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  作者: Allen
11/13

その目が開かれた


適当に暗闇の中を歩いていると、元の部屋の光が見えた。

元の部屋に戻るなり、暗闇は閉じ、壊れていた壁も元に戻っていく。


とりあえず起きないこいつをベットに寝かせておく。


「さーてと、どうするよ」


「あー。俺、もう起きると思ったのになぁ……。呼吸は安定してるし、まぁ魔法で眠らされてるだけだから大丈夫だろ、その手の魔法を調べよう」


まぁ本当にそれだけなら大丈夫だろうし、自分もその意見について賛成だ。

近くの魔法書図書館に行ってみる事にしよう。


「あー……それらしいのはないな……なにしろ時間が長いからな、10年以上も眠らせ続ける魔法なんてそのへんにはない、って事か。つまり魔法をかけた人は、かなりの使い手だろう。それこそ俺らとは比べ物にならないくらいの」


「うわぁ……もう嫌だ、今日はこのへんにしておこうぜ」


文字を見すぎたせいで目も疲れてきたし、家に戻る。

相変わらず起きる気配もなく、ずっと眠ったままだ。全く、何をしたら起きてくれるのだろうか。


「いつ起きるんだよこいつ……10年も寝てるとか……」


「そうだなー……あ」


「ん?」


「お前、一回この剣でこいつの心臓刺してみて」


「は?」


思い出した。

昔読んだ絵本に、ずっと、長い間眠り続けた王子様が、普通の、何の特徴もない剣で心臓を貫かれた瞬間にその長く閉ざされた目を開いた、と描いてあった事を。


だからそれをやってみる。


「ん?お前がやらないなら俺がやるわ。」


そして剣を取り、鞘から抜き、眠ったままのそいつの心臓に突き刺す。

たちまち光が剣を中心に現れた。


そこから現れたのは妖精。

いや、剣が形を変えて妖精になった、というのが正しいだろうか。


その妖精は不思議な光をその指に宿し、呟く。


「Only when the eye is opened (その目が開かれる時こそ)


The world of the true start to move. (真の世界は動き出す。)


Centered on the person, (その人物を中心に、)


The world begins to move.(世界は動き出す。)」


その目は開かれた。

その瞬間は何よりも美しい。


何の比喩も抜きに、花が咲いた。


「おはよう」


思わず手を握ってしまう。

その美しさを感じたら、あの時絶望していた事なんてどうでもよくなっていた。


「……誰?」


手を跳ね除けられ、逃げ出された。

まぁ10年も経っているのだから、誰か分からなくても無理はないだろう。


説明しようと、逃げた方向を見ると、もうそこには姿が見えなかった。


「逃げ足速くないか…?」


ふと、あの姿を思い出す。

中性的だが、整った顔立ちの少年。

果たして、あいつはそんな姿だっただろうか?


「まぁ、いいか。」


「ちょ、ちょっと待て今まで黙ってたけどどういう事だよ?!」


「あー、忘れてたわ。あいつ捕まえて」


それだけ伝えると、自分はあいつを探すために歩き出した。

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