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  作者: Allen
2/13

絶望していた彼は。


子供時代に絶望していた彼は、もう立派な青年になっていた。

元から魔法の才能があった事もあり、今は魔法使いという職業についているものの、置かれている環境は決していいものではない。


人殺し。


罪を犯した人間を地獄に葬り、生きていた痕跡を無くす。


罪を犯した人間。

それは自分からしたらただの建前だ。


自分が気に入らない人間がいれば殺す。

それだけ。


そんな最低な暮らしをしているうちに、もう自分の心の行き場はなくなっていった。

でももう今更新しく行き場を作ろうとは思わない。


だって。


自分には追い求めている理想の現実があるのだから。


もう10年前のあの日から理想を追い求めているものの、一向に叶いそうにない。

理想を叶えるうえで、絶対に欠かせない人物がいるが、その人物については全くもって行方が分からなくなっている。


「どこにいるんだろうなぁ…アイツ…」


もしかしたら、同業者に殺されたり、普通に、もう生きていない可能性もある。

何せ、行方が分からなくなってからもう10年は経った。


「何してるんだろ、生きてるといいけど。……会いたいなあ」


果たして会ってくれるのだろうか。

何の躊躇いもなく人を殺せるようになった自分と、

他人の血で染まった自分の手を感じても、

会ってくれるのだろうか。

話してくれるのだろうか。


自分を恐れて近づいてこないかもしれない。


最低だ、と罵られるかもしれない。


でも、それでも会いたい。

だって、大切な友達だから。


人見知りだった自分に、積極的に声を掛けてくれて、以来ずっと仲良くしてくれている。


数少ない、自分の大切な友達。

だからこそ、会いたいのだ。


自分の友達が一人でも欠けるなんて、それは最早自分の人生じゃない。

どうしても見つからないというのなら、自分の人生を自分の手で終わらせよう。

そこまで。

そこまで思う程、自分は理想を追い求めている。




そんな思考の海に浸かっていると、突如携帯のベルが鳴り響いた。

画面を見ると、知らない番号から。


「もしもし……?」


「おーおー。その声色じゃ警戒してるか。まぁ無理もないな。……用件は手短に済ませる。今すぐ、『難攻不落の城塞』の前に来い。それだけだ。」


それだけ言うと、電話は切れてしまった。

相手は男。聞きなれない声。


そして『難攻不落の城塞』。


──どんな事をしても絶対に壊れない、あらゆる干渉を完全的に遮断する。

中に誰がいるのか、中には何があるのか、誰も分からない。

謎に包まれた城。


その城の前で何をするというのか。

軽率な行動は避けたいが、とにかく行ってみるしかないだろう。


「めんどくせ……」


そう文句を流しながらも、部屋の扉に手を掛けて外に出る。

『難攻不落の城塞』は、ここから3キロ程しか離れていない為、すぐに着くだろう。


彼は、踏み出していく。









































悲劇へと。


































































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