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43、商人ロッソ⑤

今日も読みに来ていただきありがとうございます。

誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。

楽しんでいただけると嬉しいです。

「おい、騒がしいな。栗毛の女が起きたのか?」


ガラの悪いいかにも盗賊のような男がドアを開けて中をその後覗き込んだ。


栗毛?私のこのミルクティーブラウンの髪のことか?


「あの、ここはどこであなたは誰ですか?」


私はストレートに質問してみた。


「は?言うわけねぇだろ。まあ、ここは地下ってことだけ教えてやるよ」


「あの!トイレに行きたいんですが」


私は男に前にぐいっと出て言った。


「なんだお前?泣いたり騒いだりしないとか変なやつだな。まあ、俺たちに関係ないし、見た目が良けりゃ中身はなんでもいいか」


「トイレ。行かせてもらえませんか?」


私はさらに男に言った。


「わかった、わかった。ついてこい」


男は私の腕を引っ張ってドアから出して、ドアを閉めて鍵をかけた。


「なんだ、トイレか?」


「ああ」


部屋の外にもう一人見張りの男がいる。


「トイレはそこのドアだ。窓もないし逃げられないから大人しくしろよ。暴れたら大事な商品に傷が付いちまう」


ふむ、本当にここは地下のようだ。


見張りは今のところ2人。


地下にトイレがあるとは変わった造りだ。


トイレを済ませて廊下に出て、男に話しかける。


「連れてこられた人は私達3人だけなんですか?」


「お前、グイグイ来るタイプだな」


「はい、くよくよしても仕方がないので前向きに行こうかと」


「なんか変なやつ。まあ、いいか。今回奴隷商に依頼されたのは3人だからお前たちだけだ」


「私達は奴隷として売られると言うことですか?」


「そうだ、高く売れたら大切にしてもらえるかもしれないからな。値が下がらねえよう傷をつけるなよ」


「…そうですね。ところであなた達は盗賊か何かですか?何人くらいの規模なんですか?」


そこまで話した時、もう一人の男の怒鳴り声がした。


「おい、いつまで喋ってるんだ。さっさと部屋に入れろ!」


「わかってるよ!うるせえな。おい、部屋に戻れ」


私は部屋に押し込められ、バタンとドアが閉まった。


ルナとメリンダが走り寄って来た。


「アニー、大丈夫だった?なかなか帰ってこないから心配したわ」


「ありがとう。少しでも情報が得られたらなと思ったんだけど、なかなか難しいわね」


「アニーさん、無茶しないでくださいね」


「ありがとう。奴らは私達を高く売るために、危害を加えることは少ないみたいだわ」


「やっぱり奴隷として売られると言うことなのね」


「う、う。帰りたい」


2人の目に涙が浮かぶ。


「大丈夫。諦めないから。私の友人達は優秀なの。いざとなれば私があなた達を助けるわ」


私は2人の肩を抱いて励ました。


一方その頃…。


ライラはアニーが帰ってこない事に不審がっていた。


「遅いわね。アニー。ロッソさんとの呼び出しそんなにかかってるのかしら?」


あの子のことだ。


ロッソさんについてそのままどこかに行くとは考えにくい。


「まさかまた、何かに巻き込まれたんじゃないといいけど」


ライラが夜遅くまで待っていると、アニーの部屋から微かにバタンと言う音がした。


あれ?帰って来たのかな?


ウチに寄って話を聞かせてくれる約束なのに夜遅いから遠慮しているのかもしれない。


私がアニーの部屋に行こう。


ライラは部屋を出てアニーの部屋をノックする。


「アニー、帰って来たの?どうだった?」


……。


あれ?帰って来たと思ったのに気のせいだったのかな。


ライラはアニーの部屋のドアノブを回した。


かチャリと音がしてドアが開いた。


「あれ?誰もいない?でもドアが開けっぱなし?」


いつもお互いの部屋を行き来しているアニーの部屋に入って、何か違和感を感じる。


テーブルの上にシンプルな便箋が載っている。


ライラが覗き込むと文章が書いてあった。


「好きな人と駆け落ちする事にしました。探さないでください。アニー」


ゾワワっとライラの背筋に悪寒が走った。


大変だ!アニーが危険な事に巻き込まれた!


ライラはそのまま手紙を手にして恋人のライオネルの元に走った。


「ライオネル!起きて!大変なの!」


ライラはライオネルにアニーがロッソに呼び出された事から手紙の事までを話した。


「つまり、アニーが何かのトラブルに巻き込まれたってことだな」


「そうなの!アニーが駆け落ちなんて絶対にしない。それとアニーはあまり字が書けないの」


ずっと冒険者として鍛錬していたアニーは字が読めるが、書けるのは自分の名前だけだ。


それが恥ずかしいと最近はライラがアニーに字を教えていた。


例えかけたとしたもアニーの字では絶対にない。


「わかった! ディルックを起こしてすぐにアニーを探そう。ライラは部屋に帰っていてくれ」


「うん。何かわかったら教えてね」


ライオネルはディルックの家に急いだ。





読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次もお読みいただけると嬉しいです。

返事が返せないこともありますが、感想必ず読んでます。ありがとうございます。

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