57、特訓①
今日も読みに来ていただきありがとうございます。
誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。
楽しんでいただけると嬉しいです。
帰り際に私は2人に言った。
「それじゃあ明日から1週間、わたしが特訓にくるから」
「なんだって?アニーが特訓してくれるのか?それは心強いな」
ディルックは嬉しそうに言った。
「私はディルックが勝つって思ってるから特訓ぐらい付き合わせてよ。ディルックはロングソードだよね。私もロングソードだったの。ナイフも得意だけど今はそんなことはいいか…」
「アニーはナイフも得意なのか?すごいな」
好きな人に褒められるとこんなことでも嬉しいな。
「い、いまはディルックの事だよ。じゃあ明日の朝から、食堂に仕事に行く前にやるからね。もちろんガイアスもね」
「なんで俺まで…」
ガイアスはとばっちりだよと呟くが、これも2人のためだ。
「おう、頼むぜアニー!絶対あいつから1本取ってやる!」
「うん、期待してるね、じゃ明日の朝ね」
私は2人に手を振ってその足で武器屋に自分用のロングソードを買いに向かった。
武器屋のおじさんには何に使うのかと驚かれた。
次の朝。
トントンとディルック達の家のドアをノックする。
ガチャリと音がしてディルックが出迎えてくれた。
「おはよう、ディルック。用意はいいかな」
「おはようアニー。今日からよろしく頼むぜ」
元気なディルックと対照的にガイアスは暗い顔だ。
「こんな朝早くからやるなんて…」
「まあ、いいじゃない。朝から体を動かすと気持ちいいわよ」
私は2人に向かって言った。
「まずはランニングね。行きましょう」
そうして私のいつもの10キロのランニングコースを2人と共に全速力で走った。
「もう…ムリ…」
郊外場所に着くと、私は2人に言った。
「お疲れ様。ランニングはここまでだよ」
「はあ、助かった」
とガイアスはその場にあった岩に座って、汗を拭った。
「水分補給も忘れずにね」
わたしは持ってきた水筒を2人に差し出した。
「悪いな、アニー」
「やった!水だ!助かった」
「大袈裟だなあ。じゃあ水分とったら剣の稽古をしようか」
わたしが言うとガイアスの大きい目が更に見開いた。
「嘘…だろう?」
「まあ、今日は初日だから剣の訓練は甘めにやるから大丈夫だよ」
私はガイアスをなだめる。
「俺は無理だ!絶対無理!ディルックだけでいいだろ」
「もう、しょうがないな。じゃあガイアスはもう少し休んでて。ディルックはいけそう?」
私はディルックを見た。
「おう!いつでも大丈夫だ。剣の稽古をつけてくれ!」
うんうん、ディルックはやる気満々だ。
私とディルックはそこからロングソードで剣の稽古をみっちりした。
やっぱり思っていた通り、ディルックは筋がいい。
「今日はここまでだね。さあ、走って帰ろうか」
「げえ、また全速力かよ」
ガイアスはすごく嫌そうだ。
「そんなこと言うな。俺らも強くなるためには必要だ。アニーはいつもこんな訓練をしていたのか?」
ディルックが私に訊く。
「うん、小さな頃からずっとやってたよ。もう冒険者じゃないけど、今も習慣で毎朝やってるんだ」
「…そうか。すごいな」
ディルックの呟きにガイアスが立ち上がる。
「そんなの聞いちゃったらやるしかないじゃん。さあ、走って帰るか」
何がガイアスをやる気にさせたのかわからないけど、私にもできることがあったようで嬉しい気持ちになった。
読んでいただきましてありがとうございました。
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