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依存
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姿を変えて、生きていた。
茶髪でロングヘアの、18歳の人間として生きていた。
生きていた、というより、当ても無く彷徨っていた、というのが正解だろうか?
そしていつの日か、その整った容姿から競売に出品される。
そこで彼女を買ったのは一人の超能力者。
「今日から僕が、君の家族だ」
彼女を買った彼は、彼女を奴隷にする為でもなく、
実験道具にする為でもなく、
ただ家族にしたいという理由で買ったのだ。
彼女は
「かぞ……く……」
彼は
「そう、家族」
お互いに依存し合ってしまった。
ただ唯一お互いを家族と言ってくれた彼に
彼女に。
だから彼女は、今の姿が仮の姿という事を忘れて、元の姿がどんな姿だったかを忘れて、
元の姿でどんな生活を送っていたかも忘れた。
今が幸福だから。
忘れても何の差し障りもない事だから。
だから忘れられた。




