44商人ロッソ⑥
昨日は投稿できず、楽しみにしてくださっていた方々すいません。
リアル仕事もあるので、気負わずに、なるべく毎日、というペースで投稿していきたいと思ってますのでこれからもよろしくお願いします。
楽しんでいただけると嬉しいです。
「なんだって?アニーが行方不明!」
ディルックはライオネルが来てすぐに事態の緊急性を感じ、一緒に住んでいるガイアスを叩き起こした。
「ロッソか!アイツが絡んでいるんだな」
またアニーの心を傷つける男を近づけてしまった。
止めることができなかった自分にも腹が立つ。
「この手紙がアニーの部屋にあったってことは、駆け落ちと言われていた2人も攫われた可能性があるね」
ガイアスが冷静に分析する。
「まだ夜が明けてない今なら遠くに行っていないだろう。お前ら頼む。アニーを探すのに協力してくれ」
ディルックが2人に頭を下げる。
「当たり前だろ。アニーはライラの大切な友人だ」
「俺にとっては友人の大切な人だしね」
「ありがとう、恩にきる」
アニー、頼む、無事でいてくれ。
「とは言え、問題はどこにいるかだよね」
「くそっ、アニーがいれば匂いを辿れるのに」
ガイアスと ディルックのやり取りにライオネルは首を傾げる。
「匂いを辿れる?アニーは犬並みの嗅覚なのか?」
「いや、そう言われればそうとも言えるんだけど…ちょっと違うような」
ガイアスが悩む。
ディルックが立ち上がって言った。
「俺たちは俺たちのやり方でやるしかねえ。怪しいやつの事は怪しいやつに聞くぞ!」
「そんな上手く行くかなぁ」
ガイアスが呟くが ディルックは聞いちゃいない。
「お前ら行くぞ!」
「大丈夫なのか…」
3人は夜の街に飛び出した。
裏通りの酒場は深夜まで裏稼業の人々で賑わっている。
「あら?ガイアスじゃない?久しぶりね」
「やあ、久しぶり。ちょっと聞きたいことがあるんだけど?」
「何々?ガイアスの頼みならしょうがないわね」
酒場のお姉さん達がガイアスの周りに集まる。
「最近、新しい奴らがここに来てるって聞いたんだけど、どこにいるとか金が入るとか何か話してなかった?」
「ああ、あのガラの悪い連中ね。そう言えばもうすぐ大金が入るって言ってたわね。商品がそろうとかなんとか」
「へー、そうなんだ?どこを根城にしてるとか言ってた?」
「はっきりとはわからないけど、森の近くの空き家を根城にしてるから街から遠いって言ってたわ。交代でしか街に来れないって」
「それだけわかれば十分だよ。ありがとう、助かったよ」
「ガイアスが喜んでくれるなら良かった。またゆっくり来てね」
「ああ、もちろんだよ」
お姉さん達は手を振って他のお客へのところへ行く。
「お前、すげえな」
ディルックが尊敬の眼差しでガイアスを見た。
「まだそこが当たってるかはわからないよ。とにかく行ってみる?」
「ああ、もちろんだ」
「しかし俺たちだけで行って、相手が大人数ならどうしようもないぞ」
ライオネルが2人に言う。
「そこはほら、最強の助っ人が中にいるから」
ガイアスがウインクした。
読んでいただきましてありがとうございました。
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