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8、新しい給仕係入りました

いつも読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。

今作も楽しんでいただけると嬉しいです。

「なんて馬鹿な男なの?ほんとどうしようもないわね」


私はS級ということ以外、包み隠さず話した。


幼い頃から父と冒険者になるべく鍛錬してきた事、14歳で冒険者パーティに入り、今まで一緒に頑張ってきた事、大きな討伐を終えて、告白しようと思っていた矢先、最悪のタイミングで別の女性を恋人と紹介された事。


「それも、その相手が私達女性冒険者が一番嫌いな、いい男にだけ媚びる最悪受付嬢だったんですよ!」


「うわ!最悪じゃん。酷すぎるわ〜」


ライラさんの相槌にマスターもマリーさんも激しく頷く。


「それで、その場でパーティ抜けて冒険者も辞めるって言ってやったんですよ!」


3人の拍手が響き渡る。


「よく言った!それくらいやってやんなきゃわかんないのよ、男ってやつは」


ユーリとモーリスのおかげで、可愛く整えてもらってここまできた事を告げると、すでにマスターは涙を流していた。


「うん、うん、今までよく頑張ったな。もちろんここで働いてくれ」


「そうだ。ライラちゃんの住んでるアパート、空きが出たって言ってなかった?」


マリーさんがライラちゃんに聞いた。


「そうだ。この前引っ越して空きが出たんだった。今から大家さんに聞いてくる」


ライラさんは裏口からウェイトレス姿のまま飛び出して行った。


「本当にいいんですか?」


私はマスターとマリーさんに改めて聞いた。


「もちろんだ」


「もともと、前働いてた子が妊娠して辞めちゃって。代わりをそろそろ募集しなきゃと思ってたのよ。かわいい子が入ってくれて良かったわ」


「そうそう、前いた給仕係のリーンは常連さんと結婚しちゃったからね。うちで働いてくれると嬉しい」


なんていい人達だ。


この恩に報いるためにも精一杯働かなければ。


「ありがとうございます!精一杯頑張りますのでよろしくお願いします!」


私は深く頭を下げたのだった。


しばらくするとライラさんが戻ってきて、大家さんもOKだと教えてくれた。


鍵を預かってきたから、夜の営業が終わったらそのまま使っていいそうだ。


挨拶は店の休みの日でいいとのこと。


大家さんもいい人そうで良かった。


とにかく今日はゆっくりして明日から働くように言われたのだが、せっかくなので一刻も早く給仕係としての研鑽を積みたい。


「ぜひ何か手伝わせてください」


そういう私にマスターとマリーさんは戸惑っていたが、無理をしないならと言ってくれた。


長旅で疲れているだろうとの配慮だ。


本当に優しい人達だ。


「ひとまず賄いを食べよう。その前に改めて挨拶だな。俺は店主のモルドーだ」


「私は妻のマリーよ。これからよろしくね」


「はい!よろしくお願いします」


私は2人に頭を下げた。


「私はライラよ。18歳。田舎から出てきて、この街で一人暮らし。彼氏は今はいないわ。ライラって呼び捨てでいいわよ」


「ライラちゃんはうちで働いて2年目なんだよね」


それであの素晴らしいテクニックか。


私も精進しないと。


「アニエス、17歳です。アニーと呼んでください。今日から給仕係として研鑽を積んでいきたいと思います。よろしくご指導お願いします」


「あはは、研鑽なんて大袈裟よ」


マリーさんが楽しそうに笑った。


「アンタ年下だったの…」


私もライラさんは同じ年か年下かと思っていたことは言うまい。


「ライラさんみたいな、かわいくて仕事もできる給仕係目指します。そしてモテたいです」


うん、目標は決まった。


ここで働いて、出会ったお客さんと幸せな結婚だ。





読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

返事が返せないこともありますが、感想必ず読んでます。ありがとうございます。

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素直にモテたいと言えて行動できるアニエスさん、前向きで素敵ね!
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