表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/61

18、ライラのデート

いつも読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。

今作も楽しんでいただけると嬉しいです。

2日後、私はグレーのシャツに黒のパンツという目立たない服装で、さらに黒のキャップを被り待ち合わせのリグルドさんの武器屋のドアを開けた。


「こんにちは、リグルドさん。あ、ディルック先に来てたんだ」


「アニー、全然待ってないよって何?その服装…」


リグルドさんがディルックを憐れむような目で見た。


「だから言っただろ。デートじゃないんじゃないかって」


いつもより少しおしゃれなディルックはイケメン度が増してかっこいい、が、私はそれどころじゃない。


「え?私デートなんて言ってないけど。ディルック、帽子は?持ってきた?」


「一応持ってきたけど…」


「じゃあ被って」


私はリグルドさんの店のショーウィンドウ越しに噴水広場を見つめた。


「何?何見てんだ?」


ディルックも私の隣にやってきた。


ちょうど、歩いてきたライラが噴水前で立ち止まるのが見えた。


「ありゃあ、ライラじゃないか?声かけないのか?」


「うん、ちょっと見てて」


それから5分もしないうちにライラのところに一人の男性が現れた。


「来た!」


「あれは…、雰囲気がずいぶん違うが、ライオネルか?」


私は自身の帽子を深く被り、ディルックの帽子も深めに被せた。


「黙ってついてきて。リグルドさんお騒がせしました」


「おう、何かしらねぇけど、頑張れよ」


リグルドさんが励ましてくれる。


「ありがとうございます。頑張ります」


そーっと武器屋のドアを開け、ライラの死角になる壁から少しだけ顔を出す。


「ライラ、私がついてるからね」


そう呟いて振り向くと、ディルックが微妙な顔をして立っていた。


「これ、どういう状況?」


ディルックが私に訊ねる。


「だって、ライラが怪しい人とデートするんだよ。もし襲われでもしたらどうするの?」


「あ、そういうこと…」


ディルックは頭を2、3回振ると、気を取り直したように言った。


「まあ、これはこれで面白いからいっか」


「何?」


「こっちのこと。で、あの2人を尾行しようってんだな」


「うん、そうなの。お願い、協力してもらえないかな?」


そうだ、ちゃんと頼むのを忘れてた。


「まあ、今日のところはその顔が見れただけで充分か。もちろん協力するぜ」


「ありがとう」


ディルック、なかなかいいやつ。


「あ、移動するみたい。いくわよ」


「はい、はい」


こうして私たちは、ライラとライオネルさんのデートを追跡し始めた。


ライラ達がカフェに入ったのを見て、数分待って同じカフェに入る。


「わあ、こんなおしゃれなカフェ、この街にあったんだ」


席に座ると、可愛い店内にテンションが上がる。


「おい、あんまりはしゃぐと見つかるぞ」


ディルックの言葉にハッと身を引き締める。


私の位置からライオネルさんが見えるが、かなり離れた位置を選んだので何を話しているかはわからない。


ライオネルさんは相変わらず前髪で顔がよく見えないけど、楽しそうなことはわかる。


時折ライラの笑い声が聞こえてくる。


「なんか盛り上がってるみたいだな。俺たちお邪魔じゃないか?なあ、そろそろ2人のことはそっとしといて、俺たちでデートしない?」


「ダメ!ライラにもしものことがあったらどうするの」


「うーん、こんな街中で何かするような奴には見えないんだけど」


「あ、このイチゴパフェ1つください。ディルックは何にする?」


お店の人がオーダーをとりにきてくれた。


「…俺はホットコーヒーで」


店員さんがオーダーをとって戻っていくと私はディルックに言った。


「今日は付き合ってくれたお礼に私が奢るね。他にも追加していいよ」


「待て待て、俺は女に奢られるほど金にこまってないんだよ。頼むから俺に払わせてくれ」


「でも、私が誘ったんだし…」


それにお金はギルドの口座にたっぷりある。


「それでもだ。カッコつけさせてくれよ」


「うーん、ディルックがそれでいいなら、遠慮なく」


なかなかの心がけだ。


そうこうしていると、イチゴパフェとコーヒーが運ばれていた。


「では、いただきまーす」


パクリ。


「美味しーい」


イチゴの酸味とクリームの甘さ、アイスの口溶けがハーモニーとなってたまらない。


「美味そうに食うな」


「うん、すごく美味しいよ」


「そうか、そりゃ良かった」


にっこりと笑うディルックは改めて見るとかなりのイケメンだ。


「ねぇ、ディルックも守ってあげたいような、可愛い子が好きなの?」


思わず聞いていた。


「そりゃあ可愛い子は好きだが、ただ可愛けりゃ誰でもいいってわけでもないし。別に守ってあげたい子が好きなわけでもないけど」


ふーん。


「じゃあ、どんな女の子がタイプなの?」


「それ、今聞くか…?そうだな、かわいいけど強くて友達にも優しくて、しっかりしてるようで抜けてるとこもある子ってとこかな」


「何それ?変わった趣味だね」


「…そうか?結構いい趣味だと思うけど」


ディルックと話していると、いつの間にかライオネルさんがお会計をしていた。


「ライラ達店を出るみたい。私達もお会計をして出よう」


「へいへい」


そうしてこっそりと追跡を続けるのだった。













読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

返事が返せないこともありますが、感想必ず読んでます。ありがとうございます。

評価ブックマークもお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ