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預言者の死

ハボクックは預言者の名前から来ているそうです

1943年10月3日 北海

ハボクックは護衛艦と共にキール軍港を目指していたが、後方からずっと追尾する影があった。その影とはハボクック撃沈のための新兵器を搭載したソ連最新鋭の潜水艦‘アルファ’であった。

アルファ

全長 110m

全幅 9m

排水量 5500トン

武装

553mm魚雷×8

ソ連の最新鋭潜水艦、世界で初めて実戦投入された原子力潜水艦。そのため枢軸連合の哨戒線を突破できた。

時速10ノットほどで航行するハボクックを追跡するのは水中速度が20㎞近くあるアルファにとっては容易いことだった

〔やはり敵さんは油断してやがるな〕

〔制海権と制空権を奪ったのですから油断もするでしょう〕

〔副長、東洋には油断大敵という言葉があるようだが、奴等にそれを教育してやろう〕

〔勿論です。我々乗組員全員その気です〕

〔全魚雷管注水、例の新兵器にもだ。ソナー手は敵が動いたら即座に教えろ〕

アルファの魚雷管と前甲板に搭載された流線型のコンテナの様なものに海水が注水され発射準備に入った

〔敵艦に動きなし、こちらは全艦捕捉しています〕

〔魚雷には護衛艦を狙わせろ、先に新兵器を使う狙いは例の氷山だ。新兵器は有線式だ操作手は外すなよ。発射〕

新兵器のコンテナもどきから超大型の魚雷が発射された。この大型魚雷は流線型で万治型のスクリューを持っており水中を高速で疾走した。この魚雷は輪形陣を組んだ艦隊の中心にいるであろう旗艦を艦隊の外苑部から撃沈するために開発されたものでキャビテーション効果を持つスクリューと長大な射程を持っていた。更にはこの魚雷の弾頭部にはハボクックを撃沈するための切り札が積まれていた

〔ワイヤー切り離せ、急速潜航〕

アルファは事前に言われていた通りに潜航し少しでもハボクックとの距離を開けようとした

〔時間、今〕

轟音と共にハボクックの艦底で新兵器の魚雷が爆発し超高温と衝撃波を発生させた。新兵器の弾頭は核だったのだ。この魚雷は最初から核兵器を弾頭に使用する前提に開発されていたが、核兵器の研究が進んでいたソ連も魚雷の弾頭に納められるほどのサイズまでの核兵器の小型化が出来ていなかったため魚雷が大型化し専用のコンテナ型の発射機にしか搭載することが出来なかった。しかし核弾頭の威力は絶大で、圧力によりハボクックは氷山の連結部から崩壊し北海の海に多くの氷山を残して消えた。この核弾頭の生み出した衝撃波により護衛艦も轟沈し、枢軸連合はソ連が発表するまでハボクックがどこに消えたのか必死に捜索を続けることになった。一方の魚雷を発射したアルファも距離をとり発射したにも関わらず大きなダメージを受けていた

〔各員、被害を報告しろ〕

〔艦長、船内各所で浸水が発生中。更には衝撃により全身を強打し1名戦死しました〕

〔艦の設備に異常はないか?〕

〔レーダーの調子が悪いですし、通信も不能です。浮上すれば不味いですが浮上しなければ大丈夫そうです〕

〔そうだな。本艦はこれよりに帰還する。万が一に備え深深度をこのまま進むぞ〕

世界で唯一の原潜は大きなダメージを受けながらも母港に戻っていった。

1943年10月9日

帰還したアルファの報告でハボクック撃沈を知ったソ連は大々的に報道し枢軸連合は二度目の核兵器の使用と欧州連合艦隊の防空を担ってきたハボクックの消滅に恐慌状態に陥った。特にソ連が何発の核兵器を所持しているかが不明であることや航空機に限らない核兵器の運用ハードの存在、欧州連合艦隊の防空を担うことになった米海軍の全体の70%が大平洋に居て大西洋の最大戦力が旧式戦艦であるため回航に時間がかかるなどから枢軸連合は欧州での進軍を止め兵力の温存及び補給線の再構築などを始め1943年から1944年の春の到来までソ連も軍団の再編のため攻勢を控え、両軍は時間を得ると共に戦力の増強を行い欧州戦線は膠着した。

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