マジかよ。ヤバすぎだろ。こんなの。」


しかし、ハーピーは飛んできた矢を鋭い足の爪で弾いていた。そのせいで一瞬止まったが直ぐにこちらを向き向かってきた。


「くっ!」


サクラちゃんは直ぐにもう一度弓を構えて狙いを定め直した。


「サクラちゃん!早く!次‼」


俺はもう限界だった。全力疾走→ヘッドスライディング→全力疾走は野球部でも中々するものではない。ましてや俺は部活すらしていない。そんなに体力が持つはずもないのだ。


「分かっておるがこうぶれては…………。しかも章太郎!被っておる!」


サクラちゃんもハーピーの素早い動きに狙いが定まらない上に俺を避けて打つのが難しいらしく苦戦していた。その間に一気に差が縮まった。


「もう……無理…………うわっ!」


俺のスピードがちょっと落ちたその時だった。急にふっと体が浮いた感じがした。というか浮いていた。俺は肩をハーピーの足にがっしり捕まれて飛んでいた。


「おい!離せよ!このっ!」


体を揺らして暴れたががっしりと捕まれた足はびくともせず俺は高い空へと登り何処かへと連れていかれた。


「うわっ!サクラちゃーーーーん!」


俺は足元でどんどん小さくなっていく猫少女の名前を叫ぶことしか出来なかった。その小さくなるサクラちゃんに一人駆け寄る人が見えたような気がしたがそんなの気になるはずがなかった。


「うむ。連れていかれたか…………。」

「あの!章太郎さん拐われてしまったではないですか。大変じゃないですか!」

「カミナさん。大丈夫じゃ。」

「何がですか!?章太郎さんがあのハーピーに食べられでもしたら…………」

「まあ、大丈夫じゃ。恐らく物理的に食べられる事はなかろう。まあ、もう一つの可能性の方は分からんがの。」

「?物理的?もう一つの可能性?どういう事です?何故章太郎さんは大丈夫なんですか?」

「さて追うかの。説明はその最中でもいいかの。発信器もバッチリじゃ。」

「はい。」

「くふふふ。どうなっておることやら。」




今回は短めでした。

後半戦はまた明日上げます。

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