12、常連さん達
いつも読んでいただきありがとうございます。
花粉症が辛い時期ですが、頑張りましょう。
誤字脱字が多すぎる作者は皆様の報告ですごく助けられています。
今作も楽しんでいただけると嬉しいです。
「アニーちゃん、ミートボールスパゲティ上がったわよ。3番ね」
「はいっ!」
ぼんやりしてはいられない、3番は…っと。
「3番はここだ」
「ありがとうございます。お待たせしました」
「ああ」
一言だけ話すと、男性は料理を食べ始めた。
「アイツは武器屋のリグルド。かわいい子が増えたから照れてるのよ」
シーラさんが代わりに教えてくれた。
「うるさい、シーラ。あー、俺はリグルドだ。よろしく」
「はい、リグルドさん。アニーです、よろしくお願いします」
「ああ」
照れ屋な人なのかな、耳が少し赤い。
渋めのおじさんだ。
「ついでに、あのデブ中年が肉屋のマーカス。そっちの1人できている若いのがの冒険者のライオネルよ」
「誰がデブだって!?」
マーカスさんに聞こえていたようだ。
「デブだからデブって言ったのよ」
「お前だってデブだろうが!」
「私は少しふくよかなだけでデブじゃないし」
大丈夫かな?ケンカ始まっちゃった?
「大丈夫。この2人いつもこんな感じだけど仲良いから」
ライラがこっそり耳打ちしてくれる。
そういえば皆気にしてないようだ。
食事の提供がひと段落した時、シーラさんが私に言った。
「それで、アニーちゃんはどこ出身なんだい?」
「ガレリアという国です」
「何だって?すごく遠くから来たんだね。ガレリアについてあんまり知らないけど。何が有名なんだい」
「私がいたところは、ダンジョンが有名でしたね」
私が答えると、ガイアスさんが話に加わった。
「ガレリアは冒険者の憧れの街だぜ。一攫千金を目指すならガレリアに行けってな」
「へえ、そんなところなんだね。て、アニーちゃんはそこで何してたんだい?」
きてしまった…その質問が。
ライラさん達には、私が冒険者だったことは言わないでと言っている。
女で冒険者なんて、もう絶対モテない。
私はここソレイユで、守ってあげたくなる可愛らしい女の子を目指して幸せになるんだから。
「えーと、父の仕事の手伝いを」
「お父さんの仕事の手伝いだなんて偉いねえ。どんな仕事だい?」
「ええと、おもに片付けや掃除を」
ダンジョンの魔物を片付ける。
つまり、掃除だ。
「そうだったんだね。大変だったね。お父さんは一緒に来たのかい?」
「あ、父は亡くなりました」
途端に常連さん達の間に気まずい空気が流れた。
「そ、そうだったのかい。辛いことを聞いて悪かったね」
「いえいえ。父が亡くなってからもう結構経つので」
それに父は好きなことをして、悔いなく亡くなったのだ。
寂しいとは思うが、すでに悲しい気持ちはない。
「みんな湿っぽくなるんじゃないぞ。今日はうちの新しい給仕係が入った嬉しい日だ。俺がみんなに1杯奢ってやるから祝ってくれ」
マスターが厨房から出てきて皆んなに言った。
「やったー」
「マスター、ありがとう!いい男!」
「お前ら調子がいいな」
マスターは笑って皆んなにお酒を配った。
「それではうちのかわいい新しい給仕係に。乾杯!」
「「乾杯!!」」
常連さん達の声と共に、私に向かってお酒が掲げられた。
私やマリーさんやライラさんもジュースで乾杯だ。
「ありがとうございます」
そうして、食堂ひだまりの猫での初日が過ぎていったのだった。
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
返事が返せないこともありますが、感想必ず読んでます。ありがとうございます。
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