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30、夏祭り③

いつも読んでいただきありがとうございます。

突然ですが食堂の名前が途中から間違ってました…ごめんなさい。

ひだまりの猫が正しい店名です。

誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。

まだ間違っている箇所あればご指摘お待ちしてます。

今作も楽しんでいただけると嬉しいです。

ディルックと通りを歩くと、街は想像以上の賑わいだった。


大人も子供も食べたり、飲んだり。


音楽に合わせて踊ったり皆笑顔でとても楽しそうだ。


「腹減ったな。なんか食おうぜ」


「うん、お腹減った」


夜中なのにまだ明るい街には食べ物の屋台も多く、あちこちからいい匂いがしてくる。


「いい匂い」


肉の焼けるいい匂いが漂ってくる。


「あれか?美味そうだ!買ってくるからそこで待ってろ」


ディルックは焼き鳥の屋台に向けて走り出した。


「ほら、買ってきたぞ」


ディルックはすぐに戻ってきて串に刺さった熱々の焼き鳥を私に1本差し出す。


「ありがとう。いくらだった?」


私が財布を出そうとすると、ディルックは手で制した。


「おいおい、俺に恥をかかせる気か?今日くらい食べたいもの全部奢らせてくれよ」


こう言うさりげなく優しいところはちょっとカッコいいと思ってしまう。


ちょっとだけだが。


「ありがとう。じゃ、遠慮なく」


まだ湯気を立てている焼き鳥にかぶりつくと、香ばしいタレの香りと共にジューシーな肉汁が溢れてきた。


「うん。おいしいね」


ディルックはにこにこして私を見ている。


「ああ、美味いな」


じっとみられて少し恥ずかしくなった。


「美味いって、ディルックまだ食べてないじゃない」


「アニーが食べてるの見てるだけで美味い」


「何それ?」


その後もクレープの店や、焼き焼売の店など、目につく美味しそうな屋台を2人で食べ歩いた。


「お腹いっぱい。もう食べられないよ」


「そうか?それなら次は食った分を消費しないとな」


そういうと、ディルックは私の手を引いて噴水広場まで連れて行った。


そこはダンスのメイン会場のようになっていて、ステージの上で楽器を奏でている人たちがいた。


そして人々は音楽に合わせて、自由にダンスを楽しんでいる。


「俺たちも踊ろうぜ」


ディルックが私の手を引いて、ダンスの人々の中に入っていく。


「待って、私ダンスなんてしたことないよ」


「難しく考えんなよ。音楽に合わせて自由に揺れてりゃいいんだ」


そんな感じでいいなら…。


陽気な音楽に合わせて手足を動かす。


「そう、そう、いい感じだ」


笑顔のディルックに釣られて、だんだん楽しくなってきた。


「なんか楽しいね」


「うん、俺も楽しい」


ディルックが私の両手をとって、音楽に合わせてクルクルと一緒に回り始めた。


「ふふ、何これ?」


「面白いだろ」


2人で回ったまま噴水に近づくと、酔っ払って仰向けに噴水に落ちそうな男性がいたので、すれ違いざま服の胸元をさっと掴んで噴水に落ちないように軽く引っ張る。


「おっとっと。あれ?」


酔っ払いの男性は何が起こったか気がついてない。


「ふふ」


「やるな」


さらに踊りながら移動していると、今度は今にも殴り合いが起こりそうな拳を構えた男性たちがいた。


私達は男性たちにさりげなく近寄ると、一瞬で一人ずつ向きを反対に変えた。


お互い背を向ける形でパンチを繰り出した2人はよろけて倒れた。


「あはは」


「あーおかしい」


そして人混みに背中を押されてクレープを手から離してしまった女の子には、落ちる前に素早く拾って手に乗せ直した。


「あっ!あれ?」


「どうしたの?」


「今クレープ落としたと思ったのに…」


「え?手の上にあるじゃない?」


母親と少女の会話に笑いが止まらない。


「あははっ」


「最高だ!」


今日だけは、出来るだけ多くの人が笑顔でいられるといいな。


こんな幸せな日々が続いていきますように。




読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

返事が返せないこともありますが、感想必ず読んでます。ありがとうございます。

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