36、警備隊オリバー⑤
今日も読みに来ていただきありがとうございます。
なんか急に暑くなってきてますが皆様体調にはお気をつけて。
誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。
楽しんでいただけると嬉しいです。
「なんてやつだ!!」
ディルックが叫ぶ。
「それで、雑貨店を畳んで、お金を取り戻そうと目撃者に聞き込んでこの街まで来たんです」
ステラさんの諦めない強い思いがジャスパーに辿り着いたんだ。
「お金はもしかしたら帰ってこないかもしれないけど、どうしても一言言ってやりたくて」
マリーさんとライラが拍手を送る。
「えらいわ!泣き寝入りしなかったなんて。おかげでアニーは騙されずに済んだんだもの」
「ええ、せめてもの救いですね」
ステラさんとマリーさんが盛り上がってる中、私は沸々と怒りが込み上げてきた。
まただ。
どうして私が好意を抱く男はこうもクズなんだ。
「……い。」
私はボソリと呟いた。
「ん?どうした、アニー」
ディルックが私を覗き込む。
「女の敵。絶対に許さない。ちょっと捕まえてくる」
私は椅子を後ろに倒して立ち上がった。
「アニー?今から行くって事?」
ライラがギョッとして聞いた。
「うん、早く行かないと街を出て行ってしまうかも」
「それはそうだけど、住んでいるところ知ってるの?」
「知らないけど、多分なんとかなると思う」
ライラがディルックを見た。
「ちょっと、ディルック!なんとか言ってよ」
ディルックもサッと立ち上がった。
「俺も行こう。少しは助けになるかもしれない」
「ありがとう、ディルック」
私がディルックに言うと、ガイアスが手を上げだ。
「はーい!面白そうだから俺も行く!」
「ついてきたけりゃ来い」
ディルックがガイアスに向かって言う。
「じゃあ、行ってくる」
私は店の店の制服姿のまま、外に出た。
「で、何かあてがあるのか」
ディルックが私に問う。
ガイアスは完全にワクワクしている顔でこっちをみている。
「当てはないけど、多分いける。少し静かにして」
私は自身の耳に身体強化をかけた。
冒険者時代に、獲物を探すときによく使っていた。
ダンジョンの数多くの魔物の声の中、狙う獲物の場所を特定するのだ。
意識を集中する。
「多分こっち。付いてきて」
私は通りを走り出した。
少し走っては立ち止まる。
「次はこっち」
ディルックとガイアスは、何も聞かずただ付いてきてくれる。
走っては立ち止まりを繰り返すうちにオリバーの声がだんだん近づいてはっきりとしてきた。
「今すぐにこの街を出られないってどう言う事だ!」
ジャスパーことオリバーは誰かと一緒のようだ。
「ルーダの街で騙した女が俺たちを追いかけてこの街に来てるんだぞ!今すぐ逃げるべきだろうが!」
もう一人の男が答える。
「俺がこの街で騙してる女が、明日金を渡すと言ってるんだ。1日待ってから逃げても遅くないだろう」
「その1日で捕まったらどうする気だ」
「そりゃあ、元も子もないが、1日待てば大金が手に入るんだぞ。せっかくここまで計画してきたんだ。金を受け取ってから逃げても余裕だろう。女一人で何ができるって言うんだ」
「うーん、確かに。それはそうかもな」
オリバーが相手に同意し始めた。
私だけじゃなく、他にも騙されている人がこの街にいるんだ。
これは絶対に許さない。
私は一軒の古びた家の前に辿り着いた。
「ここなのか?アニー」
「うん、間違いない。2人いる」
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次もお読みいただけると嬉しいです。
返事が返せないこともありますが、感想必ず読んでます。ありがとうございます。
評価、リアクション、ブックマークもお願いします。




