31、祭りを終えて
読んでいただいてありがとうございます。
誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。
楽しんでいただけると嬉しいです。
夏祭りから数日…。
「それで、夏祭りはどうだったんだ?」
ガイアスがディルックに小声で聞いている。
「最高に楽しくて。いい感じで。それから告白して。振られた…」
ブフォ!!
盛大に飲み物を吹き出すガイアス。
「アハハ!何それ?お前ららしいわ」
「なんで笑うんだよ…」
聞こえてるんですけど?
「ちょっと、ここでその話やめてよ」
私はガイアスに注意する。
「ごめんごめん、面白すぎて」
ガイアスは、笑いを堪えて声が震えている。
ふん、一瞬流されそうになったけど、冒険者とは付き合わないんだから。
「私はいいと思うんだけどな」
その様子を見てライラが呟いた。
「ほら、だって私はその…」
「はいはい、まあそのうちなんとかなるでしよ」
ライラまで…。
しかし、あんな思いはもうしたくない。
堅実な相手を見つけたいって言うのは間違ってるのだろうか。
人生とはなかなか思い通りにいかないものだ。
そんなある日、いつものように店の食材を買って帰ろうと大きな袋を両手に抱えて歩いていると、後ろから男性が声をかけてきた。
「お嬢さん、落とし物ですよ」
え?私?
振り向くと背の高いがっしりしたイケメンがジャガイモを片手に微笑んでいる。
「えっ?」
慌てて持っている袋をみるとそこが少し破れていた。
どうやらジャガイモがそこから転がり落ちたようだ。
「あっ、どうもありがとうございます。袋が破れてたみたいです」
私はお礼を言ってジャガイモを受け取った。
「袋が被れているならまたこぼれるかも。ちょっと待ってて。他の店で袋をもらってくるから」
そう言って近くの店で袋をもらってきてくれた。
「これに入れていくといいよ。よければ俺が持って行こうか?」
「いえいえ、もう近くなので大丈夫です。袋をありがとうございます」
私はもらった袋に移し替えて、お礼を言って店に帰った。
「親切なイケメンだったなあ」
店に帰ってライラにその出来事を言うと、ライラは心配して言った。
「確かに親切だけど、簡単に騙されちゃダメだからね」
確かにこの前のマルコスさんのこともある。
でもやっぱり少し気になる。
「もし、また会うことがあれば慎重にするよ」
この人の多い街でそう簡単に会うこともないだろうが。
その数日後…。
食堂が休みの日、私は久しぶりにライラとランチを食べに出掛けていた。
ライラの恋人のライオネルさんが冒険者の依頼でしばらく忙しいそうだ。
ライラとは店でいつも会っているのだが、最近はライラはライオネルさんと休日を過ごす日も増えて、少し寂しい気持ちもあった。
だから久しぶりの女子2人でテンションも上がっている。
2人で、男性はあまり好まないような可愛いお店に行こうと言う話になり、素敵なランチに話も盛り上がって充実した帰り道だった。
「ひったくりだよ!誰か捕まえて!」
おばあさんが転んだ様子で、道に膝をついて叫んだ。
おばあさんの向こうには逃げていく若い男の後ろ姿があった。
「ライラ、おばあさんをお願い」
私がライラにそう言って、男を追いかけようとした時だった。
「待て!コイツ!」
がっしりした男性が男を取り押さえた。
「良かった、捕まった!おばあさん大丈夫ですか?」
私は振り向いておばあさんに言った。
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