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青作戦

久し振りの投稿です。完結まで残り話数2話

1944年4月

東部戦線に春が来た。枢軸連合はモスクワ、レニングラードなどのソ連の主要都市や戦争継続に重要な油田があるバクーを目標にした大規模な反攻作戦 ブラウ作戦を発動した。

この作戦はドイツ、アメリカがウクライナからレニングラードとモスクワをイギリス軍はセヴァストポリを経由しバクー油田を、日本軍と中東のイギリス軍は黒海からバクー油田を目指し攻略するというもので、副次的効果でソ連の戦力の分散化とトルコの枢軸参戦を狙うというものであった。

1944年 4月16日 グルジア沖

日本軍の上陸艦隊が上陸地点沖合いに展開していた。この艦隊には戦艦や正規空母が存在せず重巡と軽空母が主体のコンパクトな艦隊だった

「司令、作戦開始時間です。司令部からも作戦開始の無電がきました」

「よし、各艦砲撃開始。陸さんの上陸地点を掃討するんだ」

田中頼三少佐率いる上陸艦隊は上陸部隊の護衛をすると同時に上陸地点に対して主砲で上陸地点の掃討を行った。史実の三式弾はその弾子が集弾し過ぎたために対空性能には難があったが対地目的には高い性能を持っていた。沖合いに停泊していた一号輸送艦には兵士を満載した大発が搭載されており、上陸支援のために甲板にはネーヴェルベルファーが備え付けられていた。そのネーヴェルベルファーからも上陸地点の掃討のため砲撃が行われた

「上陸地点の掃討が完了しました」

「よーし上陸部隊を発進させろ、中東のイギリス軍も動き始めたはずだ遅れるなよ」

一号輸送艦から大発に先攻して内火艇とカミ車が発進して上陸し偵察と反撃に出るであろうグルジア軍の迎撃のための配置についた。そして、大発も次々に砂浜に上陸し兵士を吐き出していった

「上陸部隊の上陸に無事成功しました。また弾着観測をしていた観測機が戦車を含む小規模の部隊を発見しました」

「内火艇がいるがまだ上陸中の部隊がいる。戦車を上陸させるまでは我々が上陸部隊を守るのだ。観測機に弾着観測をさせろ敵軍を砲撃する。空母からも爆装させた艦載機を出せ」

6時間後

グルジア軍は艦載機の攻撃で空港を失い制空権を取られた上に制海権が握られたため、水際での防衛を諦め、日本軍を内陸に誘き寄せ各個撃破しようと焦土戦の策をとった。一方の日本軍は橋頭堡を築いたが砂浜への揚陸は時間がかかるとして沖合いにイギリスから借りた人工港マルベリーを展開し、マルベリーと砂浜の間をマルベリーに揚陸された物資を砂浜へ運ぶ小型艇が頻りに往き来していた。マルベリーが展開され大型輸送艦の揚陸が可能な港を得た日本軍は大型輸送艦より戦車を揚陸させた。その中には阿寒級装甲輸送艦に搭載してきた新型の六式戦車もいた

「西少佐、六式戦車の整備完了しました」

「ありがとう。近衛戦車隊、全車両前進ソ連戦車を待ち伏せるぞ」

陸軍はソ連新型戦車との本格的な戦闘に備えて新型戦車六式戦車を与えた。

六式戦車は本来は四式戦車として採用される予定であったが重戦車の運用経験の乏しかった日本軍では満足のいった戦車が出来ず。日本軍は採用を見送り独露中心で三式戦車の火力支援を主任務として開発した戦車を五式戦車として採用した。五式戦車は四式戦車と同じ目的で開発されていたため、三式戦車を超える大型砲を搭載していたが、独露が運用する環境を考慮し太い履帯を持つため日本国内で運用するには支障が生じるサイズまで大型化していた。そのため五式戦車は少数の採用に留まりバロン西こと西少佐が所属する近衛師団や富士教導団などの一部部隊にのみ配備された。この戦車の採用と並行して日本独自の戦車の開発が続けられその結果誕生したのが六式戦車であった。この戦車には五式戦車で獲得した大型戦車の運用経験を生かし満足のいく性能に仕上がった。

4月20日 セヴァストポリ要塞

ソ連軍はイギリス軍に圧倒され青作戦開始から僅か4日でイギリス軍は目標であるセヴァストポリ要塞を包囲した。この頃黒海艦隊には大型艦は存在せず、また枢軸連合の航空機雷により残存艦は港を出ることが出来ず無力化されていた。しかし、セヴァストポリ要塞には接収したロシア帝国戦艦より剥いだ主砲を転用した要塞砲があったりといまだに戦力は衰えていなかった。史実でもドイツ軍がセヴァストポリ要塞には80cm列車砲グスタフを含む13000門もの砲で無力化したが、今後の補給などを考え今のイギリス軍にそれだけの砲の投入は不可能であった。そこでイギリス軍はある艦隊を呼んだ

「こちら射撃指揮場、イギリス軍の情報と観測機の情報の入力完了、いつでもいけます」

「司令、指揮下の全戦艦も本艦からの情報入力完了しました」

「よろしい、全艦敵要塞の主要施設へ砲撃開始。砲撃長、敵要塞沈黙まで統制射撃を続けろ」

セヴァストポリ要塞に向けて沖合いより46cm砲搭載戦艦の大和級戦艦3隻と飛騨級戦艦2隻による艦砲射撃が行われた。艦隊旗艦の甲斐にはコンピューターが搭載されておりそれを活かし今までは困難だった精密射撃が出来た。また、この艦隊の司令官兼甲斐艦長である猪口少将はキャノン・イノグチと呼ばれるほど海外でも著名な砲術の専門家であり、コンピューターを利用した砲撃についての研究の第一人者でもあった

「電算機を利用した砲撃ならば止まっている標的まとなら五射以内で当てられる。それで世界に戦艦の有用性を再認識させてやる」

猪口少将は昨今の戦艦不要論に対して異を唱えていた。弟が空軍に居て詳しいことは把握していたため航空機の有用性は認めるがだからといって戦艦を不要とするのを彼は認めていなかった

「確かに航空機や奮進弾に戦艦は殺られているが紀伊級や大和級のように強力な対空性能を持ちつも高い水中防御能力を持った戦艦ならまだやれる。我々は未来情報を頼りすぎている。既に未来情報と食い違うようになっているのだ、これからは我々で未来を作らねばならない」

その時89000トンにもなる甲斐の船体が大きな爆音と共に振動した

「やりました。二射目でセヴァストポリ要塞の弾薬庫を吹き飛ばしました。敵の動揺は大きいようで敵要塞沈黙しています」

「良くやった。これで戦艦の活路が見いだせたぞ」

この戦艦による砲撃により要塞の弾薬庫が破壊されたことにより要塞は沈黙、その後の砲撃により要塞は主要施設を失いその機能を失い、これ以上の抵抗は不可能と判断しセヴァストポリ要塞はイギリス軍に降伏し要塞を明け渡した。これによりクリミア半島全域は実質イギリス軍の占領下となった。枢軸連合はこの様に各地で物量と質の両面でソ連に勝り3か月後にはスターリングラードを包囲するまでに至った。

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