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LastDay 1

久し振りの投稿です

1943年9月1日早朝 ベーリング島

東ロシア帝国領のこの島には漁業に従事する島民が300人ほど暮らしていた。この島には漁港と水上機の発着場があるくらいで他には何もない島だった。そのため戦争の影響はこれとなく、島民にとって戦争は遠い地での出来事だった

『何だあの潜水艦、こっちに向かってくるぞ!』

しかしこの日は違った。沖合いに浮上した潜水艦が島に向かってきた

『座礁するぞ、他のやつらを呼んでこい』

案の定その潜水艦は浅瀬に乗り上げた。しかし、この座礁は狙っていたことであった。潜水艦にはランプウェイが付いていてそれが開いた、そして潜水艦の中から戦車やトラックが出てきた。この潜水艦は後に621型潜水艦と判明する潜水艦で、史実では計画されただけだった強襲揚陸潜水艦だった。この潜水艦により戦争とは程遠かったこの島はソ連に占領された。

9月5日 イギリス

このところ戦況は枢軸が有利であり、首相官邸にもいい報告ばかりであった

「首相、イタリア方面軍がローマに入城しました。また、東部戦線もモスクワまで100㎞まで進軍しました、前線には日英共同開発の戦車センチュリオンと独露共同開発の戦車レーヴェが配備され益々我々が有利になっています。しかしもうすぐ冬にはいるため進軍を中断しソ連の反抗に備えます」

「陸軍は順調で何よりだ。海軍のほうはどうかね?」

「現在アイスランドで整備中のハボクックの整備も近々終了し終了と同時に北海に向かわせます。また地中海艦隊も一部を除いて北海に向かわせ残存するソ連艦隊を殲滅します」

「よろしい、ソ連艦隊の行方は掴んでいるのか?」

「はい、一週間前に偵察機がアルハンゲリスクに停泊中のソ連艦隊を写真にとらえました。大半はドーバー海戦時にドーバーを突破した艦ですが、ドイツで就航寸前だったバイエルン級航空母艦2隻を編入したりして規模は拡大しており、艦載機も新型に入れ換えられたとの情報もあります。先日偵察機で再度偵察したさいにはアルハンゲリスクには居なくなっており我々はムルマンスクに後退したと考えており現在情報収集を行っています」

「何としてもソ連艦隊を殲滅しろ、完膚なきまで叩きのめし奴等の士気を下げろ」

「はっ早急にもソ連艦隊を発見し二度と我々に歯向かえないようにして見せましょう」

「是非とも頼んだぞ」

1943年9月11日 ベーリング島

ソ連に占領されたこの島で一機の航空機が整備されていた。Tu-9と呼ばれるその機体は世界でも唯一の水上戦略爆撃機であった。この機体は積載量6トンの四発機で、空中給油を受け北極圏周りでこの島まで飛んできたのだった

〔同志中佐、機体の整備は万全かね?〕

〔はっ、同志少将の潜水艦隊にこの島を占領してくださったので我々は万全の態勢で懲罰を行うことができます〕

〔我々は君たちが出撃しだい、この島を離れる。君達の活躍に期待する〕

〔光栄であります。必ずや資本主義の犬どもに懲罰を下してみせます〕

整備が完了したTu-9は一路南東に進路をとり、潜水艦隊もベーリング島を離れ南に進路をとった。

同日 ハワイ真珠湾

半年ほど前までは毎日のように日本軍機が来襲し激しい空中戦が繰り広げられてきたが、7月頃から日本軍は強行偵察を行うくらいで全くと言っていいほど攻撃を行わなくなってきた。その為、最近の航空指揮所での仕事は味方の誘導が主任務になっていた

〔航空指揮所へこちら見張り所、北から四発の大型機接近中、飛行挺と思われる〕

〔こちら指揮所、了解した。武装は確認できるか?〕

〔護身用の機銃は見えるが翼下には何もない〕

〔海軍の新型かもしれん、此方で確認するので何か分かったら随時報告してくれ〕

早速、サンディエゴの海軍の司令部に確認をとるが、何やら問題が発生したらしく慌ただしい

〔問題が発生したのか?〕

〔ハワイにはまだ伝わっていないのか?ソ連が我が国に宣戦布告をしたのだ。至急伝達してくれ〕

ハワイへソ連の宣戦布告の報告が伝わったのは丁度この頃だった

〔見張り所から指揮所へ、例の飛行挺はソ連機だ。繰り返す飛行挺はソ連機だ。真珠湾に向かっている〕

〔何だと!各飛行場に伝達、スクランブルだ。ソ連機が接近中至急発進せよ〕

Tu-9

ベーリング島を発進したTu-9はこれといった異常もなくハワイ沖までこれた。途中で海軍司令部よりアメリカへの宣戦布告をしたとの暗号文が来たため、ハワイ沖で迎撃されるかと思ったが迎撃機が上がってこず拍子抜けし逆に罠だと思ったほどだった

〔同志中佐、真珠湾が見えました。凄い数の艦船です。我が国の艦隊何個分でしょう〕

この時真珠湾には戦艦6空母18巡洋艦26駆逐艦51の他にも多数の支援艦艇が停泊していた。しかし米軍の主力はまだ西海岸に居るため、ハワイに居る物凄い数の艦艇は米軍からすると一部分でしかなかった

〔同志中佐、レーダーに反応あり、迎撃が上がったようです〕

〔今頃出てきても手遅れだ。迎撃機を近づけるな。爆弾槽開け、投下用意〕

〔投下準備よし、何時でもいけます〕

〔よし…投下〕

爆弾槽から投下された巨大な爆弾はパラシュートを開き、風に流されながら真珠湾上に投下された。

大平洋上 翔鯨

日本軍は日米決戦に向けて第一次世界大戦の戦利品としてドイツより手に入れた飛行船ドックと飛行船の骨組みを使用し未来情報の高高度プラットフォームを模して各種電探を装備した早期警戒飛行船翔鯨を完成させミッドウェーに配備させていた

「艦長、米軍の通信量が激増しました。ソ連の宣戦布告は本当だったのですね」

「これでようやくこの島とおさらばだな」

「これからの主戦場は欧州ですか…こいつは連れていけますかね?」

「こいつの滞空能力は抜群だからな、こいつも欧州に行くだろうな。米軍も参戦するだろうから中身はヘリウムになるな」

その時、翔鯨のある機器が鳴り響いた

「何事だ?」

「艦長、放射線測定器に反応あり。核が使用されたかのような凄い放射線量です」

「どの方角からだ?」

「この方角は…ハワイです」

「至急ミッドウェーの田中司令に報告する。こちら翔鯨、ハワイに核攻撃の可能性アリ繰り返すハワイに核攻撃の可能性アリ」

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