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26、街の噂

いつも読んでいただきありがとうございます。

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ログインなしにしたのでよろしくお願いします。

誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。

今作も楽しんでいただけると嬉しいです。

あれから数日…。


食堂ひだまりの猫はマルコスさんの噂でもちきりだ。


「聞いたかい?街外れの農家のマルコスの話。なんでもここの常連だったとか」


「おとなしそうな奴だったのに人は見かけによらないな」


「麻薬の草をどっさり育ててたらしいじゃないか。どこに売るつもりだったのやら。捕まってよかったな」


私はぼんやりといつもマルコスさんが座ってた席を見つめた。


「なあ、アニーちゃん」


常連さんに声をかけられて、ビクッとして振り向く。


「そ、そうですね」


「どうした?アニーちゃん。なんだか元気がないんじゃないか?」


「そんな事ありませんよ!元気いっぱいです!」


「そうか店の知ってる顔が犯罪者だったからショックだったのかな。気を落とさないようにな」


「ありがとうございます」


ライラが心配そうに私を見つめる。


「アニー、ちょっと厨房においで」


「何ですか?」


マスターが手招きするので厨房に行ってみたら、そこにはホカホカと湯気を立てている特大のオムライスがあった。


卵にケチャップで少し崩れた猫と肉球のイラストが書いてある。


「黙って食いな。腹が減っちゃ元気も出ないからな」


私は厨房の端に置かれたオムライスの前に座った。


「ふふ、不恰好な猫…」


オムライスの前に置かれたスプーンを持って人さじすくい、口に入れた。


「おいひぃ」


マルコスさんはまだ彼でもなんでもなくて、自分では平気なつもりだったのにな…。


どんどん涙が溢れてくる。


マスターのオムライスには魔法がかかっているに違いない。


そして、食べたらきっと元気になれるのだろう。


その後…。


人の噂とはあっという間に広がり、そしてすぐに人々は忘れていくものだ。


数週間経つと誰もマルコスさんの事を話題にする人はいなくなる。


食堂ひだまりの猫にもすっかり忙しい日常が戻ってきた。


「そういえば、そろそろ夏祭りの時期が近づいてきたわね」


昼休憩にみんなで賄いを食べながらマリーさんが言った。


「そうか。今年もそろそろ屋台のメニューを考えなきゃな」


マスターが頭を抱える。


「去年は串焼きにしたから暑くて死にそうでしたね」


ライラは思い出してゾッとした顔をした。


「夏祭りって何ですか?」


わたしが聞くと、マリーさんが答えた。


「そういえばアニーちゃんは初めてだったわね。この街では毎年、お日様が沈むのが一番遅い日にお祭りがあるのよ」


「そうそう、それで昼から明け方までずっと、踊ったり食べたりするんだよね」


ライラの説明はざっくりしている。


「ここらの飲食店は毎年店を閉めて、屋台を出すんだ。ちなみにウチは去年は串焼きだったが、お客が途切れず肉がなくなるまでずっと焼き続けて暑さと疲れでへとへとだった。まあ、儲かったのは事実だが」


屋台で何を出すかは深刻な問題らしい、


詳しい話を聞くと、創造神セレスティア様をお祝いする祭を夏の一番日が長い日に行うらしい。


噴水広場から周りの大通りまでずっと屋台が立ち並び、人々は音楽をかき鳴らし踊り明かすそうだ。


街の飲食店だけでなく、近場の商人たちが食べ物だけでなくいろんな屋台を出してそれは賑やからしい。


屋台は大変だが売上はかなり行くので飲食店は力の入れどころだ。


「もちろん、売上によって特別手当も出すから楽しみにしてな」


特別手当!


別にお金に困ってないが何故かウキウキしてしまう。


それ以上に、今まで祭りというものに一度も参加してこなかった私には祭りがとても楽しみだ。





読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

返事が返せないこともありますが、感想必ず読んでます。ありがとうございます。

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