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5、次の街へ

いつも読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。

今作も楽しんでいただけると嬉しいです。

「お会計をお願いします」


店の従業員の男に声をかけると、ニヤニヤしながら私を見てきた。


「女の子が一人で食べるには多すぎたかな。まあ、今度は彼氏か父親とでも来るんだな」


最後まで感じが悪い店だ。


店から出て大通りを歩いていると、後ろから別の男がぶつかってきた。


「どこ見て歩いてんだ!」


はーあ。


私は深いため息をついた。


なんて治安の悪い街だ。


私は男を無視して立ち去る。


「なんだ?あ!痛い!痛っ!指が!」


男は手を押さえてうずくまった。


食堂から私をつけてきた男はスリだった。


わざと私にぶつかってきて、私のショルダーバッグに入れてあった財布を取ったのだ。


もちろん、ついてきている事は気がついていたし、スられた事もわかったので、一瞬で取り返し、ついでに指を折ってやった。


これでしばらくスリはできないだろう。


一生できなければなお良い。


こんなところに長居する気はすっかりなくなった。


次の街に行こう。


私はそのまま街を出ると、また走り出したのだった。


食料の補充をするのも忘れて。


…お腹すいた…。


あらから数日、近道をしてやろうと森を突っ切った結果、すっかり道に迷ってしまった。


鞄に入れていた食料はすっかり尽きてしまった。


最終的には森で狩りでもすればいいのだが、せっかくの可愛い服を汚したくはない。


しかしそろそろ本気で狩りをするべきか?と考え始めた時、視界が開け突然街道に出た。


「み、道に出た…」


明るい日差しに泣きそうになっていると、ちょうどそこに1台の荷馬車が通りかかった。


「ん?こんなところに娘さんがひとりとか何かあったのか?」


ガタイのいい大男だが、口調が柔らかい。


クマのぬいぐるみを連想させる優しそうな人だ。


「道に迷ってしまって、やっと街道に出たところなんです」


私が答えると、


「なんだって!?森を一人で抜けてきたっていうのかい?それは大変だったね。街に行くなら荷台に乗って行くといい」


優しい言葉に私はありがたく乗せてもらう事にした。


「お嬢さん、どこからきたんだい?」


ゴトゴト荷馬車に揺られながらおじさんが私に聞く。


「ガレリアです」


「そんな遠いところから一人で来たのかい?大変だったね」


「あの…ここはどこなんですか?」


私の問いに首を傾げながらおじさんは答えた。


「どこって、ここはランベルの街だよ。ソレイユの」


「ソレイユ!」


なんと迷っている間に次の国境を超えていたようだ。


ソレイユとはガレリアの2つ隣、つまりガレリアからリッツバーグを超えた先にある国だ。


気が抜けた私のお腹が盛大になった。


「お腹すいた…」


まともな食事をしたのはかなり前だ。


「お嬢ちゃん、お腹すいてるのかい?ここで会ったのも何かの縁だ。うちはランベルで人気の食堂なんだ。俺はモルドー、食堂の店主だ。ぜひ食べてってくれ」


なんとこの人は食堂の店主だったのか。


「はい!ぜひ!」


そして私はモルドーの荷馬車に乗り、食堂、ひだまりの猫にたどり着いたのだった。








読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

返事が返せないこともありますが、感想必ず読んでます。ありがとうございます。

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